社内DXを推進する必要性、進めていく上でのポイントについて解説

システム

2021年06月10日(木)掲載

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『働き方改革』、『生産性向上』…――今、世間で声高に叫ばれている、労働環境改善の必要性に伴い、業務の効率化が急務となった方は多いのではないでしょうか。

こうした課題における解決策のひとつとして、『社内DXの推進』が広く注目を浴びています。

当コラムでは、社内DXを推進することで得られるメリットや、実際に推進していく上でのポイントを解説します。今後、社内にDXを推進することを検討している企業の担当者の方は、ぜひご覧ください。

DX推進の必要性

本題に入る前に、DXとはそもそもどんな意味があるのか、また国内全体では、DXがどの程度浸透しているのかについて触れていきます。社内DXを推進するうえでの予備知識として、参考にしていただければ幸いです。

そもそも、DXとは?

一般的には「デジタル化」を指す言葉としてよく混同されがちですが、実際はデジタル化によって起こる「社会的変化」そのものを指します。

たとえば、既存のサービス・システムに、クラウドやAIを導入することによって生み出される個人の生活や働き方、組織経営の変化もDXのひとつですし、データとデジタル技術の活用から、今までにない新事業やサービスを立ち上げることなども該当します。

国内の各企業における『DX推進』の現状

2018年、経済産業省は「DXレポート」を発表しました。その中から、DX推進に対する、各企業の認識と現状についての記述を抜粋します。

あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。

出典:経済産業省「DXレポート」内『模索過程にある経営戦略』

しかし、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)による2017 年度の調査によると、我が国の企業においては、ITシステムが、いわゆる「レガシーシステム」となり、DXの足かせになっている状態が多数みられるとの結果が出ている(レガシーシステム とは、技術面の老朽化、システムの肥大化・複雑化、ブラックボックス化等の問題があり、その結果として経営・事業戦略上の足かせ、高コスト構造の原因となっているシステム、と定義している)。

出典:経済産業省「DXレポート」内項目『既存システムの現状と課題』

複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025年までに予想される IT 人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある。

出典:経済産業省「DXレポート」内項目『既存ITシステムの崖(2025年の崖)』

上記3項目をもとに要約すると、国内全体のDX推進に対する現状と今後は、下記のように考えられます。

【1】多くの国内企業が、DX推進を進めたいと考えている。
【2】しかし、『レガシーシステム』の刷新が当面の課題となっている企業が多く、DX推進そのものはうまくいっていないケースが多い。
【3】2025年までに、『レガシーシステム』の残存によってDXが進まない場合は、国全体で最大12兆円(/年)の経済損失となる可能性がある。

この要約から分かるように、国内全体における課題感としては『レガシーシステム』の刷新が大きなウェイトを占めています。しかし、今後グローバル化がますます進むことが予想される中で、競合に一歩差をつけることまで見据えると、やはりレガシーシステムの刷新だけに留まらず、『DXの推進』まで見据える必要があると言えます。

多くの企業がDX推進に手をこまねいている現状を逆手にとって、『今』から積極的にDXを推進することは、将来の会社の成長において、大きなアドバンテージを取ることにつながるのではないでしょうか。

「社内DX」は、DX推進におけるはじめの一歩

ここまでは、DXの本来の意味と、各企業におけるDX推進の現状について触れました。とはいえ、デジタル関連の成功体験の少ない企業や部署にとっては、いきなりDXに取り組むのもハードルが高いことでしょう。

そこでDX推進のフェーズを、スモールステップに分解してみます。たとえば、読者の皆さまが務めている職場にも、非常にアナログだったり、非効率と思われる業務は存在していませんか?

