パーパス経営とは?企業の成功事例を解説

経営全般・事業承継

2022年04月18日(月)掲載

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昨今、社会情勢の変化などを背景に、社会的価値と経済的価値の創出を同時に目指す「パーパス経営」が、新たなビジネスモデルとして市場の注目を集めています。

本コラムでは、「パーパス経営とは何か」、「パーパス経営が今注目される理由」について、成功事例とあわせて紹介します。

パーパス経営とは

はじめにパーパス(Purpose)とは、目的や意図を指す用語であり、近年では経営戦略やブランディングなどの企業活動のキーワードとして用いられるケースが増えています。

企業がパーパスを用いる場合は、社会における企業の「存在意義」を意味しており、欧米先進諸国では、「Purpose based management(パーパスをベースにした経営)」や「パーパスを原動力とするビジネス(Purpose driven business)」といった用語が一般的に用いられています。

日本のビジネスシーンにおいても、「パーパス経営」なる用語が生まれ、社会的認知が進んでおり、中期経営計画などに積極的に採用する企業が増えています。

パーパスとミッション・ビジョンの違い

パーパスと混同されやすい用語に、ミッションとビジョンがあります。

パーパス経営を理解するためにも、両者の違いを認識しておくことは重要です。

ビジネス領域におけるパーパスとは、社会において何のために企業が存在するのかという、「何故(WHY)」に対する答えとして策定されます。

一方、ミッションはパーパスの実現に向けた事業戦略や行動指針を指し、ビジョンはミッション到達の先にある企業のあるべき姿として策定されます。

このようにパーパスから企業のミッションが創られ、その結果としてビジョンが描かれることから、ミッションやビジョンは、パーパスの実現に向けて「何をやるか(What)」に対する答えであるといえます。

パーパス経営は企業にとってよりよい事業戦略の構築へとつながり、ステークホルダーの支持や企業ブランドの向上など、大きなメリットが期待できることから、多岐に渡る業種で採用が進んでいます。

パーパス経営が今注目される理由

多くの企業がパーパス経営に取り組むようになった理由として、以下3つの背景が影響しているといわれています。

サステナビリティやSDGsへの意識の高まり

現在、深刻な地球温暖化により、大規模な森林火災や干ばつが発生する中、サステナビリティが注目を集めています。

サステナビリティとは「持続可能性」を意味し、企業活動で用いる際には「企業は利益を追求するだけではなく、経済・環境・社会の観点から、長期的な視点で持続可能な事業活動を行うべきである」という考え方を指しています。

昨今トレンドのSDGsは、2030年までに経済・環境・社会の側面において持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。

目標達成のため、具体的に17のゴールが設定されていることから、SDGsはサステナビリティの考え方を具体化したものであるといえます。

サステナビリティやSDGsへの関心がなく、企業としての取り組みがない場合、市場から国際社会の課題に対して意識が低い企業として見なされ、企業ブランドの低下を招く恐れがあります。

国際社会の共通課題でもある循環型経済の実現に向け、企業にパーパスを求めるニーズが増していることが、一つ目の理由にあげられます。

ミレニアル世代の価値観の変化

パーパス経営が注目を集める背景には、今後の企業活動や消費行動の軸となるミレニアル世代の価値観の変化も考えられます。

ミレニアル世代は1980年代~1990年代半ばに生まれ、2000年代に成人もしくは社会人になる世代を指し、「失われた20年」と呼ばれるバブル崩壊以降の日本経済の低成長期に育った世代です。

物心がついた頃からインターネット環境が整備されており、彼らの親世代と比べてデジタルリテラシーが高い傾向にあり、日常生活で豊富な情報や多様な価値観に触れています。

そのためミレニアル世代は、企業に対し経済価値だけでなく、「何のために事業を行うのか」といった社会価値の創出も求める傾向にあるといわれています。

パーパス経営に取り組んでいる企業ほどミレニアル世代の共感や支持を得やすく、今後の事業成長に不可欠な要素であることも、企業のパーパス経営を後押しする理由の一つとして考えられるでしょう。

