サービス導入事例

株式会社クラレ

売上:
1000億円以上
業種:
化学

マーケティング

デジタルマーケティングの戦略設計に不可欠な、
徹底した顧客目線がチームに根付いた

経営企画室
  • マーケティンググループ GCRM推進チームリーダー 今宮 智子 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    BtoBマーケティングのデジタル化を進めてきたが、社内に十分な知見やリソースがなく、特に戦略構築において課題を感じていた

  • AFTER導入による成果

    実績豊富な専門家の支援を受けて複数のデジタルマーケティング施策に取り組み、オンライン展示会を成功。自走体制も整ってきた

目指したのは自社内でマーケティング戦略立案・実行ができる体制

昨今、マーケティング領域においてもCRM(顧客管理)やマーケティングオートメーションの導入など、デジタル活用の動きが加速している。大手化学メーカーの株式会社クラレでも2018年頃から、これらのツールを用いて、それまで事業部ごとに独自に展開されていたマーケティング手法の見直しや統一に着手。さらに2020年1月には、全社横断でデジタルマーケティングを推進する組織を新たに立ち上げ、同時期にi-commonを介してデジタルマーケティングの専門家・D氏をアドバイザーに迎え、さまざまな取り組みを進めてきた。

外部の知見の活用を選んだ経緯として、マーケティンググループGCRM推進チームリーダーの今宮智子氏は「システムの導入は終えていたものの、それを使いこなす段階で課題に直面していました。なかでも『戦略を描く』という部分は、マーケティングオートメーションに初めて取り組むわれわれにとって非常に高い壁でした」と明かす。そこで、デジタルマーケティングの戦略設計から展開までを自社内でできるようになることを目標に定め、D氏を講師役に、まずは基礎的な考え方を学ぶ研修をスタートさせた。週1回のこの研修には、マーケティンググループのメンバーや各事業部のマーケティング担当者らが参加し、現在取り組んでいる施策についての悩みや課題を相談。それに対しD氏からは、自身の豊富な実務経験に裏打ちされた具体的なアドバイスがあり、初回のセッションから参加者の学びへのモチベーションは一気に高まったという。

新型コロナウイルス禍でいち早く製品のオンライン展示会を企画し実現

こうして研修を重ねていた2020年3月、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、同社が出展を予定していた自動車業界向けの展示会が中止に。世の中全体において対面での営業活動が困難さを増すなか、D氏がマーケティングメンバーにアドバイスしたのが、オンライン展示会への挑戦だった。中止になった展示会をフォローする目的に加え、これまでのデジタルマーケティングの学びを実践する場として、同社初となるオンライン展示会の実施が決定。D氏のサポートを受けながら急ピッチで準備を進め、5月下旬から6月末の日程で開催にこぎつけた。

このオンライン展示会では、Webサイト上に各製品の紹介動画やダウンロード用資料を用意し、見積りなどを依頼できる問い合わせフォームも設置。顧客の課題や困りごとを想定した上で、それを解決に導く商材を整理して提示するなど、サイトを訪問する側の視点に立った構成が特徴だ。「これまでは、素材メーカーとしての自社の技術力への自信から、商材の良さを一方的に伝える内容になりがちでした。しかし今回、Dさんから『これは誰に向けて伝えているのですか』『この言葉は一般の方でもわかりますか』といった指摘を繰り返し受けたことで、チームメンバーの間に『今、お客様の目線に立てているだろうか』と常に自問する意識が芽生えました。社内の人間だけでは決して気づけなかった視点です」と振り返る。

顧客へのメールによる事前告知も含め、戦略的に準備を重ねたことが実を結び、オンライン展示会には予想を大きく超える1万人以上が訪問。これは例年の展示会での集客の約3~4倍に相当し、問い合わせ件数も大幅に増加した。加えて、既存客から、これまで取引のなかった別の商材について問い合わせが寄せられる、いわゆるクロスセルの成功事例も出現。顧客情報を事業部間で共有し、全社でマーケティングに取り組む意義を再確認したという。また、新型コロナウイルス禍の真っただ中で、他社に先駆けていち早くオンライン展示会を実行したことに、業界内やメディアからも大きな注目が集まった。

