新規事業のアイデアの出し方~成功事例のご紹介

新規事業

2019年09月13日(金)掲載

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新規事業開発におけるアイデア出しの悩みは、フェーズ毎に課題が存在していますが、いま悩まれている点はどのフェーズでしょうか。

①事業構想・技術フェーズの課題
事業プランやアイデアが無い、もしくは出てこないため取り組むことができない

②評価・仮説検証・PoC(概念検証)フェーズの課題
事業プランやアイデアの適切評価や検証をすることができない

③事業化・成長段階の課題
評価や検証を行った事業プランを上手く実行・推進することができない


①はそもそもアイデアやプランが思いつかないことには、新規事業に着手することができません。この段階では、質はともかくまずは創出することが重要になるでしょう。

②は事業プランやアイデアの中から良質なものを見極めた評価や、実現性を適切に検証することができないという課題です。事業化への投資をするか否かの判断を的確に行うことができない悩みです。

③は評価/検証したプランを実行・推進して事業化を果たし、事業の進捗やKPIなどを計測しながら継続的に事業を成長させていくアイデアやノウハウが不足しているという課題です。良質な事業プランであっても、多くの企業が新規事業の黒字化という壁に当たります。実はアイデアに関する3つの悩みの中で最も頻出し、支援を要するのはこのフェーズが多いです。

アイデアの目的は「多角化」と考えて幅を広げる

新規事業=『企業を強くする多角化経営』でもあります。そのアイデアの方向性として「商品開発戦略」「市場開拓戦略」「異業種進出戦略」という、3つの多角化が考えられます。

アイデアを考える際に、一番浮かびやすいのは商品開発戦略ではないでしょうか。既存顧客向けに自社のリソースを活用した新商材を開発することが多く、「アイデアの着想」「顧客ニーズの把握」「スピード感」という事業化に求められる要素を満たしやすい利点もあります。

例としてはwena wristというスマートウオッチを発売して、事業化したソニーなどが浮かびます。国内・海外どちらの成功事例でも「創造的な模倣」は、新しい価値の提供にアイデアを集約できるという面で、社内の賛同も得やすいと思われます。

市場開拓戦略は、既存事業の技術や開発力をベースに、新市場を開拓するケースです。富士フィルムの化粧品、サントリーの健康食品などは有名ですが、顧客開拓へのアイデアやリサーチも必要となります。アイデアの出し方として、「市場を切り分ける」ことをお勧めします。市場を限定する。市場を他に求める。川上・川下に進出する。BtoB、BtoC向けを変えるなどの切り分けです。

異業種進出戦略は、FC加盟や日本総代理店権の取得による事業化や子会社設立、M&A、そして異業種で市場を持ちノウハウを持った企業(人)とコラボレーションをするためのアイデア出しなどの方が浮かびやすいです。

新規での異業種進出では、ワタミの介護事業例などもありますが、一般的には既存事業の技術やサービスをベースに、応用や転用のアイデアを出します。そして評価/検証したプランを実行・推進していく上記の③のパターンが多くなり、外部の専門家の支援を活用する例も多いです。

アイデアはゼロから生み出すものではない

iPhoneも他のアイデアから着想を得て生まれたものです。ノキアが世界初のスマートフォンを発表し、そのスマートフォンのアイデアに、デザイン性や機能性などの付加価値を付けてiPhoneで大ヒットさせました。

では、着目する新規事業のアイデアはどのように見つければいいのでしょうか。実は、既存事業の中にも事業機会やアイデアは眠っているのです。ただし、それを見極めるにはポイントがあります。

アイデアを模索する際に、ぜひ活用していただきたいのが他社や他事業のアナロジーです。他社や他事業の成功事例から、自社の新規事業に応用できるものはないかを検討してみるのです。

もちろん、やみくもに他社や他事業をマネしてもうまくいきません。かみ砕いて、「創造的な模倣」とするために、まずは検証することをお勧めします。

必要なのは以下の3つだけです。「誰の、どのような課題を解決するのか」が着想の原点として最優先であり、その上でその課題を解決するための解決策を検討していきます。

ターゲット:誰を対象にするのか
テーマ:どのような課題を解決したいのか
ビジネスモデル:どう収益を上げるか

〇先行プレイヤーがいる場合のアイデアの見極め方

新規事業のマーケットに先行プレイヤーがいる場合もよくあります。その場合は、マーケットを徹底的に洗い出すことが重要です。先行プレイヤーがいるマーケットであっても、徹底的に洗い出すことで、競合ができていないところが見えてきます。そこにアイデアの種が眠っているのです。

