サービス導入事例

株式会社ジェイテクト

売上:
1000億円以上
業種:
機械・電気製品

新規事業

業界に通じた専門家のサポートで、スピードが肝要な新規事業の開発期間短縮が実現

新規事業推進部
  • 竹内 真司 氏
  • 金谷 学 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    既存事業で培った技術を活かした新たな介護機器の開発・製品化を進めるにあたり、介護業界を熟知する専門家のサポートを必要としていた

  • AFTER導入による成果

    介護業界の知見やノウハウを豊富に有する専門家から、アドバイスや人脈の紹介を受け、製品実証実験や販路開拓、広報活動に注力。近く、製品を販売開始予定

実証実験や販路形成段階で必要とした介護業界のコネクション

電動パワーステアリング等の自動車部品や、軸受、工作機械などの製造・販売を手掛ける株式会社ジェイテクト(本社:名古屋市、大阪市)。同社では2017年から、これらの既存事業で培ってきた「人と機械が調和する技術」をシーズとして、世の中の課題解決へのニーズと掛け合わせ、新たな領域の開拓に取り組んでいる。その一つが、自立歩行支援を目的とした介護機器「J-Walker テクテック」の企画・開発で、このプロジェクトの初期段階からi-commonのサービスを活用している。

新規事業推進部を率いる竹内真司氏は、本製品の開発に際し外部に知見を求めた理由として、必要なノウハウや人脈が社内に大きく不足していたことを挙げる。「これまで我々のお客様は、自動車産業に関連した各分野の製造業の会社様が中心で、介護領域については経験もコネクションもまったくありませんでした。開発途中の製品をこれから介護の現場でどう実証していくか、さらにその先の販路開拓はどうするか、社内の人間だけではカバーできない課題がいくつもありました」

そこで2017年9月より、i-commonを通じて、福祉と介護の領域を専門とするO氏をアドバイザーに迎えることに。O氏は福祉施設や高齢者住宅のプロデュース実績も数多く、介護業界において広範囲のコネクションを持つスペシャリストだ。加えて、気さくで話しやすい人柄で初回の面談時から対話が弾み、竹内氏は信頼感を強めたという。

専門家から得たノウハウをもとに自律的に販路を開拓

竹内氏と同じく新規事業推進部で開発に携わる金谷学氏は、O氏の紹介で、まず、介護領域のさまざまな関係者が集う月例の勉強会に参加。介護に関する基礎的な知識や現状の課題を学ぶとともに、関係者とのコネクション作りに注力した。同社が自立推進歩行器の開発に取り組んでいることをあえて表に出さずに勉強会に臨んだのも、O氏のアドバイスによるものだったという。「ビジネスを打ち出すことはせず、介護を学ぶ一人として仲間に加えてもらいました。だからこそ、介護の現場に関わる方々から、日々どんな課題や困りごとがあるのかを気軽に話していただき、理解を深めながら交流の輪を広げることができました」と金谷氏は振り返る。

並行して歩行器の開発作業も進め、2018年に入ってからは、O氏の仲介によって介護施設を運営する会社と協力関係を結び、試作品を用いた実証実験をスタート。現場からの要望を反映させながら改善を重ねてきた。この過程で、トレーニング効果をデータで自動管理することへの現場のニーズが高いことがわかり、専用アプリとの連携機能も強化させたという。実証実験の場には毎回O氏も同席し、開発側と介護施設側の両方の事情を知る立場から、双方の言葉を相手にわかりやすく伝える“通訳”として、コミュニケーションをサポートした。

販路開拓のフェーズにおいても、介護業界の構造や地域ごとの特性を熟知したO氏のアドバイスは非常に的確だったという。第一段階として、O氏の拠点でサポートを受けながら取扱代理店を開拓。そこで得たノウハウをもとに、以降はチームメンバーが主体となって他県での販路形成を進めてきた。専門家の知見がチームに着実に根付き、自律的な業務推進が可能になった形だ。

O氏の仲介で報道関係者とのつながりもでき、業界紙の1面で歩行器が紹介されたことでプロジェクトはさらに加速。また、O氏の勧めで、金谷氏を含む新規事業推進部の5名が、介護ロボットの運用に関する民間資格である「スマート介護士」資格を取得した。身につけた専門知識を業務に役立てているほか、新しい資格とあって、製品展示会をはじめとする販促活動の場において話題の糸口にもなっているという。

新規参入の領域で、行く道を照らす心強い存在

新規事業においてi-commonサービスを活用する良さについて竹内氏は、「経験のない領域に踏み出すにあたって、すでにその分野で成功も失敗も経験している専門家から、『この道を進むといいですよ』と行先を照らしてもらえるのは非常に心強い。無駄な手戻りを減らして開発期間を短縮できることは、スピードが求められる新規事業開発においては特に意義が大きいと感じます」と指摘する。また、経験者を自社で探して採用することに比べ、必要な場面でスポット的に専門家を活用できるi-commonのサービスは、効率性や経済性の面からもメリットの大きさを実感したと竹内氏は語る。

さらに、新規事業プロジェクトでは往々にして、社内でこれまでに前例のない企画について、経営層の承認を得るというハードルが伴う。そこにおいてもO氏のサポートの意味は大きかった。例えば、どの事業者をパートナーにして検証実験を行うかということや、どの代理店と組んで販売を進めていくかなど、具体的に計画を整えた上で上層部に提示できたことも、スムーズな進行につながったという。

自立推進歩行器「J-Walker テクテック」は、2020年の販売開始に向け、開発の最終段階に入っている。歩行をアシストする機能だけでなく、トレーニング機能を加えたことが大きな特徴で、社会保障費不足や介護士不足といった社会課題の改善や、健康寿命の延長の一助となることが期待される。また、同社では新規事業のもう一つの軸として、2018年8月にパワーアシストスーツ「J-PAS」の販売をスタート。こちらにも介護業界から高い関心が寄せられている。今回、O氏を介して広がった介護業界における人脈とノウハウを、将来的にはパワーアシストスーツの事業展開にも活かしていく考えだ。

企業名
株式会社ジェイテクト
設立
2006年1月(創業1921年)
従業員
連結49,693名、単独11,914名(2019年3月現在)
売上
1兆5208億円(2019年3月)
事業内容
ステアリングシステム、軸受、駆動部品、工作機械、電子制御機器などの製造・販売

担当顧問より

日本の代表的な基幹産業であるトヨタグループに属し、重厚なイメージを持っていたのですが、あにはからんや、風通しの良い社員の自主性と柔軟な発想を重んじる社風だと感じ、ミッションを遂行する上でプロジェクトメンバーの方々には、こと細かに必要とするスキルを学び吸収していただきました。新規事業でありながら介護業界という人間臭い現場にも物怖じせず、施設の入所者に寄り添っていただき、積極果敢に関わっていただけたことが完成に近づけたのだと思います。
現在、国の施策は「介護予防」に傾注しており、同社の開発した製品が時代の要請と共に介護市場に受け入れられ、社会に貢献できるものと確信しています。

登録顧問 O氏(60代) 金融業界、不動産業界、コンサルティング業界にてファイナンスに関わる業務を長く経験。現在は主に福祉と医療分野に軸足をおき、医療法人、社会福祉法人、開業医などの顧問として、福祉関連施設の増設や立ち上げに力を発揮している。また、数多くの介護現場を取材し、そこから得られたニーズを基に福祉機器の製品開発支援や、介護関連事業者とのマッチングサービスも行っている。