人事システムとは?機能や活用する際の注意点について解説

人事

2021年06月10日(木)掲載

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新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、働き方に急速的な変化が生じたことで、人事の役割について見直す企業が増えました。その中で、より人事としてのパフォーマンスを最大化させるべく、「人事システムの活用」に着目されている人事担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

当コラムでは、人事システムの機能や活用する際の注意点について解説します。また、システム比較のポイントも交えながらご紹介しますので、興味をお持ちの方はぜひご一読ください。

そもそも、人事システムとは?

人事部門で扱うシステム全般を指します。システムで管理できるのは、従業員に付随した様々な情報です。ただし、システムによって管理する情報範囲は異なり、個人情報を管理するだけのシステムや、各人のスキルやキャリアなどの情報まで管理するシステムもあります。

人事システムという概念は、IT黎明期から存在し、従業員情報をデータベースとして管理することから始まりました。その後、1990年代には大企業を中心に独自の人事システムが発達し、2010年代にはクラウドサービス型の人事システムも数多く提供されるようになりました。

POINT

・人事システムとは、人事部門で扱うシステムを指し、ここで管理されるのは従業員に付随した様々な情報である。
・2010年代には、クラウドサービス型の人事システムも数多く提供されるようになった。

人事システムを導入する目的

人事システム導入を検討するにあたり、「人事部門の根本的な改革のため、取り急ぎシステムを導入してみよう」と漠然と考えている企業は少なくないでしょう。

しかし、ひとくちに人事システムといっても、その種類は数多く、それぞれに得意・不得意があります。そのため、ただやみくもに導入するだけでは、導入前と比べて何が変わったのかを実感することが難しく、結果として導入損となってしまいます。

システムの導入価値を最大化させるためには、まず課題(人事システムの導入によって何を解決したいのか)を、明確にしておくことが大切です。

ここでは、よく挙げられる課題を3つご紹介します。

人手不足の解消

企業が人手不足になる原因の1つに「高い離職率」があります。では、離職率が高くなる原因は、一体どこにあるのでしょうか?この点をひも解いていくと、その1つに「人事評価への不満」が見えてくることが往々にしてあります。仕事の成果が適切に評価されない環境が不満を生み、結果として離職が増加、ひいては人手不足に陥る…というケースです。

このケースに対して、人事システムの導入は非常に有効的です。従業員のスキルやキャリア等の情報を管理し分析することで、成果を適切に評価するための人事制度を構築できます。結果、従業員の不満解消から定着率の向上に繋がり、人事の採用活動への負担も軽減されることとなります。

業務効率の向上

人事システムにより、従業員の各種情報を管理することができれば、人事部門の業務を効率化することができるでしょう。これまで個別のシステムやファイルで管理していた情報が一元化され、情報の扱いも容易になるため、生産性が上がります。

これにより、余剰が出たリソースは人事制度の強化や採用活動に力を入れられるため、人事戦略を促進することができます。

効率的な人材育成

各人事システムによりますが、システム上で管理している従業員情報を分析し、自動的にレポートを出力してくれるものがあります。これは、適材適所の人材配置だけでなく、人材ごとのスキルやキャリアを考慮した育成活動によって能力の底上げを図ることが可能です。

従業員の成長は、ビジネスの成長に直結する事柄であるため、人事システムの導入によって実現したい部分でもあるでしょう。

POINT

・人手不足の原因として、離職率が高いことが挙げられ、離職率が高くなる原因は人事評価への不満もある。
・人事システムにより、従業員の各種情報を管理することができれば、人事部門の業務を効率化することができる。
・人事システムによっては、人材ごとのスキルやキャリアを考慮した育成活動により、能力の底上げを図ることも可能である。

人事システムの機能

一般的な人事システムを構成する機能は、労務管理・人事評価・給与計算・採用管理の4つです。

労務管理

労使関係に関する情報管理、入退社で必要になる書類の作成、社会保険などの各種保険申請書類の作成・管理など、労務に関する情報の管理や書類作成を行うことができます。

従来の労務管理は、扱う情報と書類が多いことから効率化をすることが難しかったのですが、人事システムにより、情報管理と書類作成を一元に行うことで、効率化を実現することが可能になるでしょう。

人事評価

適切な人事評価を実現するには、評価のシステム化・平準化による公正公平な評価が必要です。

人事評価には、私情が入り込む可能性があるため、これを人事システムで正しい仕組みを作ることで、人事評価に対する不満が減少し、離職率の低下や従業員のモチベーションの向上など、様々な効果が期待できます。

給与計算

人事担当者数名で、従業員の勤務時間集計・計算をする作業は、負担が大きく、人事システムの効率化に悪影響を及ぼしているでしょう。経理システムと連携することで、経理担当者の負担の軽減にも繋がります。

また、給与明細をシステム上で確認する機能により、紙発行の必要性がなく、ペーパーレス化を促進することができます。

採用管理

会社説明会のスケジュールや求職者の情報管理など、採用活動における管理項目を扱っています。

面接時の情報入力など、多様な情報管理をしながら採用活動を進め、効率的な作業により、優秀な人材の確保を実現することが可能となるでしょう。

POINT

・人事システムの機能には、主に労務管理、人事評価、給与計算、採用管理がある。
・それぞれの機能を理解した上で、自社に必要な機能を有するシステムを活用すると良い。

人事システムを比較する際のポイント

ここまで、『人事システムを使う目的の整理について』と、『システムの機能面』についてご紹介してきました。では、実際にシステム導入にあたって、比較する際のポイントを見ていきましょう。

