導入企業様と支援顧問の
対談インタビュー

株式会社エスコプロモーション

売上:
100億円未満
業種:
環境・エネルギー

経営全般・事業承継、人事

会社の変革を促す業務改善と人材育成制度で、社員の意識と行動も進化

対談04

  • 会長  管理部次長浅野総一郎氏 杉本丈治氏

  • i-common登録顧問宮川雅明氏

  • BEFORE導入前の経営課題

    属人的な業務遂行に終始し、組織としての全体最適が成されていない状況が課題。特に業務改善と人材育成制度の構築が急務であった

  • AFTER導入による成果

    個々の業務の見直しとフローの再構築を実施。行動指針や理念の浸透で社員のモチベーションアップと部署間の連携を実現、生産性の向上が進んでいる

筋肉質な組織づくりを掲げ、3ヶ年計画をスタート

関西圏を中心に、太陽光発電や蓄電池などの省エネ機器の販売施工をBtoCで展開する株式会社エスコプロモーション。2011年の設立以来、右肩上がりの業績を続け、3年後は現在の5倍となる売上100億への飛躍を見据えている。その背景にあるのが政府の第5次エネルギー計画。2030年までに新築住宅の100%で太陽光・蓄電池による自家発電を促すという内容で、この機をつかむべく経営基盤の強化に乗り出した。喫緊の課題であった業務改善と人材育成を目的に、候補数社の中からi-commonの顧問サービスを選定。経営改善の領域で38年にわたって優れた実績をもつ宮川雅明氏の支援がスタートした。2020年6月まで続く支援のさなか、同氏とエスコプロモーション会長の浅野総一郎氏、同管理部次長の杉本丈治氏を含む3名に、案件の進捗状況などを語ってもらった。

浅野総一郎氏(以下、敬称略)省エネ業界はこの先5年の間に劇的に拡大していくと予想しており、当社は2019年から3ヶ年計画を進めています。1年目は筋肉質な組織づくり、2年目は差別化戦略、3年目は拡大高収益戦略を掲げ、それに伴って社内の組織整備が必須であると考えました。これまでは個々のマンパワーだけで業績を上げてきた面があり、次のフェーズに上げていくための課題を痛感していたのです。

杉本丈治氏(以下、敬称略)特に社員各々が属人的に業務を行っており、「自分はこのほうがいい」「こうやってきたから」という理由で個別に仕事を進めていました。全体最適ではなく部分最適に終始し、何より業務マニュアルさえないという状況。業務フローがかなり複雑で、きちんとした資料になかなかまとまらない。業務プロセスやマニュアル構築の知見不足、組織内でのマネジメントスキルの不足などの課題を感じていました。

浅野社員満足度調査を実施し、さらに社員からの声を聞くと、人事評価制度に不満があることもわかりました。自分が何をすれば、どのような評価をされて、どう報酬につながるのか。古い評価制度を適用したままで、とくにバックオフィスの社員はモチベーションの上がりにくい状況があったと思います。つまり主な課題は、業務改善と人事制度の見直しの2つ。業務の棚卸し及びPDCAを回せるような状態に持っていくこと、人事評価制度の再構築、その上で社員が誇りを持って働ける組織にしたい。こうした課題感をもって、i-commonのサービスに協力を求め、宮川さんを顧問として迎えることになったのです。

宮川雅明氏(以下、敬称略)経営には3つの原理原則があります。戦略つまり目的、目的に対する方法、そして人です。そして、3つの中で最も見えやすいのが方法、つまり業務ですね。ですから、改革には業務改善から入っていくことが適切な場合が多々あります。今回も業務改善の部分から手をつけていきましたが、でも目的も気になる、人も気になる。最終的には全部と(笑)。実際、この3つを効果的につなげなければ、成果は出ません。つまり、業務改善から入りながら、人事の仕組みを加えつつ、改善活動を通じて文化を組織に根付かせていく。そうした思考の習慣性を組織に植え付けていくことに留意しました。

