【業界別のAI導入事例】日本のAIの導入状況と今後のAIについて

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2021年06月11日(金)掲載

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現代では、ビジネスシーンはもちろんのこと、消費者生活の中にもAIは溶け込み、人の意思決定や行動をサポートする形で共存しています。政府も推進するAIの活用は、企業にどのような変化を与えてくれるのでしょうか。

本記事では、企業の成長戦略に欠かせない存在になりつつあるAIの導入状況、導入事例をご紹介します。

日本のAIの導入状況は?

主要国におけるAIの導入状況を確認します。

総務省が公表している「令和元年版情報通信白書」によると、日本のAI導入率はわずか「39%」です。これに対し、海外の導入率は中国85%、アメリカ51%、ドイツ49%、フランス49%、スイス46%、オーストリア42%。

出典:令和元年版情報通信白書(総務省)


GDPランキング上位のアメリカ、中国、フランス、ドイツをはじめ、大学や研究所でのAI研究が行われているスイスやオーストリアと比べると、最も低いパーセンテージとなっています。グローバル化が進む現在において、日本はIT活用に遅れを取っていると警鐘を鳴らされ続けて来ましたが、AIの導入においても同等の課題があると分かります。

また、国内ではIoT、ロボット、クラウド、ビッグデータといったAI以外の先進技術と比較しても、AI導入率の低さが分かります。特に中堅・中小企業の導入率は5.6%となっており、導入におけるハードルが高いことを示しています。

アップロードした画像

出典:先端技術(IoT、AI等)の活用状況(財務省)を加工して作成

身近なAI導入事例

導入ハードルの高さが際立つAIですが、身近なところに目を向けてみると、さまざまなシーンでAIが活躍しています。具体的な導入事例をご紹介します。

・自動運転
各国のIT企業が実証実験に乗り出し、本格的な自動運転車も販売されています。国内の大手自動車メーカーにおいてもAI導入は進み、現在ではレベル3(一定条件下での自動運転)まで実現しています。

・AIレジ
スタッフの手打ちにより、商品の金額をレジに入力していた店舗で見られるのが、AIカメラを使用したレジです。商品を指定の場所に置くと、レジと連携したAIカメラが商品を認識し、金額を自動入力します。2016年には大手EC事業者が展開した無人店舗も話題となり、AI×レジによる生産性向上の効果が大きく期待されています。

・音声翻訳
AIを搭載している音声翻訳は、ビジネスパーソンの海外出張時に役立つツールです。翻訳精度は完璧ではありませんが、短文であれば概ね意味は伝わり、相手が言っていることも理解できます。膨大な音声データから機械学習を繰り返し、精度を上げることにより、今後さらに発展していく可能性もあるでしょう。

業界別のAI導入事例

次に、物流業界・銀行業界・不動産業界の3つの業界別にAI導入事例をご紹介します。

物流業界

ネットショッピングの普及やドライバーの高齢化によって物流クライシスが起き、物流業界の人手不足は深刻化しています。政府がトラガール推進プロジェクトを掲げて女性活躍を推し進めるものの、3Kや労働環境の過酷さといったイメージが払しょくできず、人材の確保が間に合っていない企業も多いことでしょう。そんな中、業界では抜本的な最適化としてスマート物流の注目度も上がっており、さまざまな領域にAIを導入しています。

・検品/仕分け
AIカメラやRFIDリーダーなどを活用することにより、検品作業の効率化が期待できます。ベルトコンベア上の荷物をAIカメラが判別し、自動的に仕分けることも実現可能です。近年は小口配送が増えたことで、スピード感はこれまで以上に重視されます。AIによる検品や仕分けは、配送の効率化としても有効です。

・WMS(倉庫管理システム)
在庫・入出荷・返品などを管理するWMSにおいて、AI活用が進んでいます。特に倉庫管理は、経験で培われた判断が欠かせません。そこをAIが分析することで、ピッキング効率を高めるための施策が生まれ、配置替えや導線の見直しにも活用できます。

・配送計画
GPSからの配送実績やベテランのノウハウを学習したAIが、より効率の良い配送ルートを自動で導き出します。積載量や時間などを守り、最適な配送計画が立てられることで走行距離が短縮でき、ドライバーの負担軽減にもつながります。

