サービス導入事例

日本電気株式会社

売上:
1000億円以上
業種:
機械・電気製品

新規事業

「第三者チェックを行っている」という事実も、新事業をスムーズに立ち上げる推進力に

コーポレート事業開発本部 スマートウェルネス事業開発チーム シニアマネージャー

シニアエキスパート

主任
  • 中野 裕明 氏
  • 尾崎 和也 氏
  • 宮浦 健志 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    新たなサービスの立ち上げを進める上で、クラウドファンディングを活用した一般消費者向け商材の最適な品質保証やカスタマーサポートの設計といったピンポイントなテーマについて、実務経験者の助言を必要とした

  • AFTER導入による成果

    計4名の専門家から、必要なノウハウを必要なタイミングで取り入れて課題を解決。クラウドファンディングを活用し応援購入者に向けたサービスリリースを実現した。現在も機能改善や事業開発の取り組みが継続している

社内でも前例のないサービスとしてリリース

日本電気株式会社(以下、NEC)では近年、AIやICTを活用し、さまざまな領域での社会課題の解決を目指した新規ビジネスの創造に注力している。その一つが、ウェルネス領域における新たなソリューション「歩行センシングインソール A-RROWG(アローグ)」の開発プロジェクトだ。これは、ユーザーの歩行分析データや姿勢タイプチェックから歩行の質を推定・数値化し、配信されるアドバイスやトレーニングを通じて歩行姿勢を改善に導くサービスだ。NECの小型センサを搭載した専用インソールと、株式会社FiNC Technologiesが監修する専用スマートフォンアプリで構成されている。A-RROWGの開発においてNECは、市場調査を兼ねてクラウドファンディングを利用。応援購入額が1000万円を超える大きな反響を集め、2020年7月には応援購入者に向けてサービスリリースが行われている。

このプロジェクトにはこれまで、i-commonを通して4名の専門家が外部アドバイザーとして参画している。プロジェクトの責任者を務める中野裕明氏は、外部に知見を求めた理由として「A-RROWGはセンサ、インソール、アプリを組み合わせた複合的なサービスという点で、当社でも経験のない新しい取り組みです。当社がBtoCビジネスから遠ざかっている中で、UI・UXはどうあるべきか、品質基準をどう定めるかなど、社内のメンバーだけでは解決が難しいテーマが数多くありました」と振り返る。

加えて今回のプロジェクトは「感度の高いアーリーアダプター(トレンドや新商品に敏感な消費者層)に受け入れられ、評価・フィードバックをいただけるサービスにする」ことを主な目的とし、できるだけ規模を抑えてスピーディに製品改善へのPDCAを回していくことが求められた。そのため、必要なタイミングで、必要な期間のみ利用できるi-commonサービスがニーズに合致していたという。「われわれが希望していたのは、ご意見番のような立ち位置ではなくチームの一員として中に入り込んで併走してくださる方。その点でも、i-commonの『実働型の支援』というところに魅力を感じました」と中野氏は語る。

専門家の助言により、最適水準の仕組み構築を実現

支援テーマの一つであるUI・UXの改善については、この分野に精通した専門家・E氏が4カ月、アドバイザーとして参画した。プロジェクトメンバーの宮浦健志氏は「今回の複合的なサービスについて、ユーザーに継続して利用いただけるUI・UXを追求していく上で、ソフトウェア、ハードウェアの両方の知見をお持ちのEさんのアドバイスは非常に有効かつ的確でした」と振り返る。中でも、社内で知見が不足していたUX観点での製品テストの進め方に関して、E氏は経験をもとに具体的に助言。その内容を踏まえ、500項目からなる品質保証テストを実施した上で、クラウドファンディング版の製品をリリースすることができた。