浅野私自身も、5年くらい前に少し立ち止まって、社員一人ひとりが会社をどのように考え、仕事についてどのような想いを持っているのかを今一度考えてみたことがありました。そして、社員同士が喜び合いながら仕事ができる会社にしたい。そのためにも、社会に貢献できる会社でありたい、という結論に至ったのです。みんなが誇れるような会社にしたい、そのことは同時に生産性アップにつながる。そう考えて、会社ごと全部、イチから変えるくらいの覚悟で宮川さんに組織の変革をお願いする、そんな気持ちで顧問を依頼しました。

改善点が明確になり、社員の課題感の共有が進んだ

宮川スタートとしては、まずは業務の内容について、事実に基づいて定量的に、論理的に考えていくことから始めました。現状の課題を社員に伝え、本来はこうあるべきでないか、ということをぶつけながら、そのギャップをどう埋めていくかの対策を考えていく。そこでは杉本さんと良いパートナー関係を築くことができ、個別の課題について一つひとつつぶしていくような感覚で進めていきました。業務改善は業務の「見える化」を進めながら、「あるべき論」を一緒になって考えていくことが大切です。ともに議論しながら、何を問題にすべきかを定義しながら提起していくわけです。

杉本当初は宮川さんが月に6回の頻度でMTGに来てくれ、個々の業務の目的やフローの洗い出しを一緒に進めながら、改善内容を検討していきました。具体的には、支援開始最初の1~3ヶ月は複雑な業務フローをホワイトボードにまとめ、細かく資料に落とし込んでいく作業を進行。3ヶ月目以降は、関係者を含めて現状の業務フローにおける改善点の洗い出しを行い、27項目ほどをピックアップしました。解決すべきポイントが明確になり、社員の課題感の共有が進んだのは大きかったですね。

宮川改善活動を進めていく一方で、エスコプロモーション様はお客様との関係性が深いビジネスでもあり、部門横断で共通意識を持ちながら取り組んでいくステージアップが必要です。その一環として、全社的な人材育成制度の構築も進めていきました。事業面が社会的な意義のあるものですから、そうした共通価値観をもった人材を育てる必要があります。つまり、評価制度も大事ですが、それよりも行動指針を明確にして、社内の共通言語の浸透をはかることが重要。大事なのは人間力といったことを、全社員にアナウンスしました。同時に、キャリア別に必要なスキルについての個別評価を実施。人間力と固有の技術力を養い、評価していく人材育成制度を構築し、その浸透にいまも力を入れています。

浅野これまでなかった人材育成制度ができて、今後運用ベースに乗って社員みんなの腹落ちが進めば、会社として一気に伸びていくという印象を持っています。先日、ある社員が「自分たちの仕事は、社会のためになる仕事なんだから、もっと襟を正してやらないといけない」と言っているのを聞いて、うれしくなりました。個人の営業成績にばかり目がいきがちで、これまでそんなことを言う社員はまずいなかった。共通言語の浸透が少しずつ成されていると感じますから、これから社風としても新たな文化が育つと期待しています。

全体最適化への転換によって、仕事の生産性が向上

浅野これは社内の問題ですが、宮川さんが用意してくれた課題解決策について、社員が前に進ませられずに途中で止まっていたことがありました。今後は実行フェーズにも携ってもらって、進捗状況の管理とそのチェックについてもアドバイスをいただきたいと考えています。宮川さんは進んで現場に下りていって、自ら業務のフォーマットを作るなど、実働型で社員をサポートしてくれます。抽象的な説明だけで、「あとはやってみてください」と現場任せにするコンサルタントとは明らかに違います。

宮川それはいわば、顧問という外部の第三者としての強みなのです。たとえば、来週顧問が来る、と聞くと、社員の皆さんは課題を終わらせなければならないというプレッシャーとともに、確実に遂行が進んでいきます。これからの実行フェーズでは、そうした強みを活かしながら、社員の前進感を生み出していきたいと思います。顧問というのは、つねづね現場を見ていなくても、状況報告を受けるだけでメンバーの理解・浸透の度合いがイメージできなければ駄目。そうした支援の仕方が当たり前だと考えています。

