コロナ時代にロジスティクス(物流)業界が越えるべき4つの課題と改善策

物流

2021年08月11日(水)掲載

キーワード:

「輸出入が止まった」
「在庫回転率が悪化している」
「時短営業などで店舗配送の売上が落ちた」

新型コロナウイルスによって、物流業界が抱える問題は急速に増えています。もともと人手不足、小口多頻度化、働き方改革といった問題に悩まされていた物流業界にとって、コロナショックは業界の二極化をより進めたといっても過言ではないでしょう。

・悲劇的な状況を乗り越え、売り上げを伸ばしている企業
・コロナの荒波に対応できず、事業継続に赤信号が出ている企業

明暗が分かれる物流業界でウィズコロナ/アフターコロナ時代を生き抜くためには、売り上げを伸ばしている企業の共通点を理解し、これから越えなければならない壁の対策を立てることが大切です。

コロナウイルスがロジスティクスに与えた影響

コロナウイルスがロジスティクスに与えた影響

コロナウイルスによる物流業界への影響は、以下の2つが主な起点となります。

世界各地での生産停止や移動制限

資材や部品などの多くを輸入に頼っている日本にとって、世界各国で同時多発的に生産が止まり、人や物の移動制限で輸出入が滞ると、関連業界と取引している運送業者の配送量は激減します。

国内企業の営業自粛

国内では飲食店や百貨店など、多数の店舗が営業自粛の要請を受けています。通常であれば材料や商品の注文が安定的にありますが、営業自粛中は材料や商品を必要としないため、必然的に注文数が減り、在庫が山積みになってしまいます。食品に関しては廃棄を選ばざるを得ない状況もあり得るでしょう。

100台以上のトラックを抱えていても、配送量が大幅に落ちれば、1日に数台しか稼働しないというケースもあり得ます。慢性的に人手が足りないといわれた物流業界において、車両とドライバーを遊ばせる事態になるとは誰も予想しなかったでしょう。

そんな甚大な影響を受ける物流業界ですが、中には売り上げを伸ばしている企業も存在します。ECや医療関連と取引を行っている企業です。特に巣ごもり需要におけるエッセンシャルワーカーとしての活躍が注目されており、一時期は需要に供給が追い付かないこともありました。現在は買いだめやワクチン開発の影響によって、コールドチェーンやメディカル物流のニーズも増えているようです。

しかし、これらはコロナウイルスという非常時の1つに限った話ともいえます。ウィズコロナ/アフターコロナの不確実な時代を生き抜くには、ビジネスに対する柔軟性が重要です。特定の荷主や産業にとらわれずに取引を拡大していくことで、リスクを分散することにもつながるでしょう。

そして、取引を拡大していくには、物流業界が抱える課題の解決が欠かせません。

物流業界が抱える課題

物流業界が直面する課題として、国土交通省は主に以下の4つを挙げています。

人材の確保

物流業界は他の業界と比べて若年層が少なく、特にトラック事業では29歳以下は全体の10%以下、女性の割合は2.4% と他の産業と比べて極めて低い状況となっています。また、従業員の約4割が50歳を超えており、従業員の不足を感じている企業は2018年時点で7割に達しています。

次世代を担う若手の人材を確保していくには、積み降ろしや仕分けなどの身体的なきつさ、清潔感の薄い職場環境、機械操作や自動車運転の危うさといた3K(きつい・汚い・危険)イメージからの脱却が重要となるでしょう。

小口多頻度化

EC市場の拡大や顧客ニーズの多様化によって小口配送が増えています。物流件数も増加傾向にあり、1990年は1365万6000件だった件数が、2015年には約2倍の2260万8000件にまで達しています(3日間調査結果)。物流件数が増えたことで、配送ルートや在庫管理がこれまで以上に複雑になり、業務効率化のネックにもなっています。

働き方改革

人手不足や物流の複雑化によって、以前よりも従業員に負担がかかる状態となっています。厚生労働省の調査によると、特に中小型トラックドライバー は2018年で年間所得417万円(全産業平均497万円)、年間労働時間2568時間(全産業平均2124時間)となっており、他の産業と比較して低賃金・長時間労働が問題視されています。

エネルギー問題

燃料費は常に高騰のリスクがありますが、運送業者は立場的に料金の値上げ交渉が難しいという問題を抱えています。また、地球温暖化対策やエネルギーセキュリティから、物流分野の温室効果ガス排出量の削減は重要視されており、近年ではグリーン物流への注目度も上がっています。

※出典:物流を取り巻く現状について (国土交通省)、物流を取り巻く動向と物流施策の現状について(国土交通省) 、賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

ロジスティクス4.0がもたらす省人化と標準化

ロジスティクス4.0とは、AIやIoTを用いた物流の省人化・標準化を指します。このイノベーションによって、前述の課題を解決できる可能性が高く、市場シェア拡大の突破口にもなると期待されています。

省人化

労働力の不足を補うために、ロジスティクス4.0では操作や判断の領域まで省人化します。

・自動運転やドローンによる配送
・ロボットによる庫内・荷役作業

配送、荷役、梱包、手配といった基本オペレーションの操作や判断を機械にゆだねることで、少ない人数でより効率的な働き方を実現します。最近では特定の商品を自動でピッキングするロボット、ICタグとドローンを用いた在庫管理などで従業員の負担を軽減した事例があるようです。

標準化

あらゆる物がインターネット上でつながることで、情報のリアルタイム性を確保し、判断の複雑性を解消します。

・AIによる需要予測や計画立案
・在庫状況の可視化
・車両や倉庫の共有化

サプライチェーン全体の情報を共有することで、荷主や産業を拡大しても、柔軟性を保つことができるでしょう。AIが学習と分析を繰り返すことで、リアルタイムの情報に合わせて、柔軟にルートを組み替えることも可能です。

まとめ

今回はコロナウイルスによる物流業界への影響から、物流業界の抱える課題、解決手段として期待される新技術をお伝えしました。ウィズコロナ/アフターコロナ時代に安定した事業継続を行うには、物流業界の抱える課題解決は不可欠でしょう。

しかし、抱えている課題は企業ごとに異なり、解決手段を共通化するのは非常に困難です。その際、業界を熟知した専門家の知識や経験は非常に頼りになるでしょう。i-commonでは、サプライチェーン・マネジメントや最先端技術など、企業の求める領域に精通した専門家をご紹介できます。

越境ECなどで複雑化していく物流業界において、労働力をしっかり確保し、サプライチェーン全体を最適化するための手段として、ぜひi-commonをご活用ください。

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