新型コロナウイルスの感染拡大

新型コロナウイルスの感染拡大により、社会情勢が大きく変化したのは記憶に新しいかと思います。

リモートワークの普及などにより、消費者の価値観や行動が変容し、企業は経営ビジョンや事業計画の見直しを求められた結果、多くの企業でパーパス経営へのシフトが活発化しました。

時代の要請として、パーパス経営の推進は、企業にとって不可欠な経営アジェンダになっているのです。

パーパス経営に成功している企業事例

次に、パーパス経営に成功している8つの企業事例をご紹介します。

大手メーカーの事例

A社は自社HPにパーパスを掲げるなど、パーパス経営に注力している有名企業の一社です。

A社はコロナ禍においても、子どもたちがこれまでと変わらない質の高い学習機会を得られるよう、自社テクノロジーを活用した教育支援に力を入れています。

この取り組みは社会的貢献度が高い取り組みとして、A社のブランド向上に寄与しています。

大手インターネット広告事業者の事例

B社は経営者自ら、市場における企業の社会貢献に対するニーズの高まりや、自社社員の社会への貢献欲求を感じ取り、パーパス経営を推進しています。

利益追求とあわせて、社会的課題解決に向けた取り組みにも注力することで、経営層がパーパス経営によるブランド認知の向上と収益増加を実感している点は、成功事例の一つだといえるでしょう。

大手食品・飲料メーカーの事例

C社はSDGsの達成に向け、パーパス経営に取り組んでいる企業です。

顕著な特徴として、事業活動における環境負荷の低減や事業活動に関わる多くの人々の生活改善などを、パーパスに掲げている点があげられます。

パーパスを原動力に製品パッケージを地球にやさしい材質に変更するなど、C社は社会的問題の解決と商品ブランドの価値向上、双方の実現が見込める事業戦略の立案を成功させています。

大手アパレルメーカーの事例

D社は、遠くない未来にカーボンニュートラルの達成をパーパスに掲げるなど、環境保全に注力している企業として高い市場認知度を誇っています。

D社のパーパスの特徴は、ビジネスを行う理由として地球環境保全を明記している点です。何故ビジネスを行うのか、WHYを大切に事業を運営している点は、消費者のブランドへの共鳴にもつながっています。

大手金融機関の事例

サステナビリティやSDGsへの対応が求められているのは、金融機関も例外ではありません。

E社は中長期の経営計画において、社会・経済の観点から価値を生み出せる商品・サービスの検討に注力していく方針を明らかにしました。

プレスリリースした報告書の中で、パーパスを明文化し、社会的課題の解決を通した自社の持続的な成長を目指すと宣言していることからも、パーパス経営への注力度合いが読み取れます。

大手損害保険グループの事例

F社は創業以来、時代毎の社会的課題の解決を通して、持続的な成長を実現してきました。

業界に先駆けパーパス経営に取り組んでおり、国内社員に留まらず、海外社員に対してもパーパスの浸透に力を入れています。

パーパスを起点に、グローバル経営を加速させている点は、F社のビジネス成長の原動力となっています。

大手食品メーカーの事例

G社では、パーパスの策定に留まらず、自社社員にパーパスの考え方を理解し、積極的に実践してもらうことを重要視しています。

その実現に向け、社会・経済価値を創出した取り組みを表彰する、社内制度を業界に先駆け設置しました。

社内風土の構築からパーパス経営の推進を可能にした、特徴的な企業事例だといえるでしょう。

大手日用品・食品メーカーの事例

H社では、SDGsの推進が期待できる、先進的な事業を展開する企業との事業提携を推し進めています。

あわせてパーパスの追求が利益の源になると定義している点は、H社の特徴です。

実際に環境負荷の少ない革新的な商品開発に力を入れていることからも、パーパスが経営戦略の核になっていることがわかります。

まとめ

サステナビリティ・SDGsへの意識の高まり、新型コロナウイルスの感染拡大など、現在の市況は数年前と比較し劇的な変化を迎えています。

そのような社会情勢の変化に応える施策として、パーパスの策定は高い経営効果が期待できます。

今後、パーパス経営へ舵を切る際には、ぜひi-commonの専門家の活用をご検討ください。

パーパスの策定から組織風土としての定着化まで、貴社のパーパス経営の実現を手厚く支援いたします。

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