マーケティングオートメーションとは?導入のメリット・デメリット紹介

マーケティング

2020年05月12日(火)掲載

会社経営者やマーケティング担当の方、さらには営業や採用を担当している方なら、「マーケティングオートメーション」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

従来の新規顧客獲得は、見込み客に対して丁寧なコミュニケーションを継続的に取り続け、「名刺を渡す」「パンフレットを渡す」などの地道なアプローチを続け、ニーズが少しでも顕在化した際に本格的にアタックし商談をするというものでした。
しかし、これらの一連の営業手法は、社員のスペックや運に依存するものが大きく、企業として非効率で莫大な工数がかかります。

「マーケティングオートメーション」は、従来の営業手法のデメリットを払拭する、新しい顧客へのアプローチ方法です。
はじまりは、1992年のUnicaというアメリカの会社であると言われています。 同時期にインターネット化が急速に進んだことや、ITへの投資が活発で積極的な国風もあり、加速度的に「マーケティンオートメーション」が発達し、それがやがて日本に到来したことが今に至ります。
ここでは、マーケティングオートメーションについての基礎知識から、実際に企業が導入する際の注意点なども説明します。

マーケティングオートメーションとは

マーケティングオートメーションとは、マーケティングにおける各過程を自動化することで、顧客にとって最適なアプローチができるプラットフォームのことをいいます。

例えば、「ユーザーの閲覧履歴から成果につながりやすい最適なメールを送信する」「関心度が高いユーザーに対して、営業部に依頼し、アプローチしてもらう」など顧客に製品を購入してもらう過程の大部分を自動化します。

具体的に自動化できる機能

マーケティングオートメーションで自動化できる代表的な機能は下記の通りです。

・リスト作成・・見込みが高い顧客をリスト化できる。
・メール配信・・見込みが高い顧客に対して、自動的に個別でメールを送信する。
・スコアリング・・関心度の高さを数字で見える化できる。
・Web解析・・顧客の閲覧履歴を確認でき、関心度を把握できる

この他にも様々なプロセスを自動化できます。

POINT

・マーケティングオートメーションとは、マーケティングにおける各過程を自動化すること
・「リスト作成」「メール配信」などの機能がある。

マーケティングオートメーションが企業に必要となっている理由

マーケティングオートメーションが必要とされている理由は主に下記の3つです。

・顧客との地位の変化し、従前のマーケティングでは通用しなくなくなった
・見込み客の管理・分析技術の強化により効率的なマーケティングが可能になった
・日本企業のマーケティングが一人一人に最適なアプローチをするように変化した

環境の変化により、従前のマーケティングでは商品が売れなくなってきたため、新たな手法としてマーケティングオートメーションが注目されてきたという背景があります。具体的にどのように環境が変化し、マーケティングオートメーションが企業に必要になってきたのか理由を見ていきましょう。

理由①:インターネットの普及による顧客との地位の変化

顧客との地位が変化したため、マーケティング手法を変化させる必要がありました。従前は顧客が企業の担当者を呼び、最適な商品を提案するというトップダウン型で、ある程度「人」に依存したものでした。

しかしながら、インターネットが普及し、情報を簡単に入手できるようになった近年では、最適な商品を選択し、企業の担当者を呼ぶというボトムアップ型が一般的になっています。以前のマーケティング手法では通用しなくなくなったという背景があります。

理由②:見込み客の管理・分析技術の強化

クラウド技術やWEB技術の発展により、見込み客の管理や分析技術が高まり、効率的な顧客管理ができるようになりました。例えば、顧客情報を一元管理できるCRMや顧客の名刺を一元管理できるクラウド型の名刺管理システムなどが代表例です。

顧客情報を全社で共有できるようになったため、顧客に対して自動的にアプローチできるような仕組みが必要になったという背景があります。

理由③:従来の日本企業におけるマーケティングへの変化

従来の日本企業は異なる部署で異なる手法にてマーケティングをしていました。例えば、営業部は対面営業、企画部は展示会や製品パンフレットの制作、情報システム部はホームページ改修など異なる手法で顧客にアプローチしていました。
そのため非効率なマーケティングを行っており、下記のような問題点がありました。

・部署間での意思統一ができず、顧客に対して異なるアプローチをしている
・イベントやホームページ改修で関心を高めても、営業がフォローしていない

近年ではクラウドやAIなどIT技術が発展してきたため、マーケティング手法が一元管理できるようになっています。つまり、異なる部署でも同じ手法にてマーケティングを行うことができるため、一人一人の顧客にとって最適なアプローチができるようになったという背景があるのです。