求めている機能が備わっているか

当然ながら、自社の人事部門が求める機能を有している製品を選ぶことは重要です。ただ、事前準備もなしに、100%自社に合ったものを選択することは容易ではありません。先述の通り、まずは人事部門が抱えている課題を洗い出し、これらを解決する機能を把握した上で、自社が何を求めているのかを明確にする必要があります。

また、人事システムに対する機能要件を整理するには、導入プロジェクトの関係者に人事担当者を巻き込む必要があります。特に、導入プロジェクトを牽引する人物が、人事担当者ではない場合に注意が必要です。

人事部門の実態に沿わない製品を導入してしまうと、人事システムの効果を引き出すどころか、業務を複雑にしてしまう可能性があります。

操作性などの利便性が優れているか

人事システムは製品によって、人事担当者以外の従業員が利用する場合もあります。経理担当者や事業部門の従業員など、利用する範囲が広がるほど操作性や利便性が重要です。

システムの操作性が低いものは、仕事のモチベーションが下がり、業務に支障をきたすことになりかねません。これでは、人事システムが生産性を下げる原因にもなるため、適切な比較をする必要があります。

システムを比較するうえで、トライアルやデモを提供している場合は、積極的に利用し、実際の使用感を確かめてから導入可否を判断すると良いでしょう。

セキュリティ対策は万全か

組織全体の個人情報、企業の機密情報を扱うシステムだからこそ、セキュリティ対策が万全であるかを確かめる必要があります。チェックするポイントとしては、ユーザーごとの権限設定やデータの暗号化が挙げられます。

人事システムを利用する全てのユーザーに、同じ権限が付与されていると、少しの操作ミスで個人情報や機密情報が漏れる可能性があります。また、クラウドサービス型の人事システムは、データの暗号化などのセキュリティ対策が適切であるかを確認しましょう。

サポート体制が整っているか

人事システムの導入、あるいはシステム自体の導入が初めてという企業は、サポート体制を重視しましょう。

システムの操作・利用に関して不安や疑問がある際に、サポートに頼ることができれば、現場への導入をより早く行うことができます。遠隔での画面操作など、サービスによってサポート体制は異なるため、それぞれチェックし、比較しましょう。

POINT

・自社の人事部門が求める機能を有している製品を選ぶことが重要である。
・人事システムは製品によって、人事担当者以外の従業員が利用する場合もあり、利便性が大切である。
・セキュリティ面やサポートの体制もシステムを導入する際に重要なポイントになる。

人事システムの種類と注意点(オンプレミス型・クラウド型)

続いて、大企業・中小企業ごとに人事システムを活用する際の注意点をご紹介します。

大企業…オンプレミス型の人事システムに注意

大規模な組織全体をカバーする人事システムの構築体制として、オンプレミス型(自社で用意したサーバーからソフトウェアを利用する形態のシステム)を選択する企業が多いでしょう。

自由度の高さから、ビジネスプロセスが複雑な大企業にも適合するシステムを構築可能ですが、ゼロからの開発では導入プロジェクトが長期化し、途中で発生する要件・仕様変更によって想定したシステムと違うものが完成する可能性もあります。

オンプレミス型での人事システムの構築は、パッケージ製品によって導入プロジェクトを短期化しながら早期的なシステム完成を目指し、継続的な運用によって少しずつ企業実態に沿ったシステムへと成長させていく姿勢が大切です。

中小企業…クラウド型の人事システムに注意

中小企業では、システムの運用・管理負担が少ないクラウドサービス型(ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のシステム)を導入するケースが多いでしょう。初期投資額が低く、ユーザー数など状況に応じた契約になるので常に適正コストを維持できるのは大きなメリットです。

ただし、クラウドサービス型はオンプレミス型のように自由度が高くないため、自社の環境に100%マッチしたサービスを選ぶのは厳しいでしょう。人事部門における業務プロセスを整理し、人事システムに合わせられる部分とそうでない部分を精査した上で、慎重にサービスを選ぶ必要があります。

自社に合った人事システムの選択を

ここまで、規模ごとに注意すべきシステムの種類について、具体例を挙げて説明しましたが、決して大企業はオンプレミス型、中小企業だからクラウドサービス型と決めつける必要もありません。大企業でもクラウドサービス型のメリットを魅力的に感じ、導入に踏み切る企業もあり、中小企業がオンプレミス型を導入しているケースもあります。

重要なのは、導入形態も含め、自社の環境を考慮した人事システムを選ぶことです。

POINT

・人事システムには、オンプレミス型とクラウド型がある。
・導入形態や自社の環境を考慮した人事システムを選ぶことが重要である。

会社に適した人事システムを導入するなら

人事部門での変革が必要と感じているのであれば、人事システムの導入を検討することも効果的でしょう。

ただ、人事システムの導入は単純ではなく、様々な問題が発生するケースもあるため、専門家のアドバイスを受けながら、人事部門の課題の顕在化等のシステム導入に欠かせないステップを1つずつ踏んでいくことが大切です。

i-commonには人事システムに関する専門的な知識や経験を所有した顧問が在籍し、貴社の人事システムの導入をサポートすることが可能です。人事システムの導入後の運用に伴う、人事制度の確立についてもぜひ、ご相談ください。

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