マーケットを徹底的に洗い出す
競合を徹底的に洗い出す
競合に対してのオリジナリティを定義する

このアイデアを軸にした事業プランの精度を高めていくためには、継続的に顧客へのインタビューや行動観察などを通じて仮説検証を行い、検証結果を踏まえたブラッシュアップや、より強い課題/ニーズの発見を繰り返していく必要があります。

実際に多くの企業の新規事業開発の現場でこのアプローチが採用され、i-commonでも数々の成功事例があります。

アイデアを事業化した一例  

既存顧客へのダイレクトマーケティング化
キッコーマンこころダイニング株式会社 https://icommon.jp/casestudy/cocoro-dining/

・事業化への経営課題
新規事業としてアンテナショップやネット通販による食品直販事業を立ち上げることになったが、社内にノウハウが不足していた。

・i-common導入後の成果
複数名の専門家を活用して店舗開発と商品開発を進め、オープンしたアンテナショップが話題に。ネット通販もスタートした。


●新たなヘルスケアビジネス展開に向けた「データ×新規事業開発」

大日本住友製薬株式会社 
https://i-common.jp/casestudy/ds-pharma/

・事業化への経営課題
デジタルトランスフォーメーションの推進を、中期経営計画2022の重要課題の一つに掲げたが、社内に十分な知見が不足していた。

・i-common導入後の成果
多分野でデジタル事業開発の経験を有するプロフェッショナルの参画により、デジタルトランスフォーメーションに向けた事業戦略の策定や組織体制構築が実現。現在、複数のデジタル活用プロジェクトが進行中。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること


●先行プレイヤーがいる市場への挑戦  
ライオン株式会社 
https://i-common.jp/casestudy/lion/

・事業化への経営課題
同社初となる美容機器の開発・事業化プロジェクトを進めるにあたり、美容分野のマーケティングやブランド立ち上げの知見がなかった。

・i-common導入後の成果
美容業界で経験豊富な専門家の助言により、顧客ターゲット層への理解が深まり、アプローチ方法や製品の見せ方・伝え方についてもノウハウを獲得。今後の一般発売やシリーズ化に向けて弾みがついた。


●業界に求められる新ニーズの掘り起こしを目指した新規事業
富士ソフト株式会社 
https://i-common.jp/casestudy/fujisoft/

・事業化への経営課題
"モノ"から"コト"へ、求められるミッションが変遷する中、サービス開発・サービスデザインに関する知見が社内に不足。

・i-common導入後の成果
サービスデザインの知見を専門家から得ながら、自社らしさを大切にした価値の提供により、新たな時代のニーズに応える新規事業を形にした。

そのほか、新規事業の創出を目指し、アイデア収集や素案のまとめ方など、創出方法に関する知見に対する支援実績も数多くあります。
株式会社鴻池組  https://i-common.jp/casestudy/konoikegumi/

アイデア自体に価値はない。実行してこそ価値がある


ビジネスのアイデアを生み出したいが難しいと感じている方は、考え方を変えてみるのも一つの解決策かもしれません。「イノベーション」や「ベスト」を絞り出そうとすると、袋小路に入ることもあります。革新的なビジネスアイデアはゼロから生み出されているわけではありません。そのほとんどが存在する要素を掛け合わせて作り上げられているのです。

大企業でも、複数の中小企業やベンチャー企業と連携し、5~10もの新規事業のアイデアを同時並行で進め、その中のいくつかを成功させるというモデルをとっていることも見受けられます。

企業内部と外部のアイデアを有機的に結合するオープンイノベーションやスタートアップ企業に投資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)も増加傾向にあるのは、トップダウンによる新規事業の専任担当者(部)というスタイルで、自社内だけで評価した事業プランは偏りがある可能性もあり、数々の失敗例があったからです。

本来の目的である経営多角化は、事業または関連会社同士の相互作用が促進され、企業成長につながるだけでなく、経営資源(ヒト、モノ、カネ)の有効利用、リスク分散などの効果を得るものです。

「商品開発戦略」「市場開拓戦略」「異業種進出戦略」これらのいずれにしても、リスクのない新規事業などないでしょう。可能性があるというアイデアを複数用意して、その分野の新規事業を立ち上げてきた経験者や不足している知見に詳しい専門家を活用することは成功への近道です。

自社で補えない部分を実行型プロジェクトメンバーの一員として推進サポートするのが、i-commonの役割だと考えています

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