こうした社内での『不便さ』をシステム導入で改善し、生産性向上やコスト削減を実現することを、俗称として『社内DX』と呼びます。

DX自体は情報技術によってゼロからイチを生み出す意味合いが大きいため、推進の障壁を感じる方も多いでしょう。しかし、社内DXレベルまでフェーズを分解し実行することで、DX推進における第一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。

社内DX推進のためのファーストステップ

では、社内DXを推進するうえで、どのような点に注意すればよいのでしょうか。確実に成功させるためにも、推進の足かかりとなるポイントを挙げてみます。

全体像を明確にする

社内には様々な人がいるため、DXに対する考え方や理解度、熱量が異なるでしょう。プロジェクトが瓦解しないためには、チーム内で緊密な連携をとり、それぞれが自分の役割を理解する必要があります。

まずは社内DXの目的や方向性などの全体像を明確にし、社内全体で理解することが重要です。

それぞれの役割に沿った人材を確保する

社内DXの推進を円滑に進めていくためには、目的に見合った人材を確保し、適材適所で配置する必要があります。ここでは例として、下記のような人材を挙げてみます。

・デジタルツールを活用できる人材
社内DXの推進には、デジタルツールに精通している人材が必要です。デジタル領域は変化が激しいだけに、単に経験があるだけでは務まることが厳しいでしょう。 日々、新たな情報を取り入れ、アップデートする能力のある人材が欠かせません。

・戦略を立てることができる人材
社内DXの推進には、戦略立案や交渉力に長けた人材も必要です。ツールを活用できる人材だけでなく、全体の戦略を立てることができる人材がいなければ、DXの推進を円滑に進めることが難しくなります。事業の立ち上げ経験や経営戦略知識のある人材の存在は、心強い味方となるでしょう。

いずれにせよ、社員にはそれぞれ得意不得意があり、いかに社員の能力を活かすかを考えることもポイントです。人材の確保は、社内DXを推進する上でも、重要な課題として挙げられるでしょう。

POINT

・社内DXを推進する際にはチーム内で緊密な連携をとり、それぞれが自分の役割を理解する必要がある。
・社内DXの推進には、デジタルツールに精通している人材が必要である。
・ツールを活用できる人材だけでなく、戦略立案や交渉力に長けた人材も必要である。

社内DXの事例

次に、実際に社内DXでどのようなことが実現できるか、具体例を解説します。

リモートワークの導入

コロナ禍において、メジャーとなったリモートワーク。VPNと呼ばれるツールの導入によって、遠隔地から社内サーバーへのアクセスを可能とし、在宅とのハイブリッド勤務形態を生み出すことができます。リモートワークの勤務管理が難しいと感じる場合は、併せて『勤怠共有ツール』を導入するのもオススメです。

社内のコミュニケーション

部門によってデータの管理方法が異なっている場合、他部門とのデータのやりとりをする際に手間がかかるため、データの管理を社内で一元化することで、各部門で進めていた経営状況の把握が可能となります。

・オンライン会議
ビデオ会議ツールを導入することで、国内外とのオンライン会議が可能となります。採用活動、海外拠点とのミーティング、社員研修など、様々な場面において新たなコミュニケーションの形を確立できます。

・チャット上でのやり取り
既存のメールから、チャット上でのやり取りに優れるチャットツールの使用により、情報共有のスピードが向上します。

業務内容のオンライン化

顧客とのスムーズなデータの受け渡しをする手段が必要な際に、クラウド上にファイルの共有環境を構築することで、コストの削減、顧客側のセキュリティに対する不安の解消に繋がります。

POINT

・社内DXの活用例として、リモートワークの推進が挙げられる。
・社内での会議や情報共有の際に、ビデオ会議ツールやチャットツール等を使用することで、情報を共有するスピードが向上する。

社内DXの進め方が難しい場合は

少子高齢化による労働人口の縮小を背景に、現在様々な業界で省人化・省力化が急務となっています。また、長引くコロナ禍により、行政から多くの企業にリモートワークへの転換が求められています。これらの問題を解決するためには、デジタル化により、社内DXを推し進める必要があります。

しかしながら、デジタル技術の発展に伴い、現場で求められるシステムの効率化を担う技術は年々複雑化しています。また、社内DXを実際に取り入れようとすると、コストや人的問題など、制約が浮上し、多くのトラブルが起こる可能性があります。

とりわけ自社内にIT部門が充実していない場合は、社内DXを推進する際、自社で導入・開発するのは難しいケースもあるでしょう。スムーズに社内DXを推進するには、新しいデータの投入やツールの導入など、DXの技術や問題点を熟知する専門家の支援が有効です。

変化の速い時代において、対応力が企業およびビジネスパーソンの両方に求められています。i-commonでは様々な経営課題に直面してきた顧問が貴社の事業を支援します。社内DXを推進しようと考えている方は、ぜひi-commonにご相談ください。

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