杉本現場でも宮川さんはとても話しやすくて、社員の思考の中から改善案をうまく引き出しながら解答へと導いてくれるので助かります。私自身一緒に仕事をさせてもらって、物事のとらえ方や、問題解決へのアプローチの仕方がかなり分かってきた部分があります。業務改善は一つの部分だけを見るのではなく、その前後の行程に問題の本質が隠れていることが少なくありません。個別最適化から全体最適化への思考の転換によって、仕事の生産性も次第に向上していると思います。

浅野実際、以前よりも少ない人数で、同様の業務をこなせるようになっていますから、明らかに生産性は上がっていますよ。同時にお客様からのキャンセル率は低下しているので、個々の案件に対するサポートの質も向上しているのだと思います。従来は部署単位の縦割り組織だったため、他の部署が何をしているのかわからず、連携がしにくいことが課題でした。それが業務改善によって、属人的だった仕事も社員間の意識共有が進み、効果的な連携が見られるようになっています。今後は個人プレーではなく、組織としての動きを意識することが事業を大きくしていく上での強みになると感じています。

宮川私はエスコプロモーション様の売上目標100億というのは、まだまだ通過点だと思っています。これから人材育成制度が本格的に動き出したら、1段階や2段階も上のフェーズに入っていくと期待しています。筋肉質な組織づくりを目指した今期、筋肉というのは負荷を与えなければ大きくなりません。つまり、会社としての挑戦する気持ちです。それを可能にする体制づくりに今後も貢献していきたいですね。

浅野多くの中小企業の社長は、成長を目指す上で、顧問などの外部人材の知識やアドバイスを得ることが必要と考えています。でも、実際には失敗することも多い。成功させるには、経営者自身が、絶対にやり続けるのだという強い意志を持つことが欠かせません。外部人材を入れて改革するときは、社員から必ず不平不満が出てきますし、反発や抵抗を覚悟する必要がある。だからこそ、経営者自身が顧問を最後まで信じて、一緒に行動し続けることが不可欠なのです。今回、i-commonのサービスを受けて満足していますし、宮川さんはそう思わせてくれる人でもありますから、今後の支援にいっそう期待しています。

  • 株式会社エスコプロモーション

    会長  管理部次長浅野総一郎氏 杉本丈治 氏

    会長 浅野総一郎 氏

    2011年4月に株式会社エスコプロモーションを創業。以来、代表取締役社長の山道良氏とともに同社の経営を牽引、今年で9期目を迎える。山道氏が主に営業面の指揮をとり、浅野氏は経営全般のかじ取りに注力。今回の宮川顧問による業務改善支援を統括している。


    管理部次長 杉本丈治 氏

    株式会社エスコプロモーションのバックオフィス部門の責任者として現場の一線に立つ。宮川顧問と社員との間に入り、さまざまな調整やプロジェクトの進行を担当。同顧問から厚い信頼を寄せられている。

  • i-common登録顧問

    宮川雅明 氏

    日本能率協会コンサルティング社を経てカナダ・パフォーマンス・コンサルティング社(米国法人、後に日本法人)を設立。約38年にわたり経営革新を経験。自動車、電機、精密機器、家電などのメーカーや小売、物流、製薬、IT、公益法人など幅広い業種での支援実績を有する。事業開発・組織開発・人材開発の3領域を中心に、経営の多様な課題に実践的に対処することを得意としている。また、英国国立ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)大学院の特定教授を務める。

企業名
株式会社エスコプロモーション
設立
2011年4月
従業員
100人
売上
前期16億円(2019年12月現在)
事業内容
各種電気工事・ESCO事業を中心とした省エネ改修工事、ESCO事業の普及・広報活動、各種住宅リフォーム