サービス導入事例

合同会社LNSジャパン

売上:
その他(非上場・非公開)
業種:
機械・電気製品

生産、経営全般・事業承継

知見を備えた第三者の助言が社長と従業員間のギャップを埋め、
次世代リーダー育成への土壌が整った

最高経営執行社員 CEO
  • 戸田 徹 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    現社長である戸田氏は6年前に就任し、独力で社内体制整備や生産効率化などを進めてきたが、従業員の多くが受け身の姿勢であり、目標と現実との大きな隔たりを感じていた。

  • AFTER導入による成果

    経営と生産技術の両方に通じた専門家をアドバイザーに迎え、生産現場の効率化を実現するとともに、社長の経験やノウハウを次世代幹部候補に継承するための土壌作りが進展。また、新たに組織マネジメントの専門家も登用し、営業部門の強化にも着手できた。

知識量や意識の大きな隔たりが、改革を阻む壁に

1973年にスイスで創業した工作機械周辺装置総合メーカーのLNS。今回レポートする合同会社LNSジャパン(石川県能美市)はその日本支社にあたり、2012年にスイス本社によるM&Aを経て、グローバル企業の一員となった経緯がある。それ以前はローカルに事業を行う“地方の鉄工所”であり、経営体制の突然の変化に戸惑う従業員は少なくなかった。2013年4月からCEOを務める戸田徹氏は、就任した当時、経営課題が山積していたと明かす。

「従業員からすれば、勤務先が海外資本の会社に突然変わり、状況もよくわからず不安も大きかったと思います。M&Aの1年後に縁あってCEOを引き受けることになった私自身、外部から来て、工作機械はまったくの初めてのビジネス領域。そのため就任後はまず従業員全員と面談し、これまでの工場の歩みや彼らの考え、思いを知ることから始めました。その内容を踏まえて今後についてのプランを立て、そこから3年にわたり独力でさまざまな経営改革や生産体制の整備に取り組みましたが、やはり私一人では限界がありました」

特に障壁となったのは、戸田氏と従業員との間の経験値や知識量のギャップだ。戸田氏はこれまで外資系企業の立ち上げや組織改編に長く携わり、自身のキャリアの集大成として、培ってきた経験やノウハウをLNSジャパンの次世代のリーダー候補に伝えたいと考えていた。それに対し、多くの従業員は県民性でもある控えめで真面目な気質もあって、積極性や自ら工夫する姿勢がなかなか生まれず、そこに戸田氏は「伝えたいことが伝わらない」もどかしさを感じていたという。

「私と従業員の間をつなぐ、知見を備えた第三者が必要でした。求めていたのは、私が実行しようとしていることを客観的に捉えて、どうすればうまく進むかについて助言を与えてもらえる、私にとってのいわばメンターのような存在です」と戸田氏は振り返る。ちょうどその折、採用関係でやりとりのあったパーソルキャリアにi-commonサービスがあることを知り、2016年9月より、自動車業界の大手企業出身でグループ会社社長の経験を持つ「経営×生産技術」領域の専門家・Y氏をアドバイザーとして迎えることになった。

理解や行動を促す上で重要な「伝え方の工夫」

Y氏が参画してから現在まで、工場組織改革や経営戦略、人材採用など、幅広いテーマについて助言を受けながら改革の取り組みを進めてきた。Y氏のアドバイスについて戸田氏は「私がやりたいと思い描いていることに対して、それを否定することは一切なく、どうすれば従業員により伝わるのか、やりたいことを実現できるのか、常に客観的で的確なアドバイスをいただけます。社外からの目は、ある意味で監査役であり、しかもコメントだけでなく、ご自分で工場内を歩いて従業員とも気さくに対話し、状況を的確に把握していただける。非常にありがたいです」と、伴走型のサポートの良さを語る。

数多くのアドバイスの中で、戸田氏が特に心にとめているのが、相手に合わせて「伝え方を工夫する大切さ」だという。「最初は、相手に合わせるというのは、内容のレベルを落として伝えることだと捉えていたのですが、決してそうではなく、相手に伝わりやすい言葉を考えて選ぶことなのだと学びました。例えば、会社の方針として貫かなければならないことがある場合に、『スイスの本社がこう言っているから』という説明では社員はなかなか納得できません。そこで『会社として生き残るためにはこのような“大義”があり、そのために今はこれをする必要がある』と、『大義』という言葉を使って説明するようにしました。聞く人の心に届く伝え方について、Y氏から非常に多くのことを学んでいます」と戸田氏は語る。

