サービス導入事例

株式会社ゲオクリア

売上:
その他(非上場・非公開)
業種:
小売

新規事業、購買・調達

アパレル業界に広く人脈を持つ専門家とタッグを組み、国内で先陣を切りオフプライス事業に進出

代表取締役社長
  • 川辺 雅之 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    リユース事業で培ったノウハウを活かし、新たにオフプライス業態への参入を決めたが、商品の仕入に不可欠なアパレルメーカーとのコネクションが不足していた

  • AFTER導入による成果

    百貨店業界で豊富な経験と人脈を有する専門家のサポートにより、仕入れ先を開拓。オフプライスストア1号店をオープンし、以降も出店を重ねている

新業態ゆえに困難だった仕入れルートの開拓

今、アパレル業界で「オフプライスストア」への注目度が高まっている。これは、アパレルメーカーなどから売期が過ぎたブランドアイテムを仕入れて低価格で提供する小売業態で、発祥国のアメリカでは巨大チェーンも存在するほど市場が確立されている。メーカーが自社ブランド品を販売するアウトレットとは異なり、オフプライスストアでは、さまざまなブランドの商品を広く仕入れ、独自の売場編集をおこない販売するのが特徴だ。

ゲオホールディグスの子会社として2018年8月に設立された株式会社ゲオクリアは、このオフプライス事業を手がける。グループの強みである全国的な店舗ネットワークや、リユース事業で培った運営ノウハウを活かし、国内でも先駆的にオフプライス事業に着手。代表取締役社長の川辺雅之氏は「日本国内では毎年10~14億着もの新品の衣料品が、販売に至らず廃棄処分されたり、倉庫に眠ったままになったりする現状があります。こうした余剰在庫の問題はアパレル業界にとって深刻で、その点でもオフプライス事業に取り組む意義は大きく、機は熟していると考えました」と説明する。

一方で、ハードルとなったのが、アパレル業界に対するコネクションが社内に不足していたことだ。商品の仕入れ先を開拓するためアパレルメーカーに営業活動を試みるも、2018年当時はオフプライスストアという言葉自体がほとんど知られておらず、アポイントを取る段階から苦戦。面会ができても『オフプライスストアとは何か』『なぜゲオグループが手掛けるのか』を説明するだけで精一杯で、ルート開拓は難航したという。そこで川辺氏は、i-commonサービスを利用して、外部の知見を活用することを選択。2018年7月より、百貨店業界で37年のキャリアを重ね、アパレル各社とのコネクションも豊富なI氏がアドバイザーとして参画した。

専門家のサポートで取引先とのパートナー関係を構築

I氏はまず、川辺氏に向けて、アパレル業界における商品流通の仕組みや慣習、在庫問題が起きる要因とその苦労などを、業界の視点からレクチャー。川辺氏はアパレル業界の現状について理解を深めるとともに、オフプライス業態が課題改善に果たせる役割を改めて認識したという。商談に使う説明資料についても、I氏からの的確なアドバイスを元に、改訂を実施。そしてI氏の豊富な人脈を介してアパレルメーカーを繰り返し訪問し、コンセプトを丁寧に説明するなかで徐々に賛同を得て、取引先を増やしてきた。

並行して、アパレル業界でバイヤー経験のある人材も複数名チームに加えて仕入れ先を開拓。I氏の参画から約10ヶ月を経た2019年4月、横浜にオフプライスストア「Luck・Rack Clearance Market(ラックラック クリアランスマーケット)」1号店をオープンした。新品のブランドアイテムを割引価格で買えるとあって反響は大きく、その後も順調に出店を重ね、2019年12月には4店舗目がオープン。取引先のメーカー各社からも「とても助かっている」との声が寄せられ、手応えを感じているという。

「例えば、Sサイズが1点だけ残った商品、いわゆる『バラ残』は、メーカー様にとっては扱いに困る対象ですが、オフプライスストアなら、さまざまなブランドからサイズ・カラー・テイストが似たアイテムを揃えることで、お客さまにとって魅力ある売場展開が可能になります。『バラ残も喜んで仕入れますよ』と伝えたところ関心を示していただき、お取引に至ったメーカーさまも多くありました」と川辺氏は振り返る。バラ残の有効活用は、メーカー、消費者、オフプライスストアのWin-Win-Winの関係を端的に表していると言えそうだ。

目的意識を共有しタッグを組む姿勢が大切

現在もI氏の支援を受けながら、引き続き取り扱いブランドの拡充に注力している。2019年度中に5店舗の出店を目指し、以降も年に5~10店舗のペースで、全国展開を進めて行く計画だ。事業のやりがいについて川辺氏は、「売期が過ぎたからといってモノの価値は失われるわけではなく、商品の価値を見直して、必要とする方に届けることができるのがオフプライスストアの良さ。作り手の思いも活かされ、消費者にとっても選択肢が増える利点があり、循環型社会を目指す上でも挑戦のしがいは大きい。オフプライスという販路を、流通サイクルの一つとして確立していければと考えています」と語る。

i-commonサービスを活用するポイントの一つとして、川辺氏は、自社の課題が何かを明確にすることを勧める。「今回は『仕入れ先の開拓』という課題が明確にあったことで、その方面に確かな強みをお持ちのIさんに出会うことができました。新規事業に限らず、ビジネス全般においてスピードは命。目の前にある課題の解決に取り組む上で、知見を持ったスペシャリストの方に期間を決めて参画いただくことは、極めて合理的かつ有意義だと思います」と話す。

加えてもう一つ、重要なポイントとして川辺氏が挙げるのは、専門家に“全部お任せ”にはしないことだ。「そうすると、役割分担になってしまい、むしろ専門家の活躍の幅は狭まるのではないでしょうか。今回Iさんには、人脈をつないでいただくだけでなく、われわれがオフプライスストアという新業態にどう取り組み、何を目指していくべきかについて対話を重ね、相互理解を深めながら進めてきました。目的意識を共有した上でタッグを組んで歩めたことが、結果に結び付いたと感じています」

企業名
株式会社ゲオクリア
設立
2018年8月
従業員
118名(2019年12月時点)
事業内容
総合衣料品及び服飾品のショップ運営

担当顧問より

当初の私のメインミッションは、百貨店業界で培った人脈を活かし仕入れルートを開拓することでした。しかし、闇雲に商品を仕入れてもお客様のニーズに合致していなければ商品も売れません。新規事業ということもあり、事前準備として「ストアコンセプト」「ターゲット設定」「品揃え計画」「出店戦略」等の戦略を川辺社長と一緒に策定することに時間を割きました。
高品質・高価格の商品を安くすることでお客様はメリットを感じるので、そのためには有名ブランド商品を仕入れる必要があります。単なる「オフプライスストア」ではなく、「オフプライスブランドストア」でなくてはならないのです。しかし、大手アパレル企業の場合、値引き販売の新規事業に関しては慎重な姿勢を崩さない企業が大半です。
仕入れルートの開拓においては、そういったアパレル企業側が持っている様々な不安を払拭するために懇切丁寧な説明が必要ですが、その際に川辺社長と策定した「ストアコンセプト」を説明することで多くの賛同を得ることができました。
今後、エコやサスティナビリティーの考え方が益々重要になることもあり、「オフプライスストア」はそういった面でも社会のお役に立てていることを実感しながら支援を進めています。

登録顧問 I氏(60代) 37年わたり百貨店業界に身を置き、バイヤー、販売促進、顧客政策(CRM)、再開発、海外駐在、構造改革、店長、など百貨店ビジネス全般に従事。中でも、不採算店の事業再生、構造改革において、黒字化を実現させた実績を複数持つ。