サービス導入事例

株式会社山田製作所

売上:
100億円~1000億円未満
業種:
機械・電気製品

品質、生産

品質保証の専門家をアドバイザーに迎え、新製品のスピーディな開発と量産体制構築を実現

開発本部 技術監理室 執行役員
  • 飯塚 善章 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    自社にとって初となる電動車両向け電動ウォーターポンプの量産を目指すが、電子制御製品の量産品質保証について知見が不足していた

  • AFTER導入による成果

    品質保証の分野で経験豊富な専門家のアドバイスのもと量産化に向けたプロジェクトを進め、ラインの立ち上げを実現した

高まる電動車両関連ニーズへの対応が急務に

群馬県伊勢崎市に本社を置く自動車部品メーカー、山田製作所。オイルポンプ・ウォーターポンプを中心としたエンジン部品や、油圧制御部品、操舵部品などを手掛け、開発から量産まで一貫したものづくりをグローバルに展開している。近年、自動車の電動化の流れが大きく進むなか、同社においても、製品開発に際してこれまでの自動車部品とは違った電子制御系の専門知識の必要性が増しているという。

今回、同社が新たに量産を目指したのは、電気自動車向けの電動ウォーターポンプだ。数年前から製品開発を進め、トライアルマシンを導入して量産化に向けた課題の洗い出しと解決に取り組んできた。しかし、進めていくなかで行き詰まりを感じていたと、開発本部技術監理室の飯塚善章氏は明かす。「この先の量産工程で起こり得る問題を自分たちなりに探り課題解決にあたっていたのですが、われわれには過去に電子制御製品の量産経験がないため、検証の仕方ひとつをとっても今の進め方で本当に良いのか手探りの状態でした。この分野の経験を有し、量産品の品質保証についても深く知る外部の専門家の力が必要だと考えました」

i-commonのサービスを選んだ理由として飯塚氏は「特定のテーマに継続的に取り組み、いっしょに課題を見つけてアドバイスをもらえるようなパートナーを求めていた」と説明する。コンサルティング会社だとパートタイムの関わり方になることが多く、同社が希望する関係性を築くのは難しいと感じたという。加えて、経験豊富な専門家に長いスパンで開発現場に入り込んでもらい、知見をメンバーに伝授してほしいという思いもあった。

ノウハウ構築の道のりを伴走する心強い存在

そこで2018年3月、過去にメーカーで長く製品開発や品質改革に携わってきたH氏を、量産化に向けたプロジェクトにアドバイザーとして迎え入れることに。開発メンバーには中途入社社員も多く、外部から人材が入ることに抵抗感のない社風や、H氏の親しみやすい人柄もあって、双方はすぐに打ち解けてプロジェクトが本格始動した。

H氏はまず、社内でこれまで進められてきた取り組みや検証結果を丹念に確認。その上で、検証方法や、その結果データの見方、判断基準などに関して、経験を踏まえた具体的なアドバイスを行った。「中でも、量産工程で生じるばらつきに対する保証の考え方や検証方法について、われわれに全くなかった知見を提供いただけて、現場で経験を積んでこられた専門家ならではの助言の的確さを実感しました」と飯塚氏は語った。現在は、2019年夏の量産ラインの稼働に向けて、調整作業は大詰めの段階だ。

自社にとって経験のない製品を量産し、品質を高めていくためには一からノウハウを蓄積していくことが必要となる。その道のりには苦労もあったと飯塚氏は振り返る。「一つを理解するにも、そこに至るたくさんのことを経験したりテストを重ねたりする必要があり、とにかく情報量が多い。ノウハウを自分たちのものとして落とし込んでいく難しさを感じました。だからこそ、継続的にプロジェクトに関わりアドバイスをもらえる専門家の存在はとても心強さがあります」。プロジェクトを通して知見やノウハウの共有が組織内で着実に進んでいる実感もあるという。品質のばらつきに関する検証手法は、プロジェクトメンバーだけでなく、ほかの部品の開発・製造チームにも伝授が行われている。

開発期間を大幅に短縮できるのが利点

電動車両向け電子制御製品へのニーズは今後も拡大が見込まれ、同社でも、製品ラインナップのさらなる拡充に向けた技術開発や量産体制の構築に注力していく考えだ。近く、電動ウォーターポンプの量産がスタートし、プロジェクトが一つの区切りを迎えた後も、開発チームは引き続きH氏のアドバイスを受けながら、次なる新製品の開発・量産化に挑んでいく。

外部の専門家の知見を活用する特に大きなメリットとして飯塚氏は、開発の時間短縮が可能になる点を挙げる。「トライアンドエラーを社内のメンバーだけで重ねるのではなく、そのプロセスに対して経験者の立場から適切なアドバイスを受けることで、開発は大幅にスピードアップします。自分たちでは考えもしなかったようなやり方や、教科書、専門書などから得られる情報とはまた違った実際の経験や実績に基づくノウハウを習得できたことは非常に有益でした。特に今回のように、自社が経験していない分野に新たに挑む際には、外部の知見の活用は重要というよりも必要不可欠ではないかと感じています」

企業名
株式会社山田製作所
設立
1946年2月
従業員
1,678名(2019年3月末)
売上
875億円(連結)
事業内容
四輪車用機能部品、二輪車用各種機能部品等の開発・製造

担当顧問より

イノベーションに挑戦する社風と技術に対する洞察力を持つマネジメントに接して強い感銘を受けました。技術力強化を目指す企業は多いのですが、一見まわり道に見える基盤技術の強化がその近道であることを認識して、山田製作所様のように着実に実践している企業は多くありません。基盤技術には、スクリーニング計画(実験手法)、ロバスト設計手法、多目的最適設計手法、不良原因分析手法、信頼性予測手法、可視化技術などがありますが、その基本はデータサイエンスです。私の役割は基盤技術を活用して信頼性の高い製品を手戻りなくスピード開発する方法を指導することですが、デザインレビューで指摘した内容を実際に解析・可視化して、その有効性を実感してもらうようにしています。データサイエンスによる可視化は、複雑で専門性が高い問題について技術者が関係者と理解を共有し、対話による組織的な問題解決を促進します。

登録顧問 H氏(60代) 機械・製造業界の企業で、制御・計測機器の製品開発を担当してデジタル・アナログ回路設計やFAシステムの開発等、ハードウェア・ソフトウェア両方の経験を長く積む。現在は、開発部門のデザインレビューやロバスト設計・実験手法の指導、生産部門の不良原因究明・市場不良予測など、データサイエンス手法を活用した問題解決を指導している。