サービス導入事例

都築電気株式会社

売上:
1000億円以上
業種:
広告・情報通信サービス

経営全般・事業承継、マーケティング

専門家とタッグを組みIR強化を推進。決算説明会の実施を経て投資家からの評価に手応え

取締役執行役員 経営企画統括部長 兼 広報・IR室長

経営企画統括部 広報・IR室 担当副部長
  • 平井 俊弘 氏
    池戸 陽志郎 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    IRの専門組織が社内になく、株主・投資家向けの情報発信やコミュニケーションが十分にできていなかった

  • AFTER導入による成果

    専門部署を立ち上げ、専門家の支援を受けて決算説明会を実現。IR活動を積極的に展開していく土台が整った

社名や業種がもたらすイメージと、実態との間に隔たり

創業から87年の歴史を重ねる、都築電気株式会社。情報ネットワークソリューションサービスと電子デバイスの両方を駆使した課題解決力を強みに事業を展開するICT企業だ。1986年より東証二部に上場しているが、最近までIRの専門組織はなく、株主や投資家に向けた情報発信が十分に行えていないという課題があった。特に、都築電気という社名が人々に与えるイメージと、ICT企業としての実際の事業内容との間にギャップが生じやすく、また、東証での株式の所属業種が「卸売業」であったことも、株主や投資家にとってのわかりにくさにつながっていた。

同社で経営計画の立案に携わる経営企画統括部長の取締役・平井俊弘氏は、かねてからIR強化の必要性を強く意識していたという。「これまでは、上場企業に義務付けられた適時開示情報の発信のみにとどまっていました。近年、コーポレートガバナンス・コードで株主との積極的な対話が課題として挙がっていることや、当社の株価自体が割安で推移していた経営課題もあり、自社の知名度を上げて企業価値拡大につなげる活動の必要性を感じていました」と明かす。折しも2017年4月の新経営体制発足を契機に、経営方針としてIR強化が掲げられ、同社で初めてとなる決算説明会を翌年度に実施することが決まった。

過去に経験のない決算説明会を、どのように準備して実現させればよいのか。平井氏が方法を模索する中で知ったのがi-commonサービスだった。「i-commonの担当者は当社の中期経営計画を読み込んだ上で、一つひとつの課題に対して、該当分野の知見を有する専門家を提案してくれました。労力を費やして作り上げ、決意を持って発表した中期経営計画を深く理解したうえで提案に臨んでもらえたことがうれしく、提案された方とまずはお会いしてみることに。そして最初に面談したNさんが、まさにこちらの求めていた通りの方でした」

公認会計士・税理士であるN氏は、IPOを過去に2度成功させたノウハウやCFOとしての経験を活かして活動する、IPO支援およびIR強化支援の専門家だ。2017年11月よりN氏をアドバイザーに迎え、IR強化を行いながら、IR運営の体制整備を図るプロジェクトがスタートした。

戦略的IRを実践した一連の経験がメンバーの自信に

プロジェクトメンバーはまず、半年後に迫る決算説明会に向けた準備に着手。N氏は最初に全体スケジュールや役割分担を明確にした上で、資料の構成や、当日話す内容などについても具体的なアドバイスを行った。プロジェクトの立ち上げ時から携わる広報・IR室の担当副部長・池戸陽志郎氏は「当日までの道のりを細かいステップにわけて整理してもらえたことで、心理的なハードルが下がりました。Nさんからのきめ細かなアドバイスに、目標に向けて伴走してもらえる心強さを感じました」と振り返る。

N氏のアドバイスのもと決算説明会に向けてコーポレートストーリーの作成を進めるなかで、新たに気付くことも多かったという。一つは、社内にいると見過ごしやすい自社の強みや特色を客観的に捉える視点。もう一つは「株主や投資家にとって必要な情報は何か」を常に考える姿勢だ。発信すべき情報の取捨選択は、業種・業態や企業規模によっても異なる。N氏は経験を踏まえて詳細なアドバイスを行い、限られた期間の中で、不必要な資料作りに時間を割くことなくスムーズに準備は進んでいった。