・ドライブレコーダー
運転には、常にリスクが付き纏います。思わぬ事故が発生するケースもあり、これらのリスクを回避するためにAIドライブレコーダーが有効です。トラックの運転データを収集・分析しながら危険運転を察知し、これをドライバー本人に警告したり、本社に通知することで改善に役立てます。また、事故件数が減ることによって、保険料の負担も少なくなるでしょう。

金融業界

新型コロナウイルスの影響により、金融業界では電子化が急速に進んでいます。政府の金融デジタライゼーション戦略の推進、デジタルバンキングの加速、BaaSの台頭など、大きな変革の波が訪れています。これまではRPAによる事務処理の効率化が行われていましたが、その他にはどのようなAI活用がされているのでしょうか。

・AI OCR
AIの活用によって、通常のOCRよりも文字の認識精度が高いだけでなく、機械学習によって使えば使うほど認識率が上がっていきます。さらにRPAとの連携によって、点検やファイル作成といった作業の削減が期待できます。紙書類の管理が減少することで、生産性が向上するため、金融業界に限らず導入が期待されるAI技術です。

・不正検知
各種カードの利用や、請求、取引、マネーロンダリングなどの不正をAIが検知します。ホワイトボックス型AIであれば、検知理由を知ることも可能です。フィッシング詐欺やシステム攻撃など、巧妙化していく手口のリスク対策として、早期発見の期待できるAI導入が進んでいます。

・対話型AI
チャットスペースでのFAQ的な役割を持つチャットボットに加え、金融取引をサポートしてくれる仮想アシスタントなど、CXの向上を目的とした対話型AIの利用が増えています。対話型AIは対応できる範囲が年々広がっており、難しい質問に答えたり、債券投資のアドバイスも行えるようになっています。

不動産業界

コロナ渦で新しい生活様式への対応が進む中、住宅価格やDX進捗では2極化する動きが出ています。政府では不動産テック(Real Estate Tech)が推し進められ、VR内見やIT重説などを取り入れる企業が増えてきました。そんな不動産業界では、AI活用の事例も着実に増えています。

・AI査定
過去の事例や物件ステータスなど、査定の判断基準となるビッグデータをAIが分析し、価格をはじき出します。ものの数秒で結果が出るため、これまで査定にかけていた時間を大幅に削減できるとして期待を浴びています。また、土地の価格算出にも有効で、不動産売買によって収益を上げている企業の場合、中長期的なビジネス戦略を組むことも可能です。

・不動産管理
点検や清掃で発生する報告書の自動作成、画像解析による点検補助など、管理面における従業員の負担軽減を目的に、AI導入に踏み切る企業が出ています。ペーパーレス化や単純作業をAIによって推し進め、より効率的に業務を進めることができます。

・自動追客
物件データの自動登録や新着物件の自動配信をはじめ、顧客情報から次回の架電タイミングを予測したり、値下がりや空室が発生した物件を通知するなど、成約率を高めるためのサポートをしてくれます。「タイミングを逃したことで成約につながらない」といったケースの防ぐ目的でも活用されています。

今後のAI導入について

日本のAI導入状況は、各国に比べて低いものの、ニーズは着実に高まっています。少子高齢化により人口減少が続き、各業界での人手不足が深刻化すると、AIの助けが必要なケースが増えていきます。

グローバル化が進む今、海外企業に後れを取るわけにもいきません。企業が持続的に発展していくには、AI活用への道は、いずれ避けて通れなくなるでしょう。

AI導入についてのご相談なら

新型コロナウイルスや少子化などにより、各業界の経済環境は逼迫しており、この状況を打破する方法として、業務の見直しやビジネスモデルの変革が挙げられます。

AIを上手く活用できれば、現時点での多くの経営課題を解決することができるでしょう。ただし、AIの導入は専門知識や技術が必要であるため、導入の際には、専門家によるサポートを活用することもおすすめです。

「具体的な活用方法が浮かばない」「導入に成功するかどうか不安」というような課題を抱えている場合は、i-commonへご相談ください。AIやその他IT技術に関するプロフェッショナルが貴社の課題解決を支援いたします。まずは、お気軽にご相談ください。

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