顧客管理とは?CRMシステムを活用する際のポイントを解説

システム

2021年06月11日(金)掲載

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ITが発展・普及し場所や時間を問わずに情報収集できるようになったことで、購買プロセスも変化しました。買い手は売り手からの一方的な情報提供を待つのではなく、自ら情報収集を行うようになり、情報収集の時点で購買意思決定が下されているケースも多いといいます。

変化が続く時代において、競合優位性を保つためには顧客管理が欠かせません。そして顧客管理に関するシステムにも注目が集まっています。本コラムでは、顧客管理の必要性、システム導入のメリットや課題点、ポイントなどをご紹介します。

顧客管理の必要性とは

そもそも顧客管理とは一体どういうものでしょうか。
顧客管理とは顧客の属性・思考・購買履歴などを一元管理することを指します。顧客管理を通してニーズを理解するとともに、長期的な友好関係の構築を目的とするものです。

顧客管理が必要な理由はいくつかありますが、代表的なものに以下の二つがあります。

・ベストな提案を行うため
適切に管理を行うと、顧客のニーズや行動パターンが理解できるようになり、各顧客が求めているものに即した提案ができるようになります。ニーズを明確にし、満足度を向上させるためにも顧客管理は必要です。

・既存顧客の売上を最大化させるため
市場には大量の製品が溢れています。顧客自身が情報を手に入れやすくなったため、これまで主流だった飛び込み営業・電話営業といった新規の開拓方法は容易ではなくなり、展示会活用の形も変わってきました。そのため既存顧客のリピーター化に重点を置く企業が増え、顧客管理の必要性が出てきています。

顧客管理の進化

顧客管理の概念自体は昔からありました。たとえば顧客名簿や帳簿、江戸時代の大福帳もそうかもしれません。顧客管理の手法は、顧客ニーズの変化やIT技術の発展により進化を遂げてきました。

・CRMの誕生
CRM(Customer Relationship Management)は日本語では顧客関係管理などと訳されます。CRMと聞くと顧客管理システムといったツールを連想する方も多いかもしれませんが、元々は「顧客情報を管理し良好関係を構築する」というマネジメント手法を指します。

ツールとしてのCRM(CRMシステム)の誕生の地と言われているのが、1990年代の米国です。当時は人の暮らしが豊かになりニーズが多様化してきた頃。マス・マーケティングから一人ひとりに合ったアプローチが必要になったことがきっかけと言われています。その後バブル経済崩壊後の日本にも徐々に浸透していきました。

・CRMシステムの発展
IT技術の進化によって、CRMシステムの統合化が起きました。CRMシステムと混同されやすいものに、SFA(Sales Force Automation)という営業管理システムがあります。CRMとSFAはそれまで別々に機能していましたが、2000年代以降、CRMとSFAが統合し、顧客管理も営業管理も一元的に行えるシステムが誕生しました。

・最新技術を盛り込んだシステムへ
2010年代以降にはAI・ビッグデータを活用したCRMシステムが登場します。これまでは蓄積したデータをもとに分析を行っていました。しかしAIが搭載されたことで、システム自身がデータをもとに最適なアプローチ方法を提案するといったことも可能になったのです。またクラウド化も進み、スマートフォンやタブレットなどで必要なときに場所を選ばず利用できるようになりました。

CRMシステムの主な機能

ではCRMシステム(顧客管理システム)はどのようなことができるのか、主要な機能を見ていきましょう。

・顧客管理
顧客の氏名(企業名・担当者名)、電話番号、メールアドレスなどの基本情報のほか、購買日、購買金額、購買頻度などの購買履歴、また問い合わせ内容や過去のクレームといった情報も管理できます。

・プロモーション機能
CRMシステムは直近の購買日や購買金額などさまざまな条件で顧客の抽出が可能です。抽出したデータをもとに最適なターゲットにDMやクーポンなどが送信できます。

・マーケティング支援
顧客の購買・消費行動といった情報を分析し、マーケティング支援に活用できます。AIが搭載されると、AIにターゲットごとに効果的なマーケティング施策をレコメンドしてもらえるといった機能も登場しました。

そのほか顧客分析や、問い合わせ管理などの機能もあります。
製品ごとに備えている機能は異なるため、自社で行いたい施策に合わせて製品を選びましょう。

CRMシステム導入で得られる効果と課題

CRMシステム導入で得られる効果や課題にはどういったものがあるのでしょうか。

得られる効果

・情報の属人化が防げる
名簿などで顧客管理を行うと、情報が各営業担当者の頭の中にしか残っておらず、属人化を引き起こしがちです。システム導入により一元管理が可能になれば、それまで個々の勘や経験則に頼って行っていた営業・マーケティングを、データに基づいた施策に変えることができます。

