サービス導入事例

ガデリウス・インダストリー株式会社

売上:
その他(非上場・非公開)
業種:
中間流通

物流

物流の現場を知る専門家の支援で、物流倉庫会社と連携した業務改善の取り組みが大きく前進

LEH建材部
  • 部長 ヤン・ステイナー 氏
  • 斉藤 智子 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    物流業務の改善プロジェクトを社内で進めてきたが、外注先の物流倉庫会社と連携してさらなる効率化を図る上で、物流の現場を知るスペシャリストの知見を必要とした

  • AFTER導入による成果

    専門家の助言を受けて物流倉庫会社と対話を重ねたことで相互理解が深まり、連携して改善に取り組むパートナー関係を確立。システム導入に向けた道のりが明確になった

効率化へのボトルネックだった物流業務

産業機器や建築材料、医療機器等の輸出入を手掛けるスウェーデン資本の専門商社、ガデリウス・インダストリー株式会社。日本に拠点を構えて112年の歴史をもつ。多岐にわたる商材を扱う同社の中で、LEH建材部は、高断熱の木製玄関ドアや木製三層ガラス窓などを輸入・販売する部門だ。同部では2017年頃からバックオフィス業務の効率化を試みてきたが、それを阻むボトルネックとなっていたのが、出荷や入庫、在庫管理、デリバリーといった物流全般の業務だったという。

同部でCSO(Customer Service and Operations)の責任者を務める斉藤智子氏は振り返る。「委託先の物流倉庫会社とは10年来の取引がありますが、これまで互いに業務の見直しをしたことがなく、任せきりになっていました。玄関ドアや窓などの建材は大きくて重いため倉庫側にとっても扱いづらく、倉庫内は雑然とした状況。まずは自分たちで整理をすることから始めましたが、その先の業務効率化に踏み込むには、部署内の知識だけでは限界がありました」

同部部長のヤン・ステイナー氏は、前職で物流のプロとともに業務改善に取り組んだ経験があり、今回も外部の専門家のサポートを受けることを迷わず選択した。「単にアイデアを出したりレポートを書いたりするコンサルティング会社ではなく、現場経験を活かしてプロジェクトのメンバーといっしょになって改善に向けて動いてくれる人の力が必要でした」と、i-commonを選んだ理由を語る。2018年2月より、大手総合物流企業に約35年勤務し、物流の幅広い知見を有するN氏がアドバイザーとして参画。短納期でミスなく納品できる体制を整えることを目指してプロジェクトは加速した。

立場の異なる2社の対話を“通訳者”としてつなぐ

業務改善に向けてN氏はまず、物流のプロの視点から、契約書・見積書の不備や改善点を指摘。コストダウンの余地がある箇所を洗い出しアドバイスを行った。ステイナー氏は「倉庫管理システムを導入することが業務改善の近道だと初めは考えていましたが、そのシステムを入れる前提条件となる基本の在庫管理体制が自社にないことに気付かされました。自分たちだけでは分からなかった根本的課題です」と語る。N氏のアドバイスに基づき、プロジェクトのメンバーは物流の合理化に必要不可欠な、製品の品番管理に注力してきた。

並行して、物流倉庫会社との間で1年をかけて協議を重ね、双方が連携しての業務改善策を模索。N氏は、どちらの立場も理解する第三者として、互いの主張を相手にわかりやすく伝える、いわば交渉の通訳者の役割を担った。「回を重ねるなかで、物流倉庫会社と当社の間に次第に同志のような気持ちが芽生えました。双方に改善点が多くあることを互いに認識でき、そこから初めて、価格交渉も含めた前向きな対話ができるようになったと思います」と斉藤氏。その結果、倉庫側が当初提示していた値上げ要求に対し、業務の省力化を図ることを前提に、上げ幅を小さくすることで合意。ステイナー氏は「運送業界の内情や相場をよく知るNさんの的確な助言があったからこそ、交渉できる土台が整い、納得のいく結論を出すことができました」と振り返る。

