ティール組織とは?次世代型組織モデルのメリットを徹底解説

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2022年05月06日(金)掲載

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組織醸成のトレンドワードとして、「ティール組織」が注目を浴びています。とはいえ、名前こそ聞いたことはあれど、なかなか当ワードの意味に触れてこなかった方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

当コラムでは、改めて「ティール組織」とは何か、何をもってティール組織と呼ぶのかについて、ティール組織を実践している海外の企業事例とともにご紹介します。

次世代型の組織:ティール組織とは

ティール組織とは、フレデリック・ラルー氏が提唱した組織分類上内での名称です。

ラルー氏は、約2年半にわたり世界中の組織に対して調査を行う中で、これまでにない次世代的な組織のことを「ティール組織」と定義しました。

名称の由来

「ティール」とは、鴨の羽のような青緑色を指します。ラルー氏は組織を5つの分類に分け、それぞれに「色」の名称をつけています。その内のひとつが「ティール組織」です。

ティール組織の特徴

ラルー氏は、ティール組織を「社員それぞれが、各々の意思決定によって、ありのままに動く組織」としています。従来型である「指示に従って動く組織」ではなく、独自の主体性によって成長を続ける点が、ティール組織の特徴です。

独自で考え行動する分、スピーティな改善施策の実行や、思わぬ視点からのアイデア創出や成長シナジーが期待できます。結果として、さらなる組織成長の促進にもつながるのです。

ティール組織に至るまでの5段階

Red(レッド)組織:衝動型

レッド組織は、独裁的な状態でマネジメントが行われる組織です。

リーダーは絶対的な指揮命令権を持つとともに、メンバーは指揮命令に従うことで安心を得ているという特徴があります。目の前の利益や、その場を生き残るための判断が優先される点から、「オオカミの群れ」にたとえられています。

Amber(琥珀)組織:順応型

アンバー組織は、明確な上下関係・ヒエラルキーが敷かれており、上位層による管理下で動く組織です。

レッド組織よりも、長期的な目線を見据えて指示がなされることが特徴であり、階層ごとに役割が定まっています。しかし、上下関係は変わらず絶対的であることから、状況変化に適応しにくい欠点があります。いわゆる「軍隊」として例えられています。

Orange(オレンジ)組織:達成型

オレンジ組織は、関係性ではなく数値に重きを置く組織です。

一定のヒエラルキーは存在するものの、数値重視のため、成果を出せばヒエラルキーの階層を上がることが可能です。とはいえ、成果重視であることから、メンバーは自己を犠牲にして成果を出すことを求められるようになります。現代のマネジメント形態は当形態であることが多く、また、しばし「機械」にたとえられている組織です。

Green(グリーン)組織:多元型

グリーン組織は、個々の主体性や多様性を重んじる組織です。

オレンジ組織と同様ヒエラルキーは存在しますが、より「個」に焦点を当てており、それぞれのメンバーの在り方や考え方が尊重されます。とはいえ、メンバー間での決め事に対して、個々の考え方が異なる場合、合意形成に時間がかかる側面もあります。このことから、グリーンは「家族」にたとえられる組織です。

Teal(ティール/青緑)組織:進化型

ティール組織は、個々が意思決定権を保持している組織です。

リーダーやメンバーといった上下の概念がなく、一人ひとりが互いを信頼したうえで独自に動き、運営を進めていきます。進化という目的をともに見据えており、市場変化へ柔軟に対応できる組織形態といえるでしょう。ティール組織は、全体をもって「1つの生命体」としてたとらえています。

ティール組織へのよくある誤解

誤解されやすい点ですが、ティール組織となるための「型」は存在しません。すなわち「この手法を真似すれば、必ずティール組織になれる」といった絶対的なルールは存在しない、ということです。

あくまでもティール組織は、レッド~グリーンまでの組織体には分類されず、かつ進化型段階の意識レベルに合っている組織に対して、一定の共通点が見られたために名付けられた名称であることを念頭に入れておきましょう。

