サービス導入事例

株式会社河野製作所

売上:
その他(非上場・非公開)
業種:
機械・電気製品

経営全般・事業承継

「オーナー×経営」の知見を有する専門家をパートナーに、長年の課題だった組織変革を実現

代表取締役社長
  • 河野 淳一 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    過去に経営コンサルタントを入れて組織変革を試みるも、社長の期待と社員の努力がかみ合わず、両者に溝ができていた

  • AFTER導入による成果

    複数の専門家を活用し経営課題の解決を進める中で、社長と社員の理解が深まり、前向きにチャレンジする社風が根づいた

会社の未来を真剣に考える顧問の言葉が、社員の心を開く

今回レポートするのは、微細加工技術を活かした医療機器の開発製造を手掛ける河野製作所。中でも直径0.03ミリと、世界最小の微細手術用針は、国際的にも極めて評価が高く、数多くの賞を受賞している。今回は河野製作所の4代目社長・河野淳一氏にお話を伺った。

「技術開発型ベンチャー企業であるわれわれのモットーは、チャレンジすることです。『毎年2つの新製品を市場投入する』をビジョンの一つに掲げていますが、こうしたチャレンジの精神を社内にどう根づかせるか、長年試行錯誤を続けてきました」と河野氏は明かす。その大きな要因は、医療器具の新製品開発には膨大な時間と労力がかかるという現実だ。シーズやニーズを見出し、企画、開発、製造、そして販売承認を経て製品化に至るまでに、3~5年、長ければ10年近くを要する場合もあるという。

社内風土の変革を図るため、過去に他社のコンサルティングサービスを何度か利用したものの、思うような結果を得られずにいた河野氏。そこで2015年夏から、i-commonを通して、食品業界の大手で副社長を務めた経歴を持つM氏を顧問に迎えた。河野氏はすぐに、それまでのコンサルタントとは異なるM氏のアドバイスに驚くことになる。「Mさんから『今の段階では、あなたがリーダーシップをとって経営すべきだ』『考え方は間違っていません』と言ってもらえたことで、迷いがすっきりと晴れて大きな後押しになりました。過去にやりとりをしたコンサルタントからは『社長は口を出し過ぎ』『権限委譲が必要』と指摘されてきたので、それとは真逆のアドバイスは目からうろこでした」と振り返る。

「Mさんは自分の経験ややりかたを押し付けることは一切なく、当社のことをよく見て、理解し、経営方針やビジョンに賛同した上で的確なアドバイスをくれる。だからこそ、私だけでなく、社員の心にも言葉が届き、変化につながったと感じます」と河野氏。初期段階で河野氏とM氏が、i-commonのコンサルタントを交えながら時間をかけて対話を重ね、相互理解に努めたことが揺るぎない信頼関係につながった形だ。また、M氏は社員一人ひとりとも個別に面談を行い、各自が抱える問題や不満を細かくヒアリングした上で、具体的な取り組みに着手した。

「それまで社員の心の中にあった『上から目線で提案される』『やり方を押し付けられる』という不安や身構えがなくなり、顧問への強い信頼が生まれた印象です」と河野氏は言う。

薬事、システムにそれぞれ特化した専門家も新たに参画

M氏のアドバイスで最初に取り掛かったのが、自社ホームページの刷新だ。それまで製品説明がメインだった内容を、働く社員や、経営者、企業のビジョンに焦点を当てた内容に作りかえた。その後も、経営戦略の構築、社名ロゴの一新、人事制度改革など、会社の基幹部に関わるさまざまな改善を実現。併せて、より専門的な領域に特化した専門家の活用も決め、i-commonを通じて、新たに医療業界で幅広い知見・経験を持つN氏と、システム戦略を専門とするF氏が参画。それぞれの専門性を活かした複数のプロジェクトが現在進行している。

なかでもN氏がアドバイザーを務める薬事戦略の構築支援では、メンバーとして参加する約20名の社員が、新製品開発のシーズを見つけ、それをニーズと結び付けて、新商品開発につなげていく実践を重ねてきた。自身も製品開発から薬事戦略、営業まですべてを経験しているN氏のアドバイスのもと、一つのグループが製品の企画開発、薬事、マーケティングまでを一気通貫で担うことが可能で、具体的に製品化に向けて進んでいるプロジェクトも多数あるという。

