AIを活用する際のポイントは?分野別の事例もご紹介

システム

2021年06月10日(木)掲載

キーワード:

機械学習やクラウドコンピューティングの登場によって、AIの活用はより身近になりました。「最適化」「CXの向上」「サプライチェーン管理」など、その内容は多種多様です。しかし、活用の幅が増える一方で導入は複雑化し、企業側の活用ハードルが上がっています。

本コラムでAIについて理解を深め、入念に準備を進めたうえで導入に踏み切りましょう。

AI活用のメリット・デメリット

POINT

・AIとの協業による生産性やサービスの向上
・企業を大きく成長させる新しい選択肢
・専門的な知識を有する人材の重要性

DX推進にも欠かせない存在になってきたAIですが、活用することがゴールではありません。AIによって切り拓かれる道や、思わぬ落とし穴を知ることで、企業の成長に役立てることができます。

AI活用のメリット

・業務の効率化
やり方は単純だけど、時間がかかる業務は意外と多くあります。AIはそんなルーチンワークが得意です。単純作業をAIに任せることで、従業員は別の業務を行えるため、効率的に進められます。さらにAIは集中力が途切れることもないため、ヒューマンエラー対策としても効果的です。

・サービスの向上
AIはデータの分析・発掘に役立ちます。膨大な顧客情報からニーズを割り出し、従業員に「何をすべきか」という判断をアシストします。既存サービスの改善点の洗い出しにも有効であり、データが集まるほど、CXの向上につなげることが可能です。

・ビジネスの拡大
ビッグデータの活用によって、顧客が自社に求めていることを明確化することで、新しいビジネスモデルを生み出すことが可能です。自社で提供できる価値が増えることは、新しい顧客との接点をつくることができ、売上にも大きく影響します。

このようにいくつものメリットが存在しているため、AIは注目されているのです。

AI活用のデメリット

多くの可能性を秘めているAIでも、欠点がないわけではありません。

・AIのブラックボックス化
正確な処理ができる一方で、私たちはAIの判断基準を知る術がありません。単純な処理であれば話は別ですが、過程が見えない分、複雑で重要な判断は任せにくいのです。説明可能なAIの開発も進んではいるものの、まだまだ全幅の信頼を置ける存在ではありません。

・情報漏えいのリスク
AIにはクラウドで情報を処理するタイプがあります。インターネットで情報をやり取りするため、クラウドがサイバー攻撃を受けたり、データの送信先を変更されることで、情報漏えいのリスクがあります。適切なセキュリティ対策を整えずに、安易にAIを導入すると情報を流出する恐れがあるため、気をつけましょう。

・導入コスト
AIのシステムを構築、必要な人材の確保、セキュリティ体制の整備など、さまざまな場面で費用が発生します。政府の補助金を利用するなど、支援を受けることも視野に入れましょう。

AIを活用する上での課題

・認識のズレ
AIを活用する目的や期待値が、社内で異なる場合があります。特に経営層と現場の認識はズレやすいため、テーマの設定と実現性が重要になります。「AIで何をどのレベルまで実現するのか」を明確にしましょう。

・仕組みづくり
いざAIを導入しても、「思っていた精度が出ない」」ということは起きがちです。「データの蓄積数が足りない」「不要なデータが取り除けていない」などの問題を解決しなければ、期待していた成果を得ることは難しいでしょう。

・ITリテラシーの不足

「どのデータを扱うべきか分からない」「上手くいかない原因が不明」といった問題の背景には、社内でのITリテラシー不足があります。知識や経験が足りないと、AIの活用イメージがまとまらず、プロジェクトの進捗が大きく遅れてしまいます。このため、AIの導入に必要なスキルや知識、判断力などを正しく有している人材を用意することが課題となるのです。

AIを活用する際のポイント

・長期的な活用
AIを取り入れるのであれば、短期で結果を求めないことが大切です。AIは膨大なデータを蓄積させ、学習させることで効果が期待できます。このため、長いスパンで運用し、結果を求めるような想定をすると良いでしょう。

・人材の確保
AIは高度な技術が要求されるものであり、正しい知識や技術を有していないと対応が難しいでしょう。機械学習やデータサイエンス、ディープラーニングといった技術に精通しており、これらを活用し、現場で求められているAIシステムの構築から運用、保守まで行うことができるスキルが求められます。このようなスキルを持つ人材が不足しているのであれば、外部でAIを活用できる人材を探すか、社内研修などを通じて育成する必要があるでしょう。

・AIとの協業
AIは導入すれば勝手に機能してくれるわけではありません。あくまでも人間の補助が必要であると認識しておきましょう。人間が監督をして、AIが正しく機能しているのかを確認することが大切です。これにより、AIの効果を最大限に発揮させることができます。