並行して、各事業部でも、メールマーケティング施策などにおいてD氏のサポートのもと改善の取り組みを継続。その結果、一般的に3~4%とされるメールマガジンのクリック率が、約30%まで上昇するなど、確かな手ごたえを得ている。

事業部間での連携や情報共有が活発化

D氏の参画から半年で早くも数々の成果が出ている状況だが、その背景には、今宮氏をはじめとするマーケティング担当者の主体的な姿勢がある。「正解を与えてもらいそれをコピーする、といった受け身の考え方は最初からまったくありませんでした。アドバイスをいかに取り込んで各事業部の戦略に活かすかを、一人ひとりが能動的に考え取り組んできたことで、自分たちの中にリソースが蓄積されてきた実感があります」と今宮氏。一連の取り組みを通して、事業部の枠を越えてマーケティング担当者が相互に教え合い、積極的に情報交換をする横のつながりが強まったことも大きな収穫だという。

Webサイト上での顧客の行動が、すべて数値化されて分析が可能になるデジタルマーケティングの有用性を、今宮氏自身も改めて感じている。「これまでの展示会では、お客様の反応の良し悪しや、場の盛り上がり具合を感覚的に捉える程度でした。それがオンラインであれば、個々のお客様がたどるプロセス全体が可視化され、効果測定を詳細に行うことで、次回はどこに集中して投資をすべきかの経営判断もしやすくなります。そうしたデジタルならではの可能性の大きさを再認識でき、この分野をさらに究めていきたいという意欲が私自身も高まっています」

オンライン展示会やメールマーケティング施策での定量的な成果により、社内でもデジタルマーケティングへの関心や期待は高まっている。それを受けて、対象の部署をより広げた形で、現在もD氏の支援は継続中だ。今後は、オフライン展示会(一般的な展示会)と連携したオンラインの展示会を国内外に向けて展開するなど、BtoBデジタルマーケティングのさらなる強化と、自走できる体制づくりに取り組んでいく。

企業名
株式会社クラレ
設立
1926年6月
従業員
11,115名(連結・2019年12月末現在)
売上
575,807百万円(連結・2019年12月末現在)
事業内容
化成品事業、樹脂事業、繊維事業、機能材料・メディカル他事業

担当顧問より

本件の推進にあたり、キーになったポイントは「デジタルマーケティングのインハウス化」でした。ツールの操作方法は教わり、システムも導入済みであり、動いていくれるベンダーがいるにも関わらず、戦略の絵を自分たちで描きながら主体的に動かすことに課題があるという状態でした。

このような場合、座学で基礎を学んでいただいた後は、やはり自分たちで「作法にのっとり、動かしてみる」という実働のアクションが重要となります。その際、「どのような仮説をもって構築するのか」から始まり、考え方のコツ、実際に出てくる数字の重要性と優先度、その検証のやり方などを「私が動いてみせて、お相手の企業にも実際に行っていただく」という(私の得意とする)実戦形式で展開しました。そうすること事で、クラレ様自身が経験を積み、小さな成功体験を得ることで自信を形成していただきました。徐々に大きなチャレンジへとシフトし、最終的には全国紙の1面に掲載されるような大きな成果につながったことは、今後のさらなる成長へのはずみにもなることでしょう。このような有名企業であるクラレ様の「デジタルシフト」を推進させていただいたことを非常に光栄に思います。

登録顧問 D氏(40代) 3社計12年のマーケティング実務経験を持ち、各社にて、前年比3倍、前月比700%などの数々の実績を成す。転職後のIT業界の大手企業にて、史上最速の入社3か月でマーケティング部長に就任。マーケティング部長時代に数々の大型イベントに登壇し、そこで感じた「マーケティング人材育成の課題」を解決すべく、2018年に独立。 マーケティング実務および、マーケティング組織構築のプロとして国内・海外で活躍中。

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