また、ティール組織と似たようなワードに「ホラクラシー」があります。こちらは経営手法として提唱されているものであり、ホラクラシー経営を行ううえでは厳格なルールが敷かれています。ティール組織が分類上の名称であることと比較すると、両者の違いがお分かりいただけるのではないでしょうか。

ティール組織が持つ3つの共通点

ティール組織に共通してみられる「一定の共通点」とは、一体何なのでしょうか。以下で詳しく解説します。

セルフマネジメント

一つ目は、一人ひとりが自由に意思決定権を持ち行動する「セルフマネジメント」です。

セルフマネジメント上に階級は存在せず、自発的に物事を決定し行動することが特徴です。ケースによっては、給料の金額をいち社員同士で決定しているところもあります。

セルフマネジメントの意味としてとらえられやすい「自律」という枠を超え、自分自身で判断をくだすという点が、ティール組織上のセルフマネジメントにおける決定的な点といえます。

ただし、判断を下す前には「アドバイスプロセス」というものを踏むことが一般的です。まず、意思決定を行う該当者は、事象に対する専門性・関連性の高い人に、説明とアドバイスを求めます。求められた側は真摯にアドバイスを行うとともに、求めた側はそのアドバイスを受け止めたうえで、最終判断を下します。

総じて、社員同士の信頼の上に成り立つ要素といえるでしょう。

ホールネス

二つ目は、自身がありのままでいられる状態を指す「ホールネス」です。

「ホールネス」が成立している環境下では、その人個々の感性や感情、理性など、あらゆるパーソナリティを押し殺すことがありません。

よく、誰かとはたらく上では「ありのままの気持ちに仮面をつけている」などといった表現をされるケースもありますが、ホールネスはこの考え方と対極的であり、個々のありのままが常に表れている状態といえます。

存在目的

三つ目は、組織にいる意義を重要視する「存在目的」です。

会社の方向性や市場ニーズに、個々が考えを無理やり合わせるのではなく、「この組織は何のために存在しているのか」「なぜ自分がここに属しているのか」を一人ひとりが常に探求しています。

探求の上に行われる運営は感覚的であり、実行できる解決策をスピーディに展開しているのも特徴です。また、存在目的のためであれば、時には事業内容そのものを変更するダイナミックさも持ち合わせています。

海外企業のティール組織成功事例

在宅サービス企業・A社の事例

オランダに拠点を構えるA社は、管理型の経営を行っていました。

しかし、効率を重視するあまり顧客との信頼が薄れてしまったり、本来目的としていた、顧客に最適な看護を提供するということからかけ離れてしまったことを機に組織改革を実行。マネージャーを撤廃し、各チームが責任を負うという「自主経営」の方針に切り替えました。

この組織改革の結果、顧客からの満足度が向上しただけでなく、社外の看護師からも厚い支持を獲得。他社からA社に移籍する看護師も増えたとのことです。

食品加工企業・B社の事例

フランスに拠点を構えるB社。同社の従業員には、決まった肩書がありません。目標やミッションは同僚同士で決め、全員に決定権と責任が与えられています。自発的な行動によって秩序形成がなされている点から、ティール組織の一例であるといえます。

まとめ

ここまで、ティール組織の概要についてご紹介しました。

次世代的かつ革新的な組織形態であることから、自社をティール組織へと昇華させたいとお考えの方も多いことでしょう。

例えば、「ティール組織の考え方を、現場にどのように根付かせればよいのか、判断がつかない」「具体的な手法はわかったものの、すでに旧来の企業文化が染みついており、改革に踏み出せない」等のお悩みをお持ちの場合、解決のヒントとして「第三者の手を借りる」という選択肢を検討してみるのはいかがでしょうか。自社の現状が健全か、あるいは改善の余地があるのか。状況を俯瞰したうえでのサポートやアドバイスは、社内だけでは見出しにくい突破口を探すきっかけとなるかもしれません。

なお、経営支援サービス「i-common」では、さまざまな業態におけるHRに特化した専門家が多数活躍しています。従業員の主体性を引き出すための制度設計から、風土を根付かせるための組織醸成(インナーブランディング)まで、幅広い観点でお力添えいたします。まずはぜひ、お気軽にご相談ください。

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