協議の末、納期を一律的に短縮する目標も見直し、倉庫側の負担度合いによって即日出荷するものと、1日空けるものとを区別することに。製品に応じた無理のない出荷体制が整ったことで、倉庫側の負担が減少。また、これまで社内の各支店から倉庫側へ個別に依頼や指示を出していたやり方を見直し、連絡窓口を斉藤氏に一本化した結果、よりスムーズなコミュニケーションが可能になった。

相互理解を深めたことで改善プロジェクトが加速

同社にとって物流会社は、その存在がなければ顧客に商品を届けられない重要なビジネスパートナーだが、長年の取引のなかで決め事が曖昧になり、互いに不満が蓄積していたことが今回の課題の根本原因だった。対話をしようにも、それぞれの分野についての専門知識がない状態では相互理解を深めることは難しく、その間を取り持ったのがN氏だ。N氏のアドバイスのもと、プロジェクトを通してメンバーに物流の知識が備わり、考え方や行動が変わったことで、N氏との1年間の契約を終えた現在も、自分たちだけで着実に業務改善を進められる体制が整った。それが今回の最大の成果だったとステイナー氏は捉えている。

斉藤氏は「プロの方に入っていただいたことで、私自身がこれまで知ろうとしなかった物流に関する専門知識を身につけることができ、日常の業務に対する見方も大きく変わりました。これまではルーティンのように捉えていた一連の業務を、『もっと工夫できないだろうか』『どうすれば成果につながるだろう』と、コストも意識しながら自分たちで考えて実行するようになりました」と変化を語る。

今後の目標である同社と物流倉庫会社とをつなぐ倉庫管理システムの導入を見据え、業務改善プロジェクトは継続中だ。物流の改善は、地道な取り組みの積み重ねで、スタートしてすぐに効果が出るものではない。プロジェクトメンバーにとっても、最初は手探りのなかで我慢の時期も続いたが、それも必要なステップだったと今は実感するという。地道な土台固めの時期があったからこそ、システム導入に向けて何が必要かが明確になった今、改善の取り組みは順調に軌道に乗り、そこに顧問の知見が確かに根付いている。

企業名
ガデリウス・インダストリー株式会社
設立
1998年1月(創業1890年〈スウェーデン〉、1907年〈横浜〉)
従業員
220名(グループ全体)
事業内容
産業機器、建築材料、医療機器の輸入・販売

担当顧問より

物流というと「Aという商品をピックして顧客先に届けるだけ」と単純に考えがちで、社内的にも軽く見られ、特に経営層には「安くしろ」と担当者に押し付ける傾向を数多く経験しました。
しかし、物流は商流によって常に変化するものであり、応急処置で対応していると多くの「無理・無駄」が積もり積もってしまいます。それらを物流業者に押し付けていると、業者は使われている意識が強くなり、最終的にはコストアップになってしまいます。そうなると、業者との関係もギクシャクしてしまい、委託というパートナーでは無くなってしまいます。
物流改善は「無理・無駄の排除」ですが、物流業者内における「無理・無駄の排除」は当然であるものの、それ以上となると、クライアント様の社内ルール改訂やお取引様との契約内容の変更にも及ぶことが出てまいります。このような状況となった場合、クライアント様と物流業者が一体となって最適な方法を作り上げることが重要となってきますので、パートナーシップを常に保つことが大切となります。
今回の事例はまさにこのような状況を打開した良い例ではないかと思います。お互いが率直に話し合えるようになったことが今後の改善にも結び付くと思います。今後はミーティングを、クレーム処理だけでなくその原因について根本的な改善策を双方で見出すことを目的ともして、定期的に開催いただければと期待しています。
経営層の方も、物流関連の社内報告があった時にはその内容をご理解いただき、物流企画部門の創設増強や担当者拡充をご検討のうえ、商流への展開にご活用いただければ最適な物流を享受できると確信しております。

登録顧問 N氏(60代) 大手総合物流企業に入社後、コンサルティング部門で物流改善に取り組み、その後、営業として 3PL導入や倉庫内の効率化、コスト改善等に携わる。物流システムの導入からセンターの設計、輸配送システムの構築まで、経験に基づく豊富な知見を有する物流のプロフェッショナル。