これらの取り組みを経て、この年で生産体制の大幅な効率化を成し遂げ、現在も動線管理などにおいて日々改善を重ねている。最近では、従業員から戸田氏に現場だからこそわかる提言など、従業員自らが能動的に考え行動する動きも生まれているという。30代の若手社員を中心に、将来に向けた設備更新や新たな挑戦について主体的に話し合う勉強会も立ち上がった。並行して、東京と名古屋オフィスにおいても、サプライチェーンの新たな構築・効率化や、顧客サポート体制の整備も進めている。

2018年5月からは、i-commonを通して新たにHR領域で経験豊富なN氏をアドバイザーに迎え、営業部門の強化にも着手している。これまでの受託製造を中心とした“待ちの営業”を見直し、顧客へ積極的に提案するソリューション営業へと転換を進めることが狙いだ。また、本社と各国の支社を結ぶグローバル・アカウント・マネジメントの手法を取り入れ、世界規模での顧客データの活用もスタート。売上をはじめとする数値を管理し、営業戦略に活かす取り組みにもさらに注力するという。

人を軸に据えて、自社の課題や目標を明確に

改革をより着実に進めるために、今年からは、戸田氏と2名の顧問、さらにi-commonのコンサルタントを加えた計4名が定期的にミーティングの場を持ち、情報共有を図っている。「i-commonの、我々企業と専門家との間をつなぐコーディネーターとしての介在価値は大きいと感じています。企業と専門家、それぞれの持ち味がバランス良く活きる関係性が大事であり、どちらかが強すぎては良い結果は生まれないでしょう。そのバランスをi-commonのコンサルタントが最初にきちんと見極めてコーディネートし、さらに継続的にフォローしてくれていることで、ここまで改革を進めることができ、今の我々があると言えます」と戸田氏は評価する。

工場の生産効率化を実現し、営業力の向上に注力する今、同社は名実ともにグローバル企業の一員として、地元・石川でも多方面から注目を集める会社になりつつある。その事実は、従業員にとっても自信や誇りに結び付いているに違いない。

最後に戸田氏は、i-commonサービスを活用するポイントとして「“人”を軸に、自社の課題や目指す姿を明確にすること」を挙げる。「ビジネスにおいては常に『こうしたい』『ああなりたい』といった希望を持つものですが、それを実践するのは全て“人”。だからこそ、目標やビジョンを実現するためにはどのような人を育てたいのか、どのような組織にしたいのかをしっかりと見据えた上で、専門家に知見を求めることが大切ではないでしょうか。人を軸にものごとを考えることはビジネスの本質であり、i-commonのサービスを活用する際もそれは不可欠だと感じています」

企業名
合同会社LNSジャパン
設立
1981年10月(創業1969年)
従業員
86名(2019年7月現在)
事業内容
工作機械加工環境周辺装置の総合メーカー、給材機・チップコンベア・クーラント装置を中心に加工環境を整える装置群を製造販売・輸入販売

担当顧問より

LNSジャパン様は日本でも特徴的なローカルメーカーであり、社員の大半も地域の方々で構成された企業です。ですが、スイス本社からは1日も早く、グローバル企業に変化する事を期待されており、トップである戸田社長は人・モノの方向を一元化することに悩んでいらっしゃいました。
これまでトップから従業員への伝え方の改善・生産体制の効率化などを実現させ、現在は、若手人材とのミーティングとその育成支援を進めています。戸田社長の魅力的な人柄もあり、スムーズにプロジェクトが進められております。
私が支援する際の姿勢としては、トップがやりたい方向・やりたい事を四方八方から検討し、やれる・やり切れるアドバイスをする事であり、反対はしないようにしています。
今後は、ローカルメーカーであるLNSジャパン様が、グローバルメーカーになっていく姿が見られることを、楽しみにしております。

登録顧問 Y氏(70代) 自動車業界の大手企業で40年にわたり一貫して生産技術部門領域を担当し、海外約15ヶ国における工場の企画、計画導入にも携わる。合併会社の代表取締役として海外出向も経験し、帰国後は、生産準備関係の2社が合併した新会社の代表取締役社長に就任。デジタルデータを基軸とした生産準備方法の変更を推進した。