顧問紹介

小笠原 修

得意分野:
購買・調達

グローバル調達のプロフェッショナル
戦略的サプライチェーンマネジメントで企業の収益力を後押し

PROFILE

1980年に日本電気株式会社に入社し、一貫して資材・購買部門に配属。1994年から2000年まで海外現地法人に出向し、海外調達業務に従事して国際調達のノウハウを蓄積する。2002年からJ-フォン株式会社(現在はソフトバンク株式会社)に在籍し、2006年からエリクソン・ジャパン株式会社に転職。2007年から調達管理本部長、2012年より2017年まで取締役に就任。その後リレーションシップマネジメントの専門性を発揮して外国大使館で契約業務に従事。国内取引先・海外取引先との豊富な調達・契約交渉経験、海外法人での勤務経験、グローバル企業の取締役として培ったノウハウを活かし、国内外での調達分野を幅広く支援する。

企業の収益性向上を目指す上で
調達活動は極めて重要な意味をもつ

私は日本電気株式会社から現在のエリクソン・ジャパン株式会社に至るまでの37年間、国内外で一貫して調達業務に関わってきました。ほぼすべての調達品目に関わり、海外からの国際調達にも確かなノウハウと知見を有しています。そして50歳になった頃から、ある思いが募るようになりました。それは、日本の中小製造業の調達業務において、自分が培ったノウハウを活かすことができないかという思いです。というのも、多くの日本企業は調達の分野に関する組織構築が不十分で、企業自体の収益性を低下させているのでは、という懸念があったからです。

企業は平均して総コストの6~7割を外部から調達しており、調達活動は企業のコスト競争力、収益性向上を達成する上で極めて重要な意味をもっています。しかしながら、受注・売上確保のための営業活動と比べて、調達活動を戦略的なものと位置付けている企業は意外なほど少ないのです。つまり、企業経営において見落とされがちな領域が調達活動であり、逆にいえばコストの6~7割を占める調達活動を専門的に見る組織や人材があれば、企業の優位性を担保していくことにつながるわけです。

たとえば、開発部門が購買の決定権をもっている企業は少なくありませんが、そうではなく、調達部門がイニシアチブを取る中で、開発や生産管理、品質管理部門などが一体となって、最適な調達について合議していくことが求められます。私は、これまで培ったノウハウによって、調達活動を戦略的なものに変え、調達と物流業務を統合したサプライチェーンの付加価値を高めて収益改善につながるサポートを提供します。こうした調達業務に関する専門的スキルを日本の企業に提供し、収益性を高めることに貢献したいそう考えてi-commonの顧問サービスに登録しました。

4段階のプロセスを通して、
調達の規程と仕組みを作る

i-commonとの案件で、塗料業界の大手企業を支援したことがあります。同社は多数の海外拠点をもつグローバル企業なのですが、調達機能が拠点ごとにバラバラで、組織としてのシナジーが発揮できていないという課題がありました。加えてそれ以前に、資材の調達先はもっぱら開発部門が決めており、調達部門が十分な権限と責任を有していないという現状であることが分かりました。各拠点を一括管理するグローバル対応の前に、社内に基本的な調達の仕組みを作ることが必要な状況だったのです。

そこで、主に調達部門の担当者と週1回のミーティングを行うことからスタート。調達部門の新たな構築のために、4つのステップで支援を始めていくことにしました。4つのステップとは、現状分析→課題の抽出→戦略の策定→実行と結果のモニタリングです。この4つの段階を通して、調達の規程と仕組みを作ることに注力していったわけです。加えて、調達部門の権限と責任を明確にして、たとえば開発部門が独自の判断で調達先を決定することは禁止にしました。調達部門がサプライヤーを審査・調査して、RFP(価格提案書)に基づいた評価を行った上で調達先を決定し発注するという、調達業務の流れと責任の所在を明確にしていったのです。

このプロセスの中で最も重要といえるのが、現状分析のフェーズでした。これをしっかりと突き詰めれば、そのあとの課題抽出や戦略の策定・実行はおのずと答えが出てきます。まずは現状分析を3ヶ月かけてじっくりと行い、調達組織を構築するための土台作りを進行しました。その意味でも最初のミーティングにおいて、最終的なゴールの設定はどこかというコンセンサスを得ておくのは非常に重要です。もちろん、調達改善の成果としてはコストダウンが必須ですが、今回の案件は、単に定量的な短期の成果を求めるのではなく、今後安定したコストメリットを生み出せる調達部門の組織構築が主な目的でした。そのため、丁寧な土台作りから進めていくことになったわけです。

中長期的に、サプライヤーとの
良好な関係を構築することが重要

調達という業務を進める上で重視すべきマネジメント手法は何か。私は大きく二つがあると考えています。一つは、カテゴリー・マネジメントと呼ばれるもので、資材のカテゴリーを戦略的ビジネスの単位として管理していくこと。つまり、調達するものによってどのような戦略にするかという専門性を高めることが当てはまります。そしてもう一つが、サプライヤーとの関係性をいかに良いものに構築するかという、サプライヤー・リレーションシップ・マネジメント。調達を長期的に安定させるために必要なマネジメント手法です。

サプライヤーとの関係性は、調達業務において、言うまでもなく重要なものです。たとえばサプライヤーの調達価格が上がった場合、以前の多くの日本企業のやり方であれば、安価な中国、またはベトナムなどに発注先を移すなど、目先の利益を求めてサプライヤーを変更していました。そうではなく、価格が合わなければ、下げてもらうべく交渉する。仮に品質が悪くなったら、先方に伝えて改善してもらうといった対応が必要なのです。それをせず、単に変更ばかりしていると、やがて質の良いサプライヤーはなくなってしまいます。中期的かつ長期的にサプライヤーとの良好な関係を構築し、継続していくことが重要なのです。

このようなリレーションシップを確実に推進するためには、常に「確固たる緊張感」がなければいけません。クオリティやパフォーマンスが下がれば、先ずは改善を求め、それにもかかわらず改善が見込めない場合には発注のボリュームを減らすことも必要でしょう。そうした緊張感のある中長期的関係の構築が大事であり、私が考える調達プロセスの大事なキーワードになっています。こうした自分のノウハウや考えを多くの企業に提供しながら、調達業務に関する課題を解決するための支援に、これからも力を注いでいきたいと思います。

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