i-common

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サービス導入事例のご紹介

これまで幅広い業種の企業様に、多岐にわたるテーマでi-commonサービスをご活用いただいています。各社はどのような経営課題を抱え、i-commonサービスの導入によってどのような成果を得たのでしょうか。インタビューを通してレポートします。

BEFORE
導入前の経営課題

蓄積してきた膨大なデータから、ソフトウェアの品質向上や、開発業務の効率化につながるような新たな知見を得たい

AFTER
導入による成果

主に品質管理の分野で蓄積したデータから推測できる因果関係など、検討してきたいくつもの仮説を分析し、仮説を実証することができた

COMPANY DATA

  • 企業名
    弥生株式会社
  • 設立
    1978年(現在の法人の設立 2007年1月)
  • 従業員
    662名(派遣・契約社員含む、2017年10月現在)
  • 事業内容
    業務ソフトウェアおよび関連サービスの開発・販売・サポート

蓄積してきた膨大なデータの解析から、未来につながる知見を

ビッグデータ活用と、その先に広がる新たな可能性に挑む

中小企業向け会計ソフト『弥生シリーズ』を展開する会計パッケージベンダー・弥生株式会社。製品版のパッケージに加え、クラウドアプリによるオンライン版をいち早く導入するなど、常にこの分野の新領域を開拓してきたパイオニアともいえる存在だ。取引データの取り込み仕訳の自動化などもいち早く搭載し、最先端の「簡単さ、使いやすさ」を追求し続けるそんな同社が、新たな課題として挑んだのが、ビッグデータの活用だった。ビジネスプラットフォーム開発チームの統括リーダー、山田氏は言う。「より良い製品を作るためにビッグデータ解析を取り入れようと考えたのが、このテーマに向き合う最初のきっかけでした。しかし、私たちが蓄積してきたデータは、事業のあらゆる領域にわたっています。これらをうまく活用すれば、製品の機能性だけではなく、開発業務の効率化や生産性向上などにもつながると考え、より広い目でビッグデータ活用の可能性を検討し始めました」

ビッグデータ活用に関し、普遍的なノウハウやナレッジを得るためにも、まずは限定した分野で成果を出すべきだと考えた山田氏。検討を重ねる中、白羽の矢が立てられたのが品質管理だった。QAチームの日下氏は当時を振り返る。「製品の品質だけではなく、開発業務全体の質向上も担う私たちQAチームには、過去十年分のプロジェクトにおける工数や発生した障害のデータなどに加え、開発エンジニア達がメールやコミュニケーションツールで交わしてきたやり取りの情報なども蓄積しています。この中から有用な情報を抽出できれば、『早期に問題点を見つける』という私たちのミッションの効率化にもつながると感じました」

当初は、データサイエンティストの中途採用を検討していたが、転職市場でもかなり希少な職種であり、いい方と出会うことができなかった。そのような中、出会ったのがi-commonだった。山田氏はi-commonサービスに出会ったときの印象をこう語る。「求める専門性を持った人材をスピーディーに見つけることができ、かつそういった人材を必要なタイミングで必要な頻度、期間で活用できるi-commonサービスに魅力を感じました」。そして2016年5月、i-commonより提案されたビッグデータ解析の第一人者であり大学教授を務めるI氏、Y氏の2名をパートナーに迎え、新たなチャレンジが始まった。

専門家の知見で、いくつもの仮説を検証

以前から、独自のデータ活用を進めてきたQAチームには、すでにいくつかの仮説があった。日下氏は言う。「例えば、開発中の製品やサービスの品質と、プロジェクト内で交わされたエンジニア達のコミュニケーションの回数など、個別のデータ間の関連性などについては、以前からいくつか仮説を立てていました。これをより明確なものにすれば、問題の発生を事前に回避することもできるかも知れません。そこで、仮説の一つひとつを専門家にぶつけ、検証していただくことにしました」

大枠の戦略・検証すべき仮説の優先順位付けをI氏が支援し、実際の分析をY氏が行った。明確な役割分担のもとで進められた検証は、非常にスピーディーだったと日下氏は振り返る。

「2週間に1度のペースで打合せを行い、結果について報告していただきました。その場で新たなテーマもお伝えし、次回の打合せまでに検証してもらうんです。因果関係が見つかったものから、全く関連性が見出だせなかったものまで、結果は様々でしたが、スピーディーに回答をいただけるので、関連性は薄そうな仮説についても気軽に検証していただくことができました」。この繰り返しにより、いくつか仮説に対する根拠を得ることができたと日下氏は語る。それらをもとに、社内での新たな枠組みをつくる段階を迎えたことで、専門家による検証作業は終了した。

専門家の力で、不足する部分を補う意識が大切

1年間の検証について、山田氏は振り返る。「ビッグデータの活用は、当社にとって全く新しい領域ですので、『ここがゴール』といえる明確な目標を設定することも今回のプロジェクトのテーマのひとつでした。専門家お二人のお力添えで、いくつかの明確なモデルを手にできたことは、そんな目標設定にもつながる大きな成果だったと思っています」

一方で、反省点もあると山田氏は言う。「今回、参加していただいたお二人は、仮説の検証という点では非常に心強い存在でした。しかし、具体的にビッグデータをどう活かすかについては、ヒントは得られたものの、明確な答えを手にすることはできませんでした。そもそも、ビッグデータの活用は、有機的なビジネスに深く関わるものなので、一つの専門領域で全てをカバーすることはできません。データを使って何をすべきか、そのためにどんな環境や開発体制をつくるべきかなど、より具体的な答えを得ようという姿勢が、私たち自身に足りなかったのではないかと思います」

それでも、この経験はこれからにつながると山田氏は語る。「そんな教訓を得ることも、今回のプロジェクトの目的。専門家に全てをお任せするのではなく、自分たちの不足しているところを高い専門性で補ってもらうという意識で外部の力を活用することは、非常に有効だということもわかりました。こうしたいくつかの結果を活かし、あらゆる領域でのビッグデータの有効活用を実現していきたいと考えています」