サービス導入事例

東京中央食品株式会社

売上:
100億円未満
業種:
中間流通

物流

現場を熟知する物流のプロフェッショナルが、社員の自走を促す意識変革を実現

代表取締役社長
  • 佐藤 光一 様 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    物流全体のシステム構築が為されておらず、欠品やピッキングミスなどが多発。社員の経験だけに頼る物流・倉庫管理が日常化し、効率化がまったく図れていなかった。

  • AFTER導入による成果

    物流・倉庫管理におけるオペレーションの仕組化を導入。社員の意識改革とともに、社員が自走しながら、状況に見合った仕組みを自ら構築するためのノウハウを習得。

売上の増加に伴って物流の負荷が増え、欠品やミスが顕在化

病院や介護施設、保育施設等の業務用食品の卸売をはじめ、メニュー開発から調理まで請け負う給食受託事業で成長を続ける東京中央食品株式会社。大手食品会社で代表を務めた経験をもつ佐藤社長は、2017年に代表に就任後、「物流の仕組み化がまったくと言っていいほど為されていない」という現場の課題を痛感したという。1万アイテム以上の食材を扱い、効率的な倉庫・物流管理が不可欠であるのに、社員1人ひとりに工夫の思考がない…。その懸念は、やがてトラブルとなって顕在化することになった。

佐藤氏が社長に就任後、保育園や福祉施設の営業強化を図ったことで売上は増大。その裏側で、物流作業への負荷は次第に増えていった。それまで食材1アイテム辺りの管理で良かったものが、取引先が多様化することでより細分化したピッキングが必要になる。欠品が増えるとともに、その補充に顧客先へ再納品に出向く手間も生じ、コスト増に加えて現場がどんどん疲弊していくことになったのである。

物流担当の人員を増やそうにも、即座の応募はままならない。「私は営業のノウハウには自負がありましたが、物流については専門外でした。そこで現場の仕組みを構築してくれる外部の専門家を登用することにしました。必要なのは現場を熟知する実務経験者だと考えてi-commonの担当者に相談したところ、当社の規模感や商品数、業容などに見合ったドンピシャの専門家を提案をしてくれたのです」と佐藤氏は振り返る。2017年8月、大手から中堅コンビニまでの物流現場を知り尽くすS氏がアドバイザーとして参画することになった。

方法を現場に押し付けるのではなく、自ら現場に下りる

佐藤氏が目指した売上の目標値は前年比120%。物流作業の負荷がおのずと増える中で、佐藤氏がS氏に依頼したのは「人員を増やさず現状の体制で、物流工程の整備によって作業量を賄っていく」という要望だった。「これまでは社員の経験による感覚だけで倉庫管理を進め、棚番もなく動線分析も為されていない状態。物流の基本的な枠組みを入れていくことで、20%の売上増に伴う物流管理をできるようにしたいとお願いしたのです」と述懐する。しかし、現場に浸透させるのには時間がかかった。

「最初は社員の中に、なぜ従来のやり方ではいけないのかという空気が蔓延していて、姿勢も消極的でした。でも結局、売上が増え、何とかしなければ自分たちの作業量がパンクしてしまうことが分かってきた。そして何より大きかったのは、S氏が社員の意識を少しずつ変えていってくれたことです」と力を込める。S氏は方法を現場に押し付けるのではなく、常に「どう思うか?」と考えることを社員に促した。どうしたら作業が円滑になるのか。そのために自分は何をすればいいのか。物流の基本的な仕組みを教えることから始め、社員の思考のベースを作り、自ら現場に下りていった。「仕組みを考え、実践することで自分が楽になる。そのことを社員と一緒になって教えてくれた」と佐藤氏は振り返る。

物流を担う社員の意識が変化したあと、改革を軌道に乗せるために、佐藤氏はさらなる手を打った。S氏が主導する物流管理の仕組みづくりを現場でより具現化するために、間に入るマネージャーを登用したのだ。「パーソルキャリアさんに依頼して、日常的に現場で社員を動かす物流のプロを社員として入れました。それによって、S氏のノウハウの浸透が一気に進んだのです」。いま、同社の売上は前年比120%に届く勢いだ。物流管理の人員を増やすことなく、当初の目標を達しつつある。

意識変革のレールに乗ったいま、次なる物流管理の構築は早い

物流や倉庫の管理は地道な作業であり、それだけに社員のモチベーション高揚を含めた意識の醸成が不可欠という。「私はS氏と定期的なMTGはしましたが、仕事の進め方には口を挟みませんでした。報告を聞くだけで全て任せていたんです。でも時折社員と話をすると、明らかに話す言葉が変わっていました。“このピッキングを工夫すれば、もっと効率的じゃないか?”といった会話が自然と出るようになっていたんです」と嬉しそうに笑った。

介護・福祉施設、保育施設等への給食事業で業績を伸ばした同社は、次なる事業領域を見据え、さらなる業容の拡大を見据えている。それは、「医療・福祉環境の変化に伴う、在宅での給食事業の拡充だ」と佐藤氏は言う。「物流管理面もそれに伴って変革することが必要ですが、これからはもう早いでしょう。社員の意識が変わって、レールに乗ったと感じます。物流のクオリティを上げるための仕組み作りは、社員自身が行うもの。まさに現場力の根本から変革してくれる顧問の仕事には、これからも大いに期待しています」

企業名
東京中央食品株式会社
設立
1956年4月
従業員
127名(パート含む)(グループ全体534名:受託会社セントラルフーズ含む)2018年9月現在
事業内容
業務用食品の販売、米穀類販売、業務用食品の生産・販売

担当顧問より

東京中央食品株式会社様は佐藤社長が率先されて新規領域を開拓し、業績がどんどん伸びている会社ですが、物流体制が追い付いておりませんでした。企業の成長戦略を支援する物流の専門家が育っておらず自己流のやり方が多く見られたので、物流の基本に則り物流費削減20%を目標に改善を進めております。佐藤社長からは「単に物流改善だけでなく、物流改善を通じて自主的な社員を育てて欲しい」との要望もいただいていました。そこで現状の物流状況から問題点を抽出し、その問題点の改善案を社員に考えていただくように進めています。具体的には現場担当者による改善チームを編成しました。チームリーダーを中心に現場担当者が自ら考え改善を進める方式を取り、私自身はチームと伴走し、取組内容が自己流に陥らず物流原則に則った取り組みが出来るように助言しております。現場の担当者が指示待ちでなく自ら考えることと、自己流でなく物流原則に則った問題解決提案や行動をするようになりました。これからは会社の成長戦略を支える物流部門へ、大きく飛躍すると期待しております。

登録顧問 S氏(70代) 株式会社ダイエーに入社以来、商品本部で食品の仕入と商品開発を8年担当、原材料の共同仕入を業界初で実現。株式会社ローソンでは物流本部に13年所属し、温度帯別物流センター構築で配送センターや配送車の集約を図り大幅な物流コスト削減を実現、コンビニ物流の標準となる。株式会社デイリーヤマザキ入社後は商品企画部長として仕入れ先の統廃合、米飯等の原材料共同仕入、チームマーチャンダイジングの強化を図り、10億円/年の増益を成し遂げた。さらに物流管理部長の3年間で、温度帯別物流から全温度帯一括物流への改革で8億円/年を削減し、当社の収益改善に寄与した。