顧問紹介

吉川 恵治

得意分野:
生産・品質、
経営全般

生産現場の第一線で磨き上げた経験値と
グローバル企業CEOとしての知見で人材を育成

PROFILE

1973年に日本板硝子株式会社へ入社。製造の現場でおもに生産管理や生産効率化の業務を担当。実務を通してモノづくりのセオリーやその経営ノウハウを得る。2012年、同社代表取締役就任。同社のピルキントン社買収では各国特有のリストラを実施する過程で製造現場の生産性向上についていくつかの試みをし、一定の成果を上げた。同社相談役を経て2017年退任。現在は株式会社アーク・イノベーション顧問、関西ペイント株式会社の社外取締役としても活動。

実務経験に基づいたモノづくりと経営のノウハウを
多くの人に役立てたい

日本板硝子株式会社に入社以来、キャリアのほぼすべてで直接的・間接的にモノづくりに関わってきました。国内ラインマネジメント、生産効率化、品質管理、および海外生産ラインマネジメントなど製造部門の第一線で実務を経験し、工場長、取締役執行役、さらには代表取締役とキャリアを重ね、モノづくりをベースにした経営に従事してきました。日本のみならず海外拠点での生産活動にも深く関与し、同社が世界最大手の一角であるガラスメーカー・英国ピルキントン社を買収した際には、文化の違いから外国人社長が相次いで去っていく中、代表に就任しました。グローバル企業CEOとして得難い経験ができたと思っています。
退職後は激務だったこともあり休んでいた時期もありましたが、いろいろな方と話をするなかで私の経験を必要としてくれている人がいることを知り、私が実務を通じて得たモノづくりのノウハウを多くの人のお役に立てたい、ノウハウを形にして残したいと考え、2017年に個人事業主として活動を始めました。

しかし関わる業界が限られており、私の人脈も限定されてしまって新鮮味がありません。自分の所属する業界や会社を基準に何でも判断してしまうのはよくないことです。視野を広げて世間を知る上でも必要だと考え、i-commonに登録しました。実際に今では多様な業界に関わることができているので、登録してよかったと思っています。
これまで海外のビジネスの現場をたくさん見てきましたので、その視点から日本の企業に有益なアドバイスができますし、私の支援活動は実務経験を通じて自身が納得した知見をもとに構築されているため、「すり合わせ(応用)」の範囲が広いと自負しています。

また、私が強みのひとつとしているものに「経済性工学」があります。これは意思決定の際に、経済的により有利な案を探し、比較・選択するためのスキルです。例えば製造の現場でラインが止まってしまうなどのトラブルが発生した場合、現場の工場長や職長はそれが経営上の数値にどのような影響を与えるか、あまり考慮せずに意思決定をすることがあります。しかし今後は、現場の責任者にこの経済性工学をレクチャーすることで、経営的な視点で意思決定ができる人材を育成できるようになり、より収益体質の強い製造現場を作り上げることができると考えています。

「Know Why」から生まれる気づきと連鎖
現場の意識を変え、共感を生み出す

私が現場に技術を伝える際に最も大切にしているのは、“Know Why”を意識して「なぜそうしなければならないのか」ということを嚙み砕いて伝えることです。「なぜ」がわかると「こんな工夫もできる、あんな工夫もできる」と気づきが生まれ、自律的に組織が動いていくようになります。特に日本人の場合は大きなリアクションが期待できます。
現在関わっている素材・資源業界の大手会社では単価の高い資材の在庫削減システムの構築支援を担っていました。プロジェクトの目的は生産管理の強化。
徹底した低コストの管理システムの導入を目指して管理工数の負荷を下げ、浮いた時間を付加価値の高い業務に振り向けることを目指しました。この姿勢を評価していただき、同社の国内全工場を訪問してこの思想を第一線の皆さまと共有するという貴重な機会を得ました。大事なことは正味作業の比率を上げ生産性の高い現場を実現することです。
さらに各工場でESG(環境・社会・ガバナンス)の視点でスジの良い新事業の芽が沢山あることに気づきました。
専門家としての最終報告会ではこの点にも触れさせていただきました。整理整頓から入って、最終的には経営の視点からの提言をさせていただけたという、私のキャリアの多くの部分を動員させていただき、お役に立てた案件でした。

別の素材・資源業界の大手企業様の場合は、支援を進めるにあたり「この人を抜かれたら困る」という人を私に付けてくれるよう企業にお願いしたところ、本当に優秀な人材をつけてくださいました。私は顧問の立場ですが、まるで自分の部下のように叱ったり、熱く語ったり、食堂で一緒に昼食を食べたり。社外の人間という垣根が分からなくなるほどですが、現場経験を通じて得た様々なノウハウを語ることで、私のことを「同じモノづくりのDNAを持った人だ」と思ってもらえたことが、いい結果に繋がっていくのだと実感しています。

モノづくりは嘘がつけない。
人が育てば確実に組織は強くなる

これまで私はIE(Industrial Engineer)のスキルも習得し、国内外の製造現場を数多く経験、日本板硝子時代は外国人CEOから欧米式経営を身近に学び、私自身もグローバル企業のCEOとして同社の経営再建に寄与しました。それらの豊富な経験から顧問として支援をする際には「この企業にはこれを」というある程度のイメージはできます。しかし経験に安住するのはなく、常に学び続けることが何より大切だと感じています。
いまITは目まぐるしく進化しています。私が製造業に従事していたころのAIと今のAIでは雲泥の差があり、「食わず嫌い」ではコンサルタントとして使い物になりません。 また、業界構造の変化、ポリティカルな問題や環境問題など、何でも日本人の感覚でとらえると道を間違ってしまいます。そんな点もふまえ、広範囲に勉強を重ねています。

これまで私は約1年半で6社の企業を支援させていただいていますが、共通していることはどの業界も人材が不足しているということです。素養のある人材はいても、生産管理ができる人がいない。日本のモノづくりのベースが相当失われていると感じています。 これは企業規模に限った話ではなく、大企業には設備を動かす固有の技術はありますが、末端の製造現場では人材不足に喘ぐ中小企業と変わりません。だからこそ「Know Why」の大切さを現場で伝えて、人を育てていこうと思っているのです。

モノづくりは嘘がつけない、と言われます。例えば人間の病気の場合、医師が間違った処方をしても体力のある人は回復するし、そうでない人は「生命力がなかった」と責任回避することができる場合もあるかもしれません。しかしモノづくりはそうはいきません。間違った対処では、品質や設備のトラブルは必ず再発します。だからこそ現場には優秀な人材をあてさらに成長する環境づくりへの配慮が欠かせません。
私は最終的には「人を育てる」ことを目標に活動しています。人が育てば組織は確実に強くなります。たとえ顧問契約が切れたとしても、私が育てた人がしっかりと根を張ってアクションを起こしていけるようになれば、組織が活性化していくはずです。
自分の成果やプロジェクトの成功だけにこだわっても何も残りません。
「人を育てる」――これを理想に掲げ、今後も多くの企業様の発展に貢献していきたいと思っています。

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