顧問紹介

鷲巣 信太郎

得意分野:
新規事業、
研究開発

“人”を変えて“人”を育てる。
信頼関係を築いて共通認識を持ち、事業に挑戦する

PROFILE

1984年に富士写真フイルム株式会社(現・富士フイルムホールディングス)に入社し、新規技術開発研究室長、新規事業開発本部技術部長、R&D統括本部技術戦略部統括マネジャー(部長)を歴任。2013年10月より再生医療の国内トップランナーである株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングに出向し研究開発部上席研究員となる。2015年9月に富士フイルムを定年退職し、現在はコンサルティング業務に従事。

研究開発と技術経営の確かな実績
キャリアの付加価値を試すために独立

大手精密化学メーカーで研究開発に20年間、技術経営の仕事に12年間携わってきました。技術の専門家であり、かつ技術経営にも軸足を置けるというキャリアです。自分の専門である研究開発の仕事を、いかに世の中のビジネスに結び付けていくか、会社としてどういう戦略で進めるか、などを考えて決めるのが技術経営です。

同社では主力事業であった市場が一気にシュリンクし、大きな柱を失ってしまうことがありました。その際に「選択と集中」という選択肢もありましたが、私たちはまずはいくつかの事業で相互に補完できる「多角化」の道を選び、世の中のいろいろな事業領域にチャレンジしました。私は当時全社の技術経営全般を担う仕事をしていましたので、結果として本当にさまざまな経験をさせてもらいました。

60歳の定年を迎えるにあたり、同社には65歳まで働ける雇用延長制度もありました。しかし、これまでに得た知識や経験がもっと広く世の中の役に立てられないかと考えたことと同時に、自身のキャリアは世の中に出た場合にどの程度の付加価値があるのかを試してみたくなったのです。そして会社に残るのではなく、いろいろな企業や人に出会うことの中でチャレンジしたいという思いもあり、独立しました。

もちろん定年後は趣味と実益を兼ねた自由な過ごし方というのもあったかとは思いますが、自分のそれまでの生き方の延長線上で、その可能性をさらに広げ、会社で学んだことを活かしていく生活を選び、コンサルティングの仕事をすると決めました。その際、私は企業の技術経営をサポートする仕事が専門ですので、顧客開拓はi-commonに登録してお任せした方がいいと考えました。やはり、「餅は餅屋に」という考え方からです。自分が持っている人脈ルートだけでもよかったのですが、やはり既に知っているお客様先よりも新しい人との出会いがとても刺激的で楽しいので、プロの仕組みを持つi-commonにお願いすることにしました。

チームに共通認識がなければ事業の成功なし
ビジョンを策定しSTPDサイクルを回す

支援させていただいている企業の大きさは様々です。大手の場合は自分が働いてきた会社と同じ規模感の話ができます。何が課題で、どこにニーズがあるのかが把握しやすく、自身の経験の中から打開策や解決策などを提案し実践することができます。その結果、十分にお役に立てているのではないかと思います。具体的には、単に私の専門領域を活かした支援だけでなく、いかにしてこのビジネスを大きくするか、そのために人や組織をどう改善するか、あるいはもっと原点に立ち返って全体の意識レベル改革をどのように進めるかなど、私にとっても非常にやりがいのあるものになっています。一方で、ベンチャーを含めた中小企業の場合には、研究開発から始まりそれをビジネスに作り上げるまで、一気通貫ですべてが対象になります。実際に私が行う支援の流れは、企業が抱える状況や課題によって臨機応変にスタイルは異なってきます。

依頼いただく話について、総じて言える問題意識としては、すぐに結論を求められるケースが多いということです。新規事業のサポートでは、何をすればよいかについて”What”だけを求め、3ヶ月で、6ヶ月で、と非常に急がれます。ただこの拙速な活動で”What”を安易に絞り込んでしまうこと、そもそもこれがなぜ新規事業が難しく、なぜなかなか成功しないのか、ということの理由だと考えています。すぐに何かを求めすぎなのです。私は技術者であり、サイエンティストですから、仕事を進める時には必ず観察から入ります。そしていったいどういう現象が起きているのかを整理し考えます。考えた後に何を具体的に探索すればよいのかを計画を立てて実行に移します。

世の中にはPDCAサイクルで早く計画を作って回せという風潮があります。しかしここには大きな問題があり、その前に“よく見て考える”という段階が必要なのです。私が支援を行う時には、とにかく徹底的に現状分析をします。自分たちの会社が置かれている状況、いま何が変えられるのか、他社との競合関係はどうなのかなどをきっちりと整理し、プロジェクトに参加するメンバーが、自分の会社のことをよく知ることが重要です。そしてPDCAではなく、観察する(See)、考える(Think)、計画を立案する(Planning)、実行する(Do)のSTPDサイクルを回すというのが私のスタイルです。

どんな課題でどんな成果を求めることになっても、必ずチームを作り、最初はビジョンの策定に入ります。会社に企業理念というビジョンがあるように、チームにも共通認識がないと力になりません。ビジョンの議論をし、ミッションを定め、その中で自分たちのバリューは何かを明確にします。これらをきちんと決め、さらにチームの名前を決めて活動を始めます。どんなに小さなチームでも、この目的意識や価値観の共有化は非常に重要であると考えています。

信頼を勝ち得ることが成功の秘訣
知的好奇心を絶やさず、自身も成長を続ける

新規事業の支援を行う時、よく“How To”、要するに新規事業の創り方を教えてください、と求められることが多いのですが、私が支援を行った時の一番大きな変化は、“人”に表れると思っています。“How To”を教えるのは当たり前です。“人”が変われるきっかけ作りをお手伝いし“人”を育てるということが、私の仕事だと考えています。

これが上手くいくと、みなさんの目の色が変わってきます。最初は、この人はいったい何をするのだろう、という疑念の色が見えるのが、次第に輝いて見えてきます。そしてメンバーの感性が磨かれてきます。仕事のなかだけではなく、日常生活でもこれは役に立つ、これを活かそうと常にセンシティブになってきます。特に大企業の社員にありがちなのですが、内向きのものの見方・考え方、すなわち仕事をすることの意味を社内に求める意識や姿勢が、外向きに変わります。世の中の動きを敏感に察知して仕事やプロジェクトを進めることは、新規事業に一番大切なことです。

“人”が変われるきっかけ作りのためには、一緒に活動する私のことに興味をもってもらい、信頼してもらい、好きになってもらわなくてはなりません。そうしないと率直なコミュニケーションができないからです。簡単で当たり前のことかもしれませんが、まずメンバーの名前をすべて覚えます。10人来ようが、15人になろうが覚え、必ず名前で呼びます。私のことも、先生ではなくて「鷲巣さん」と呼んでもらいます。そうしたやりとりで醸成される私とメンバー間とのフラットな信頼関係は、単純なようでとても重要だと思っています。初期段階でお互いの信頼を勝ち得るかどうかは、その後の活動が上手くいくかどうかを大きく左右します。

信頼が得られるためには、私自身も信頼に値する“人”でなければなりません。いろいろな企業の方とお話させていただくと、私の知的好奇心がさらに旺盛になり、モチベーションも上がります。現在はそうした機会にたくさん出会える仕事となっています。一方、企業の支援は主に自身の実績に基づいた知識や経験を活かして行うことではありますが、現状維持のままの取り組みだけではいずれ通用しなくなると思っています。世の中の進歩は非常に速く、ビジネススタイルもどんどん変化していきます。今までの知見に上乗せして、新たな知識や情報、ものの見方・考え方などを積み上げていく努力を日々怠らず、皆さまの力になれるよう努力していきたいと思います。

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