分野別のAI活用事例

それぞれの分野においてAIがどのように活用されているのか具体的な事例を紹介します。

IT

AI技術の提供側と思われているIT業界では、効率化をテーマにさまざまな手法でAIを活用しています。

・効率化
AI技術を用いた顧客の課題解決だけでなく、プロジェクトの進捗確認をAIが代行するなど、複数のタスクをこなすエンジニアの効率化が図られてきました。近年ではプログラミングの自動化をはじめ、インフラを監視し、障害発生時の原因を特定するAIや、ソースコードを解析し、潜在バグを発見するツール開発も進んでいます。

製造

製造業におけるAIの主なポイントは最適化と品質向上です。

・最適化
熟練者のノウハウをもとに、薬品の投入などの経験に大きく左右されるプロセスを自動化したり、予知保全による設備のメンテナンス指示にも役立てています。中にはAIが生産計画を立てている企業もあり、AIによる製造現場の最適化が進んでいます。

・品質向上
画像認識による不良品や異物の発見によって、これまで目視で行ってきた検査や照合の見落としが大幅に減少しています。また、音声認識でのマニュアルの翻訳などにより、外国人労働者とのコミュニケーションの質が上がり、外国人技能実習制度も以前より活用ハードルが下がっています。

金融

レガシーシステムの刷新を進めている金融業界では、工数削減と顧客満足度の向上に注力しています。

・工数削減
AIやRPAを駆使し、帳簿処理を自動化することで、業務工数の削減に取り組んでいます。クレジットカードでは審査や不正利用の検知、金融商品の販売面ではAIによるモニタリングの強化が実施されており、目視でチェックしていた領域での工数削減が進んでいます。

・顧客満足度の向上
金融業界では、窓口業務における対応品質の平準化を目的に、チャットボットが導入されています。ユーザーがチャット欄に入力した質問内容から、AIが必要な情報を案内することで、待ち時間を短縮します。さらにチャットボットで答えられない部分のみをオペレーターに回すことで、いわゆる「よくある問い合わせ」をチャットボット内で解決できます。

保険

インシュアテックによる変革が話題で、ビッグデータ分析にも注力している保険業界では、接客力の強化の事例があります。

・接客力の強化
声や表情を分析し、AIが第一印象を評価するトレーニングなど、話し手の能力を見える化するシステムが導入されています。新型コロナウイルス対策としてオンライン接客を取り入れる企業も出ているため、声や表情は今まで以上に重視されるでしょう。

不動産

物件の収益性や将来価値などをAIが分析し、提案に入れ込むといった活用もされる不動産業界では、不動産テックの注目が高まっています。今回はAIの活用例として、自動化の事例を紹介します。

・自動化
過去の売却事例をもとにした価格査定、不動産仲介における帯替え、紙の物件情報のデータ化など、さまざまな業務において自動化が進んでいます。また、自動化の他にも用地取得の支援、賃貸物件のレコメンドや、顔認証による建物の入退室などのAIツールが登場しており、活用の幅は着実に広がっています。

医療

医療現場では、主に診断力の精度アップに活用されます。

・診断力
CTやMRIなど、画像を使った診断でAIと画像認識による自動検出を使い、疾患の早期発見に使われるケースが増えています。個体差の少ない領域では、ディープラーニングを利用した異常の検出に役立てることも可能です。また、近年では新型コロナウイルス対策として、オンラインでの診断システムも開発されています。

AIの活用についてのご相談なら

AIは正しく環境を整えておくことで効果を発揮し、さまざまな利益をもたらすことが期待できます。超スマート社会の推進によって、今度も導入事例は増えていくでしょう。

POINT

・AIは業務を効率化でき、新しいサービスのアイデアを生み出すなどのメリットがある
・期待した効果を得るためには、データ活用の仕組み化やITリテラシーの向上が求められる
・通信、製造、金融、保険、不動産、医療など、さまざまな分野でAI活用が進んでいる

もし、これからAIの活用を真剣に検討しているのであれば、専門家のサポートが必要不可欠となります。AIやITなどに精通している専門家に相談をすることができれば、自社の課題を見つけることができ、事前に正しい対策を取れるからです。このような専門家を見つけたい場合には、i-commonを利用することをおすすめします。当サービスには多様な課題に対応してきた顧問が揃っており、中にはAI導入に関わった実績のある顧問も登録しています。i-commonに相談することで、AIの活用について相談でき、さまざまなサポートを受けることができます。

関連コラム

ページTOPへ戻る