POINT

・マーケティングオートメーションが企業に効果的である理由は主に3つ。
インターネットの普及により、顧客との企業の地位が変化したこと
分析技術が高度になり、確度が数値化できるようになったこと
③マーケティング手法のトレンドが変化していること

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マーケティングオートメーション導入のメリット

次に企業がマーケティングオートメーションの導入によるメリットを解説していきます。

自分の企業に適した見込み客を確保できる

過去の顧客データから自社に適した見込み客を確保できます。例えば、一度もWebサイトにアクセスしたことのない製品に興味がない顧客と複数回Webサイトを閲覧している製品に興味がある顧客を分けることができます。
自社の製品に興味がある見込み客に重点的に情報を送ることで、製品への関心を効率よく高めることができます。

適切なタイミングで情報を送ることができる

顧客の行動を把握できるため、自社の最適なタイミングで顧客に情報を送ることができます。例えば、顧客がWEBサイトのAツールを重点的に閲覧していた時にAツールに関するメールを送信したり、営業電話をかけたりすることで成約につながりやすくなります。

顧客の心理が変化し、他社商品を検討する前に営業活動を行うことで、機会損失を防ぐことができます。

確実にアプローチできる

自社の商品に興味がある顧客に確実にアプローチできます。見込み客の行動を把握し、関心度が高い顧客を把握できるためです。
例えば、3日前、ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客と2週間前、2回WEBサイトを閲覧した見込み客では当然前者の方が高い関心を持っています。
マーケティングオートメーションでは前者のような見込み度が高い顧客の抽出を自動化できます。

関心度が高い顧客を取りこぼしなく、確実にアプローチできます。

受注率が向上する

製品に高い関心を持つ顧客をリストアップして営業活動を行うことができるため、受注率が向上します。非効率な営業活動をする必要がなくなるため、生産性を高めることができ、営業であれば受注率のアップに繋がります。

POINT

・マーケティングオートメーションを導入するメリットには、「自分の企業に適した見込み客を確保できる」「自分の企業に適した見込み客を確保できる」「関心度が高い顧客を取りこぼしなさないため確実性が高い」「受注率が向上する」などがある。

マーケティングオートメーション導入のデメリット

一方、マーケティングオートメーションにはデメリットもあります。具体的に見ていきましょう。

すぐに効果が出ない

コンテンツの準備には時間がかかるため、導入後すぐに効果が出ない傾向があります。時間がかかる代表的な理由は下記の通りです。

・KPIの設定ができない・要件定義できない
・営業部とマーケティング部との間で意識のすり合わせができない
・顧客にとって興味があるコンテンツを作成できない

成果が出るまで3ヶ月から半年程度、中には1年以上かかるケースもあります。
マーケティングオートメーションは高額な費用になることが多いです。一般的には初期費用で100万円以上、月費用20万円以上の費用がかかります。
コンテンツの準備に時間がかかったものの、運用がうまくいかず、費用倒れする可能性があります。

効果測定には一定の母数が必要である

マーケティングオートメーションの効果を測定するためには一定のコンテンツの母数が必要です。マーケティングオートメーションは様々なコンテンツを提供し、その中で最適なアプローチを探していく仕組みとなります。
提供できるコンテンツが少なければ、何が最適なアプローチかわからないため、効果的に運用できません。

顧客リストの管理に手間がかかる

マーケティングオートメーションはITに関する知見やマーケティングに関する知見を持っている人材が必要です。例えば下記のような人材は最低限必要とされています。

・既存のデータベースとの連携を行える人材
・適切なコンテンツマーケティングを行える人材
・ITリテラシーが低い人でも利用できるシステム設計を行える人材

オートメーションとはいえども、人材は必要です。適切な人材がいない企業にとってはハードルが高いツールといえるでしょう。

POINT

・マーケティングオートメーションを導入するデメリットには、「すぐに効果が出ない」「効果測定にある程度の母数が必要」「リスト作成が手間になる」などがある。

まとめ

マーケティングオートメーションは、

・自社に適した見込み客の獲得
・最適なタイミングでの顧客へのアプローチ
・成約への確実性が高いアプローチ
・受注率の向上

が期待できます。一方で、

・効果が出るまで時間がかかり、費用倒れすることもある
・コンテンツの数が少ないと効果が測定できない
・管理に適切な人材が必要

というデメリットもあるので、そのデメリットへの対策を十分にした上で導入に踏み切るのがおすすめです。

また、マーケティングオートメーションは近年導入されているツールであり、加速度的に利用業者が増えています。つまり、適切に扱える人材が少ないというのが現状です。

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