一方、デリバリーやカスタマーサポート(CS)の体制構築については、これらの領域で経験豊富な専門家・Y氏が8カ月間にわたり支援を行った。このテーマを担当したプロジェクトメンバーの尾崎和也氏は、本業はハードウェア開発や保守を担うベテラン技術者だ。当時の課題について尾崎氏は「少数精鋭のチーム構成だったため、私も開発に携わりながら、専門外であるデリバリーやCSの体制作りを兼務して進める必要があり、専門家のサポートは不可欠でした」と明かす。特に今回は、クラウドファンディングの応援購入者に対して、最適なCS体制の水準が求められた。Y氏はサービスの内容やユーザー数などを踏まえ、CS体制に欠かせないもの、逆になくても良いものをアドバイス。その結果、サポートページやQ&A、お問い合わせフォームなどを適切に準備することができたという。

サービスリリース以降、応援購入者からの問い合わせや意見をもとに、一部 の仕組みを改良するアップデートも実施している。「ユーザーからのお問い合わせが多く、品質保証テストを通じて、私自身も早急に対応が必要と感じた箇所を、スピーディに改良しています」と中野氏。品質保証とCS、それぞれの専門家からアドバイスを得ていたことが、迅速なアップデート対応につながった形だ。

求める分野のノウハウをピンポイントで取り入れられる点が魅力

i-commonサービスを導入した感想として中野氏は、「品質保証やCSのように、勘所と経験値が重要となるテーマに関して、人材採用という固定費をかけず、実績や能力をお持ちの方にピンポイントで支援をお願いできるのはとてもありがたい」と評価する。加えて、新規事業だからこそ外部の専門家が入る意義は大きいと話す。「お客様に対しても、あるいは社内で稟議を通す際にも、『第三者チェックをしっかりと行っています』と自信を持って説明することができ、それが事業への信頼度にもつながると実感しました」

センサで計測した歩行の分析結果をもとに、アプリ上でその人に合わせた改善アドバイスやトレーニングメニューが提供される今回のサービス。「“世界一手軽にできる健康増進の取り組み”を目指しました」と中野氏が言うように、日常生活の中で無理なく続けられる簡便性が特長だ。現在も機能改善を継続中で、並行してBtoBへの事業展開を目指した取り組みも進んでいる。事業開発を担う宮浦氏は「病院や企業、靴メーカーなど多方面から関心を寄せていただいています。健康増進にとどまらない多岐にわたる用途を視野に、パートナー企業様と幅広く可能性を模索していきたいと考えています」と語る。

今後、事業化に注力していく過程では、専門的知見が新たに必要となる場面がフェーズごとに出てくる見込みだ。その際には、i-commonを活用して必要なノウハウを必要なタイミングで取り入れながら、スピード感を持って進めていくことを予定している。

企業名
日本電気株式会社
設立
1899(明治32)年7月
従業員
単独20,125名、連結112,638名(2020年3月現在)
売上
単独1兆7,897億円、連結3兆952億円(2019年度実績)
事業内容
社会公共、社会基盤、エンタープライズ、ネットワークサービス、グローバル

担当顧問より

本件の推進にあたっては、コロナ渦によるリモートワーク環境だったため、情報のやりとりに工夫が必要でした。また、その環境下で、チームの皆様と意識合わせをさせていただくことが課題であると考えていました。
今回求められていたUX観点での製品テストについては、初期段階においての利用者の離脱を防ぐ要因を排除することを念頭において、カスタマージャーニーマップを基にテスト項目を作成し、テスト実施していくことにしました。
テスト実施に至るまでには、頻繁にリモートでの打合せ、メッセージのやり取りを行いました。
またテスト実施期間中は、日次で打合せを行うことで意識合わせができ、懸念点や改善点を迅速に共有することができたと考えています。

チームの皆様のご尽力あってこそですが、テスト項目の策定から実施までを伴走させていただいたことで、最終的にはチームの皆様が自走できる状態を作りあげることができました。

登録顧問 E氏(40代) 映像、Web制作のクリエイティブディレクターとして約20年にわたり、様々な企業の課題解決やプロジェクト改善などを経験。近年は幅広い業種における新規事業・サービスの開発支援、中でもUI・UXデザインの改善に多く関わっている。支援に際してはクライアントに併走するスタイルを取り、組織やチームの成長にも貢献している。

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