IR活動そのものへの意識の変化もあった。プロジェクトメンバーはこれまで決算説明会について、株主総会のように形式が定められた敷居の高いイメージを持っていたが、N氏から「決算説明会は自社を売り込む場」とのアドバイスを受け、気持ちが楽になったという。こうして初の決算説明会を2018年6月に実施。一連のプロセスを通して組織にノウハウが蓄積され、IR活動の重要性への認識も社内で共有されたことから、2018年11月には2回目を開催。投資家からの反応は好評で、個別で詳しく話を聞きたいとの要望も複数寄せられ、手応えを感じている。

N氏のサポートを受けて、株式の所属業種の変更手続きも進め、2018年10月に「情報・通信業」へと変わった。これらの取り組みの結果、投資家の関心の高まりは、株価の上昇となって表れている。また、プレスリリースで自社の取り組みや事業成果を発表する際に、「このニュースを投資家に向けたアピールにどうつなげられるか」という観点で情報発信するようになったことも、プロジェクトを経てのメンバーの変化だ。株主や投資家と建設的な対話を行うための土台が着実に築かれている。

企業の成長の鍵となるヒューマンリソースのシェアリング

同社にとってi-commonの利用は初めてだったが、平井氏も池戸氏も不安はなかったと振り返る。必要なタイミングで必要な期間のみ利用できることや、月額料金の明確さなどから導入のハードルが低く、実際に社内で承認を得やすかったという。i-commonの担当者の提案内容についても、平井氏は「最初の1時間ほどのヒアリングでわれわれのニーズやリクエストを的確に把握し、それをもとに当社の社風やご本人の人柄も踏まえた上で、これ以上ない適任の方を提案してもらえたと感じます」と評価する。

2度の決算説明会を経て、IR運営を自走できる体制が整ったことから、2019年1月にN氏の支援は終了した。平井氏はその場面でもi-commonの良さを改めて実感したと語る。「長くお世話になったNさんにお別れを言い出しづらい感情が私の中にあったのですが、Nさんもi-commonの担当者も、晴れやかな表情でプロジェクトの完了を喜んでくれたことが印象に残っています。必要な期間だけ専門家の知見を活用でき、しかも今回のように早急にノウハウを取り入れたい場面でスピーディに応えてもらえる点は非常に魅力的です。i-commonのサービスは、言わばヒューマンリソースのシェアリングだと私は捉えています。労働人口の減少が社会問題となる中で、今後はさまざまな業態においてこのサービスが価値を発揮していくのではないでしょうか。知見のシェアリングが引いては、貴重なノウハウの継承や、日本全体の成長にもつながっていくのではないかと感じています」

本プロジェクトを通して外部の知見を活用する有効性を実感したことで、同社はIR以外の分野でもi-commonサービスを積極的に導入。現在、複数の部署でi-commonの専門家が参画してのプロジェクトが進行している。

企業名
都築電気株式会社
設立
1941年3月(創業1932年)
従業員
2,336名(2019年3月現在)
売上
1,188億円(2019年3月)
事業内容
ネットワークシステムおよび情報システムの設計・開発・施工・保守、電子デバイス・情報機器の販売ならびに受託設計開発

担当顧問より

都築電気様のIR強化をご支援させていただきました。ご担当者様は、常に問題認識を持たれ前向きに取り組んでおられました。また、経理部門、法務部門などの関連部門の方々が集まり、全社一丸となって問題に取り組まれていました。都築電気様はそれぞれの部門の専門性が非常に高く、私の役割はそれぞれの持っている情報やスキルを集約・統合し、アウトプットすることでした。都築電気様のIRへ、多少なりともご支援できたものと思っております。ありがとうございました。

登録顧問 N氏(40代) 公認会計士・税理士。これまでITベンチャーなど数社でCFOや上場準備責任者を歴任し、IPOを2回にわたり成功させる。現在は自社を設立し、IPO支援やIRコンサルティングを行う傍ら、社外取締役なども務める。企業のあらゆるステージにおいて、管理的アプローチにより、企業価値向上、ガバナンス強化、財務体質強化を実現するノウハウを有する。