サービス導入事例

パシフィックコンサルタンツ株式会社

売上:
100億円~1000億円未満
業種:
建設・不動産

システム

「変革をプロデユースし、未来を創造する企業」が込めた基幹システムのグローバル対応に向けた想い、を実現する

グローバル事業本部
  • 内藤 誠司 氏
  • 大川 絢子 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    来年稼働開始を予定している新基幹システムは国際事業の拡充への対応を強化しなければならない。国内業務とは異なる国際事業の特性を反映したシステムを構築するために「外部の専門性」を求めていた

  • AFTER導入による成果

    国際市場の営業戦略を踏まえたうえで、「ビジネスとシステム両面の観点」から新基幹システムの要件定義を行い、様々な国際基準に対応したものに。定義書の内容も社内側と専門家(メンバー)側のダブルチェックを実施

「既存の業務フロー」と「既存システム設計」の変革点に、深く入っていく

渋谷駅周辺の基盤整備計画の策定やオリンピック関連施設などの基本計画にも携わるなど、総合建設コンサルタントとして国内有数の実績を持つパシフィックコンサルタンツ。現在、基幹システムの刷新に向けたプロジェクトが社内で進行している。全社的にはシステム開発事業者の選定にコンサルタントが入り、PMO領域にも外部の参画企業があるなかで、「なぜ、グローバル事業本部として、個別にi-commonを導入されたのか」その背景を伺った。

根底にあるのは国際プロジェクトの受注増加に向け、グローバル事業本部を立ち上げ、メンバーも大幅に増員しているなか、2020年には基幹システムも刷新される。会計や税務、為替、プロジェクトマネジメントの方法など、国内とは異なる業務実態に即した国際事業のハンドリングを行うためには、新基幹システムの要件定義を固める時点で、国際事業の特性や、実際に国際事業に従事するメンバーの意見も反映しなければならない。グローバル事業本部としての個別条件のとりまとめのために外部のアドバイスを求めていた、と内藤氏は言う。

「SAPベースのシステム全貌に詳しい方を探していましたが、システム関連の技術だけではなく、国際事業の特性や効率化のためのビジネスフロー上のキーポイントを踏まえた包括的なアドバイスを求めたいと考えていました」

業務改革及びシステム導入プロジェクトでビジネス・システム両面のコンサルティング経験が豊富で、自身で企業経営も行っているS氏をアドバイザーとして迎え、2018年4月より、国際事業の観点から現状課題の掘り起こし、新システムへの問題提起のリストを作成したと言う。「最初の2ヶ月の間に、こんな視点もあるのではと財務・税務やビジネスフローを考慮したアドバイスをいただきました」と、大川氏。
全社的なERP開発プロジェクトミーティングに、そのリストをもってグローバル事業本部の代表者も参加した。

本来の目的を実現するために、事業部の垣根を超えた創造を共有する

長年にわたる自社独自の業務フローにあわせた使い勝手の良いシステムが現存しているなかで、今回のSAP導入にあたっては、自社のやり方に合わせて新システムを開発するのではなく、世界で多様な企業が使用しベストプラスティクスが蓄積されているSAPのシステムに自社の業務フローなどを合わせていく、という弊社経営陣の決意から今回の基幹システム刷新は始まっている。
そうしたなか、S氏がグローバル事業本部内のワーキンググループにおいてファシリテーターとなり、国際事業の拡充にはどんな視点が必要なのか、どのようなサービス展開を今後していけばよいのか、といったブレストが当時の各部門長なども交えて行われた。

「S氏には、国際市場において顧客軸とサービス軸でどこのドメインが強いのか、今後の方向性としての拡大分野はどこなのか、そのために、新システムにはこの機能性が必要だと、ビジネスの本質から考えていくところを示していただきました。一足飛びにシステムの話には行かず、本来の目的のために必要なキャパシティーの補充はどこなのかといった上流部分の議論の段階からアドバイザーとして入っていただいたことで、他部門からも確かにそうだよなという声があがりました」と、内藤氏は言う。

大川氏はさらにこう付け加えた。「社内の人間だけで協議をすると、現状の延長線上の発想で議論をしてしまいがちなところ、S氏のような専門家に入っていただくことで、他社での業務の仕方や効率化手法など、世界の潮流を知ることができ、有益なエッセンスをいただくことができました」