「成果が目に見えるまでに長い時間がかかる医療器具の新製品開発において、Nさんは先が見通せるように的確なアドバイスや後押しをしてくれる。そのことが、社員の前向きなチャレンジにつながっています。また、Nさんから自社製品の特色や付加価値を理解して打ち出すブランディングの大切さを学んだことで、『この製品は本当に価値があるものだから、何としてでも世の中に出したい』という情熱を持って、根気強く取り組む姿勢が芽生えています」と河野氏は参加メンバーの大きな成長を実感している。

こうしたさまざまなプロジェクトが着実に成果を出すなかで、会社全体の雰囲気も見違えるように活性化。周りの社員が果敢に挑戦する姿に触発され、自ら新しいプロジェクトに手を挙げて行動する、といったプラスの連鎖反応も起きている。特に女性社員の積極的なチャレンジが目立ち、美容とアンチエイジングの新製品開発チームを立ち上げた女性3名には、周りの社員からも応援が集まっているそうだ。

第三者の客観的な目線で、自社の潜在的可能性に気づける

同社がいま目標に掲げるのは「GNT(グローバル・ニッチ・トップ)100」。世界でオンリーワン、もしくはナンバーワンの新製品を100種類作ることを目指すスローガンだ。「医療の分野には小さなマーケットもたくさん存在し、例えば特殊な病気や小児関係の病気などは、パイは小さくとも切実なニーズがあります。そうしたニーズに真摯に応えていくこともわれわれの使命。本当に必要とされる製品を世の中に送り出し、その数をどんどん増やしながら会社の成長につなげていく。それを繰り返すことで「GNT100」を実現していきたいと考えています」と河野氏は力を込める。

今後も引き続き新製品開発や新規事業開発に力を入れながら、今以上に、失敗を恐れることなく挑戦ができる環境を整えるために、ホールディングカンパニーの体制を整えていく方針だ。起業のハードルを下げ、経験年数や性別を問わず、意欲を持つ人が誰でも社内起業を目指せる環境を整備し、そこに魅力を感じる起業家精神を持った人材を集めたいという。

第三者的な立場である顧問の視点は、自社の潜在的な力を認識するきっかけにもなると河野氏は語る。「われわれ経営者は基本的に、過去の実績を踏まえて自社の今後を判断するので、例えば毎年の伸びが10%なら、翌年も10%と考えます。一方、顧問はこれまでの数字にとらわれず、現状を客観的に見た上で『もっともっと伸ばせる』とはっぱをかけてくれ、それを実現するために何が必要かを具体的にアドバイスしてくれる。経営者も社員も見過ごしがちな、自社の潜在的な可能性や強みに気づかせてもらえるところにも、外部の専門家を活用する大きな意義があると思います」

企業名
株式会社河野製作所
設立
1970年5月(創業1949年)
従業員
170名(2019年2月現在)
事業内容
医療器具の開発、製造、販売

担当顧問より

河野製作所様は、医療機器業界で、かつては国内医療機器製造社として競合の一つであり、当時から優れた製品開発の視点と技術を持つ企業として認知をしておりました。
医療機器の製造、販売には、欠かせない業務として、国の薬事承認を取得する業務があり、これは企業自体の存続も左右する重要な業務です。
今回薬事業務戦略を支援することを中心に、社内にその役割の相互理解と協力体制を構築することを担って支援を始めました。薬事業務は、単に当局への承認申請業務だけを行うのではなく、開発、製造更には販売機会をも理解した上で、担当者もその役割を熟知していなければ計画通りに承認を得る事は困難です。
その点、河野社長発案の各部署間の業務理解と進度の確認、協議する場を設け、相互理解することで社内的にグローバル感を持たせ、活性化を図りました。
当初は、各部署の相互理解の不足、閉塞感がありましたが、グローバル観点からの支援により活性化し、眠っていた製品の再販を始め、新規製品開発も加速するまでに活性化しています。
日本の医療従事者は、日本製の優れた医療機器の上市を待ち望んでいます。これに応えるべき、自分自身のこれまでの知見を発揮する事で、日本企業が活性化する姿を目の当たりにしています。今後は「GNT100」を如何にスピード感持って進めるかを、マーケティングや効率的販売戦略を取り込みつつ、社員のモチベーションを高めながら進めてまいります。「GNT100」を社内に定着させ、飛躍させる案件を担う事となり、更に知見深度を磨く機会を与えていただいた事に深く感謝しております。

登録顧問 N氏(60代)<薬事支援・営業戦略支援> 医療機器分野全般および医薬品分野において、製造管理、事業立ち上げ、営業、マーケティング、薬事管理業務、コンサルティングの職務を経験。経営全般(経営管理、SCM、HRM、経理財務等)の知見も有する。