品質マネジメントシステム規格の必要性とメリット

システム

2019年07月09日(火)掲載

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品質マネジメントシステムとは一体何なのでしょうか。 今回の記事では、品質マネジメントシステムの有用性や、品質管理における重要性、導入文することによるメリットを紹介します。

そもそも「品質マネジメントシステム」とは

品質マネジメントシステムとは、品質管理システムとも呼ばれます。

●簡単に説明すると

企業における製品またはサービスの制作過程を管理、マネジメントするシステムのことです。

「QMS」とも呼ばれますが、文字通り、 ・Quality:品質 ・Management:管理 ・System:システム を示しています。

品質マネジメントシステムとは、主に製造業などにおいて、製品の質やクオリティを確保するために用意されているシステムやルールです。

とすると、品質マネジメントシステム規格は、いわば「国際運転免許証」であり、グローバル市場を走り回る為のライセンスとも言えます。「国際運転免許証」を保有していなければグローバル市場は走れませんが、ライセンスを有しているからと言っても運転が上手いわけでもありません。

品質マネジメントシステムの必要性とメリット

では、品質マネジメントシステムの必要性とメリットは何でしょうか。

品質マネジメントシステム規格がない時代は、顧客と供給者が一対一の関係で、お互いに役立つ品質向上策を模索していました。これを続けていけば、いずれ顧客の数と国籍が増えたときには確固たる関係性が崩れてしまうのが見えていました。品質マネジメントシステム規格が作られ定着していくと、顧客と供給者を繋ぐ共通言語になります。

つまり、品質マネジメントシステム規格を学び実践することが、多数の企業、国への対応に関するムダな工数を省き、確実な回答を導くということに繋がるのです。

品質マネジメントシステム規格の認証取得や運用する上での心得

規格要求内容を自社として十分に咀嚼した上で、全部門/全社員が応えられる様な状態を作ることが重要です。

品質管理の体制は一部社員でなく、全社員でつくられる

品質管理体制という言葉が指しているのは、品質という名称がついた部門の組織や社員と誤解されがちです。しかしそれは本質的に、生産にかかわる全部門、全社員の組織的に管理された活動を指します。

一部の社員のみの関わりで仕組みが立ちあがり運用されるようにとなると、その後は誰も関わろうとしない傾向があります。一部の社員が作った社内規程には、分かりにくい言葉が並び、社内の他の従業員が判断できない規定が増えていきます。上層部も含めて全社員が、主体性を持ち分からない文言、文章には、「誰にでも判る主語、述語、目的語のある規定へ修正してほしい」と改善要求をし続ける必要があります。

技術的な視点で改善点を提案できる社員は強い

規格の和訳本には、元々の品質マネジメントシステム規格が日本語ではないため、わかりづらい場合もあるかもしれません。解釈に迷ったときは、原文調査や外部の専門家に相談することが望ましいです。

また、社内外の工程を監査し、合否ではなく技術的な視点で問題点を挙げ、かつ技術的な視点で改善点を提案できる社内監査員は、極めて高い評価を顧客から受けています。

そのような担当者を育成することが、品質マネジメントシステム規格を導入する第一歩となります。しかし、このような優秀な担当者は「技術部門から品質部門へ」という一回の異動では育成できません。どのようにすれば、優秀な担当者が育成できるのでしょうか。

●最終的には経営者やトップの理解が必須である

「新人を技術へ配属→数年後に品質部門へ異動(但し技術への復帰を確約)→3年を目処に技術部門へ復帰」という長期的視野を持った人事異動と育成計画をもつ必要があります。これは人事部長の裁量だけではなく、経営トップの理解が必要です。

POINT

・品質管理体制は、生産に関わる全社員で作り上げていく意識が非常に大切である。
・技術的な視点での批判、改善ができる社内監査員は顧客から高評価を受ける。
・長期的視野での人材育成には経営トップの理解が必要になる。

品質マネジメントシステムへの経営者の関わり方

特に重要なのは「経営者の関わり」です。

経営者が品質マネジメントシステムについて話をする機会が、年次の外部審査時に於けるトップインタービューだけになっていないでしょうか。経営者は品質マネジメントシステムについて全結果責任を負っていますが、その拘りについての気迫や気概を感じさせる経営者は未だ少数派だと思います。

品質問題に関わる不祥事があれば、経営者はメディアから集中砲火を浴びます。多くの場合はメディアに対する説明責任が不足している事に起因する非難を浴びますが、その背景になっているのは、経営者が「私は知らなかった、報告が途中で止まっていた。」と言うこと、或いはそれに類したことを発信してしまうからです。

POINT

・経営者は品質マネジメントシステムの全責任を負っている。
・リスクに備えるためにも経営者は品質マネジメントシステムに積極的に関わる必要があり、社員は経営者を積極的に頼る必要がある。

品質マネジメントシステムの重要性

昨今では偽装、ねつ造、虚偽申告などのニュースが多く取り上げられております。長年、日本人的な発想である「性善説」に基づいたものづくりが通用していましたが、その実績に私たちが胡座をかいてしまったことが原因だと感じております。また、「悪意をもった」第3者に対する備えが無いことが多いのが日本企業の特徴です。

製造物責任(PL)法や消費生活用製品安全法、機能安全などなど最終ユーザーを守るための規格や法律は続々と増えていますが、日本企業になかなか馴染まないという問題もあります。

日本の製造業において、品質管理体制に関わる問題が多数発覚しております。

日本企業は品質マネジメントシステム規格の導入だけでなく、運用した上で、品質関連情報が全社員に対して可視化されている体制を構築することが今後より重要となるでしょう。

POINT

・性善説の通じない、「悪意をもった」第三者が存在するため、企業である以上、そういった人に対する備えが必要である。
・最終ユーザーを守るための規格や法律は続々と増えている。
・品質関連情報を可視化し、全社員で共有できる体制を構築することが非常に重要である。

品質マネジメントシステムにおいて最も重要なこと

品質マネジメントシステム規格の認証取得するにあたり、品質の管理は、品質管理部門だけのものではない、ということを理解しておく必要があります。

決められた品質マネジメント規格にもとづいてプロダクトを作るのは製造部門・技術部門であり、品質管理に問題が発覚した時に責任を取るのは経営者です。全社員が品質関連情報を理解し、品質管理に対して当事者意識を持つ体制を構築する必要があります。

このような品質管理体制の強化を行う際は、外部の専門家を活用するのがオススメです。品質管理に関する知見が深い上、第三者の視点を取り入れることができるため、客観的に現状の体制を見直すことが可能になります。業界トップクラスの顧問登録数を誇るi-commonのサービスを活用すれば、最適な専門家を見つけやすくなります。さらに顧問の紹介後は、i-commonのコンサルタントがプロジェクト成功に向けてハンズオンでフォローアップするため非常に安心です。ご興味を持たれた方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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ライターS.T氏

大手電機メーカーに入社し、車載機器を中心とするOEMビジネスに従事。部品から完成品まで新規立ち上げに携わり、品質管理・市場品質向上において高い評価を獲得する。2010年からは電気機器大手で品質保証の総責任者として、国内大手完成車メーカーから品質優良表彰なども受賞。

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