サービス導入事例

カブドットコム証券株式会社

売上:
100億円~1000億円未満
業種:
金融

マーケティング

マーケティングのプロフェッショナルの知見を活用し、BtoBtoCの収益拡大に向けて大きく前進

法人営業部
  • 伊藤 裕氏 氏
  • 大内 俊光 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    証券APIを通じたパートナー企業の開拓にあたり、社内にノウハウが少なく、営業戦略をどのように練るべきか模索していた

  • AFTER導入による成果

    マーケティングに精通した専門家の参画により戦略が固まり、収益源の多様化を目指した営業活動が本格化

部署にとって自然な選択だった外部人材の活用

三菱UFJフィナンシャル・グループのネット金融サービスの中核会社である、カブドットコム証券株式会社。同社では2018年度版の中期経営計画において、戦略の柱の一つに「API(※)エコノミーの確立、異業種協業の強化、デジタルマーケティングの推進によるBtoBtoC収益の拡大、収益源の多様化」を掲げている。

この戦略を中心的に担うイノベーション推進部(変更後:法人営業部)の伊藤氏は、BtoBtoCの領域を重視する背景について「我々はネット証券会社として、特色あるサービス展開を通して証券取引をより便利でわかりやすいものにすることに尽力してきましたが、リーチできるお客様には限りがあるのも実状でした。そのため、例えば金融商品仲介業においては、銀行やカード会社といった幅広い顧客基盤を有する事業者をチャネルに加えるなど、さまざまな業態の企業との連携がより重要になっています」と説明する。

BtoBtoC領域に注力するにあたり直面したのが、法人営業のノウハウの不足だ。伊藤氏も、営業グループのグループ長(BtoB営業グループのリーダー)を務める大内氏も、もともとシステム部門の出身。社内全体を見ても営業経験者は少なく、知見を外部に求めることは自然な流れだったという。「部署自体、専任社員は10人足らずのスモールスタートで、必要に応じて外部のベンダーなどと協業する体制をとってきたため、社外の知見を取り入れることに抵抗感はなかったですね」と伊藤氏。大内氏も「営業先のリストもない、まったくゼロの状態で、経験や人脈をお持ちの専門家のアドバイスは必要不可欠な状況でした」と振り返る。

※API(Application Programming Interface)…自己のソフトウェアの一部を公開して、外部から利用できるように提供する仕組みのこと。汎用性の高い機能をAPIとして公開することで、同じ特徴をもったサービスの開発が大幅に効率化される。

セミナーを通して既存の取引事業者との関係がより強固に

2018年8月よりi-commonを通じて、ソフトウェアの法人営業やマーケティングの領域で豊富な経験を持つS氏がアドバイザーとして参画。証券APIを通じたパートナー企業開拓のためのマーケティング計画の立案に着手した。

この証券APIは、2012年に同社がリリースしたもので、従来は証券会社の取引ツールを介さなければできなかった「発注」機能や、「注文照会」「残高照会」「リアルタイム時価配信」などのデータ取得を、APIとして外部に開放している。主要ネット証券会社の中で、株式・先物・オプション取引の参照系・更新系すべてに対応したAPIサービスを提供しているのは、現時点で同社だけだ。このAPIを活用してツール提供を行う事業者が徐々に増えてきた一方で、付加価値を十分にアピールできていない現状もあったという。

S氏とのミーティングはまず、同社のAPIの現在の活用状況や課題、利用者の伸びが鈍い要因を分析するところから始まった。その結果、「APIによって何ができるのか」という具体的な情報の提示が不十分であることが、課題として明らかに。それを踏まえ、同社のAPIや、それを活用した事業者のツールを紹介するセミナーの開催が決まった。会場の手配や業者の選定に関しても、S氏から経験に基づく細かなアドバイスがあったという。9月の第1回を皮切りに、半年間で計4回を開催してきた。

セミナーの成果として伊藤氏と大内氏は、事業者との関係がより強固になったことをいちばんの手応えに挙げる。毎回のセミナーでは、S氏の助言により、各事業者のブースを設けて個別相談の場を用意。参加した事業者にとっても、エンドユーザーと直接触れ合い、率直な意見や疑問を把握できる機会となり、好評だったという。「セミナーに参加いただいた事業者のユーザー数が伸びるなど、明らかにこれまでと違う成果が表れています。当社のAPIを活用いただく事業者を増やす上でも、さらにその先のエンドユーザーの利用を促進する上でも、具体的でわかりやすい情報を提供することが最も重要だと気づきました」と伊藤氏は語る。

並行して自社サイト内のAPI紹介ページの改訂も進め、事業者とエンドユーザーのそれぞれに向けて、訴求力をより高めた内容で2019年度内の公開を予定している。

専門家の的確なサポートにより、ノウハウが社内に定着

S氏は今回、マーケティングの戦略立案から、セミナー開催の細かいノウハウまで、きめ細かくアドバイスを行ってきた。特にセミナーの開催に関しては、PDCAのサイクルを回しながら内容の改良を重ねてきたことで、チーム内にノウハウがしっかりと定着。チームメンバーの成長にもつながったという。短期間で専門家との信頼関係を築き、結果を出せた理由について伊藤氏は「最初がまったくの白紙状態で、何をどこまでお任せするか範囲を決められなかった。それがかえってプラスに働き、Sさんから最大限の経験・知見を伝授いただけていると感じます」と話す。

大内氏は「FinTechが注目され、異業種の証券業参入が進むなど変化のスピードが極めて速い現状にあって、経験豊富な方を外部から招くことは非常に合理的な選択だと思います」と、社内にノウハウの少ない新規分野だからこそ、外部の知見を活用する意義を語る。執行役員に稟議書の決裁を申請する際にも、S氏の分析結果を踏まえた内容であることから、自信を持って説明できるようになり、決裁がよりスムーズに下りるようになったこともS氏参画後の変化だという。

金融商品やサービスが人々の生活により深く根差したものになるよう、同社は今後も、多様な事業会社との高度なサービス連携を実現するプラットフォームを担っていく考えだ。今年4月以降、チームはいよいよBtoBの営業活動に軸足を移す予定で、S氏の豊富な知見や人脈を力強い後押しに、メンバーの士気はさらに高まっている。

企業名
カブドットコム証券株式会社
設立
1999年11月
従業員
141名(2019年1月現在)
売上
245億円
事業内容
証券、商品先物取引業

担当顧問より

カブドットコム様は、マイクロソフト在職時代からさまざまな新しい取り組みをされるイノベーティブな企業様という印象のある会社でした。今回ご支援させていただいているのが、そのなかでも新しいビジネスモデルの推進を行われている部署であり、大変光栄であると同時に私自身も良い勉強をさせていただいております。
API を開発事業者を通じて投資家に訴求するというBtoBtoC の少し複雑なビジネスモデルの推進を、少ないメンバーで地道に進めるには大変だと思いますが、少しでも進むように、プランニングから実行まで、皆さんのお役に立てるようにこれまでの知見を提供させていただいております。

登録顧問 S氏(60代) 都内の大学で11年間経済学の教鞭をとった後、マイクロソフト株式会社(現日本マイクロソフト株式会社)に入社。大手企業の役職者を対象にITの役割を訴求する業務を担う。さまざまな領域のマーケティング業務にも従事し、Office 365 ビジネスの成長に貢献。

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