・顧客に最適なアプローチができる
顧客の特徴や行動パターンを蓄積していくことで、どんな商品に興味をもっているのか、何に不満を持っているかといった顧客のニーズを「見える化」することができます。データから導いた「顧客の状態」に基づいて行動すれば、顧客に対し最適なタイミングで最適なアプローチができるようになります。

・部署間での情報共有が容易になる
これまで各自で共有し合っていた情報も、CRMシステムを導入すればシステムにアクセスするだけですぐに閲覧が可能に。担当者不在時や引き継ぎの際にも役立ちます。また営業だけではなく、マーケティング、コールセンターといった部署間の共有ができるため、各部署の戦略の根拠にもなり得るでしょう。

課題

・導入、運用に時間がかかる
CRMシステムは導入後すぐに最大限活用できるものではありません。まずは既存の顧客データを移行させる必要があり、その際には人的・時間的コストが否が応でも発生します。またメンバー全員がシステムを活用できるようになるために、説明会や勉強会を開催するといった手間も必要になるかもしれません。

・部署ごとにローカルルールができてしまう
顧客に関するあらゆる情報が詰まったCRMシステムは、全社共通の「資産」です。しかしながら部署のものと捉えてしまうケースも少なくありません。そうなると部署ごとにローカルルールが生まれ、他部署との共有が上手くいかないといった問題にぶつかることがあります。一度こうなると立て直しが難しくなるため、統括するチームを設けたり、運用ルールを徹底したりといったコントロールが必要になります。

・効果が売上に現れにくい
導入後すぐに効果が目に見えるものではありません。現場での業務効率化を実感するのにはさほど時間はかかりませんが、「システム導入によって売上○○円増加」と数字を明確に出すことは難しいでしょう。前提としてCRMシステムは顧客満足度向上を目的としており、日々データ蓄積し、データをもとに継続的に行動改善を進めていくものです。売上増加は二次的な効果であることを理解しなければなりません。

CRMシステム導入に失敗しないための注意点・ポイント

システムは一度導入すると、別のシステムへの切り替えは難しくなります。だからこそ失敗は避けたいもの。では失敗しないために、導入時どういったことに気をつければ良いのでしょうか。

・目的を明確にする
システム導入に限らず、施策を進める際には目的を明確に定める必要があります。どうしてCRMシステムを導入するのか。導入で何を解決したいのか。CRMシステムでなければいけない理由は何か。それらが曖昧なまま導入してしまうと、活用しきれず費用対効果を得られないかもしれません。また導入後はKPI・KGIが明確になっていることも大切です。

・自社に合ったシステムを選ぶ
システムは高機能・高価格なら良いというわけではありません。求めている機能は揃っているか、使いやすさはどうか、社員のITリテラシーのレベルに適しているかなど、自社に合ったものを正しく選択しましょう。最初は営業部からのスモールスタートだとしても、今後マーケティング部やコールセンター部などに使用範囲を広げることを考えている場合は、そうした今後の見通しも考慮に入れて、製品を検討する必要があります。

・社内の運用体制を整える
どんなシステムでも、新しいものは定着に時間がかかるもの。まず導入前には、導入チームの立ち上げが有効的です。システムを使用する予定の各部署から担当者を選出。それぞれの部署の視点から見て問題がないか、要望に沿っているかなどを確認し、運用ルールの作成を行います。各部署の意見を出し合うことで課題の早期発見に繋がり、導入後のトラブルを防ぎやすくなります。

また運用開始前には、各社員に理解を得るための説明会、安心して使えるようになるための勉強会などを実施すると良いでしょう。その際、導入チームのメンバーがリーダーとなりフォローアップを行うと円滑に進みやすくなります。

CRMシステムの導入には専門家の支援が有効

ITの普及で情報が得られやすくなると顧客の選択肢は広がり、企業は競合優位性を保つのが難しくなりました。また直近では新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、商談がオンライン化したり、従来通りの展示会開催が難しくなったりと、企業と顧客との接点の場も変容しています。

購買や商談の形が変わりゆくなかで顧客から選ばれ続けるための味方となるのが、今回ご紹介したCRMシステム(顧客管理システム)です。しかし導入には製品選定や運用のノウハウが分からないといった課題もあるでしょう。新たなシステムの導入や社内の状況に応じた対策には専門家の支援が有効です。

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