国際企画部は、グローバルカンパニーとして発展していくうえで必要になる社内組織や制度の変革などを経営陣に対して提案するミッションを有している。それらの変革業務に加えて、国際事業における経営・営業戦略の策定というミッションもある。
全社的なERP開発プロジェクトミーティングは各回、様々な分野について、直接・間接双方の各部門の要望や課題をヒアリングしながら、毎週セッションが開かれたが、基幹システムは今後10年以上使用することが見込まれる戦略上においても重要なテーマである。全社ミーティングの前に、グローバル事業本部からの個別要望などについては、S氏がファシリテーターとしての調整力を発揮して必要事項をとりまとめ、その結果、要件定義には国際事業の特性も反映させた要素を全社ミーティングに提示することができた。

国際事業拡大のシナリオ化へ最終段階。「ダブルチェック」で確認が進む

2019年3月、1年近くを費やした要件定義がベンダー側から上がってきた。積み重ねてきた要望が本当に反映されているのか、ワークフローに入っているのか、グローバル事業本部とS氏による「ダブルチェック」を現在進めているという。
国際展開を考慮したシステム開発プロジェクトは多くの企業で行われている。確かに国内事業との違いに対処する生産・在庫・財務会計など基幹システムの選定やERPパッケージの機能・カスタマイズは、ベンダーやコンサルティングファームと協議を重ねることで、「発注側でなければできないタスク」を実現していくことはできる。

しかし業務委託契約を交わすことになると、「対価を払う側とサービスを受ける側」で若干の上下関係が生まれるのも事実である。i-commonでは、これまで類似課題への対応経験を豊富に有する専門家が、社内の検討チームにインサイダーに近い形で参画するため、上下関係ではなく同じ目的を持つ仲間に近い関係で検討を進めることが出来るメリットがある。
導入時に「S氏にまず国際事業の仕事の特性やフローを理解していただいてから」と、内藤氏は言われたが、理解と共感は違う。共にディスカッションを重ねるなかで、「自分たちが使い慣れたシステム・手法を変えてでも国際事業を拡充させたい」という想いは、理解から共感へと変わっていった。その共感がS氏を介して、部門を超えたファシリテーターの役割の追い風になった。

普段は自らがコンサルタントとして顧客と接している同社ゆえに、i-commonの効果をより高めるために何が重要であるか、どう活用するべきであるかを理解している。内藤氏から今回の成果を伺った。「要件定義においては、国内市場がまだ9割近い売上を占めるなか、国際事業に対処可能なシステムという面で、グローバル事業本部として譲れない線は充分配慮できたと思っている」
要件定義フェーズも終わり、今後は構築フェーズに入っていく。10年後も利用できるような基幹システムで、同社の更なる挑戦を後押ししていくであろう。

企業名
パシフィックコンサルタンツ株式会社
設立
1951年9月米国法人創業(1954年2月に日本法人として設立)
従業員
1,880名(2018年10月1日現在)
売上
486億円
事業内容
建設・土木・建築関係コンサルタント業

担当顧問より

パシフィックコンサルタンツ様からは、全社基幹システム再構築に伴う国際事業部門の特有要件の洗い出しの御依頼を頂いております。国際事業に関する特有要件といっても、単に多言語対応や外貨対応ということだけでなく、それまで国内事業中心だった事業体の中で国際事業部門が将来、どのような役割を担ってゆくのかという事業全体の将来像を見据えたうえで特有要件の定義を行う必要がありました。
そのため、国際事業部門のプロジェクトメンバーの皆さまには、本来業務で多忙ななか、将来の事業像とそこから導き出されるべきシステム像に関するディスカッションに御参加頂きました。
こうしたディスカッションは、1回のみ、又は多くても数回程度で終わってしまうことが多いのですが、本プロジェクトメンバーの皆さまには定期的なディスカッションの場を設定して頂きました。そのディスカッションの場では、各回とも皆さまが大変真摯で熱意をもって事業の将来像の具体化に取り組まれている姿勢を当方も強く感じることができました。ご支援企業様のプロジェクトへの想いが強ければ強いほど当方も熱くなる傾向にあり、本件も当方として感じ入る場面が何度となくあり、とても印象に残っています。
基幹システム再構築は、これから新システムの構築プロセスが本格化することになります。これまで議論してきた内容を、充分に新システムの機能に反映できるよう、引き続きご支援に携わらせていただけましたら幸いです。

登録顧問 S氏(50代) 金融系シンクタンク、世界有数の経営コンサルファームにて20年間、ビジネスコンサルティング・システムコンサルティング両面において、多数の導入サポートを行う。PM経験はもちろん、新規事業立ち上げも複数経験したのち、2005年10月に法人を設立する。大規模プロジェクト管理、ビジネスコーチングも専門領域としているが、豊富な業務改革及びシステム導入コンサルティングの経験から、顧客や様々なステークホルダーとの交渉を経験し、顧客と関係性を構築することでニーズを的確に把握し、要望に応えることを第一義としている。

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